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== ブリとブラ ==

ブリとブラ (11)ブリの復活

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ブリとブラ 目次

ブリとブラ (11)ブリの復活

「見せてみなよ…」
イジける唯にヤレヤレといわんばかりに小さくため息をついた律が、カバンから出したブリを受け取る。

「なんだ、こんなのすぐ直せるよ、ちょっと待ってて」
がさつに見えて実は裁縫が得意な律は、綺麗に畳まれたブリを広げてしばし見つめると、キレイに切れたパンツのゴムをチクチクと縫いはじめた。

りっちゃんさん…、ほんま、ありがとさんですっ…、ボクは幸せモンやでえ…。
繊細な運針をする律のしなやかな指先に揉まれる気持ち良さで、ブリは至福の表情を浮かべていた。

ご主人様は、いいお友達に恵まれてるよなあ…。
そしてブラも律の隠れた特技に感謝しながら、唯のためにみずからを犠牲にした相棒の復活を、心から喜んで目を潤ませていた。

「ほら、できた、新品みたいでしょ」
「うん、りっちゃん、ありがとお…、ホントに新品みたいよだおっ、大切にするからねっ」
プロ並みの素早い手際でブリを元通りにして、うれしそうなドヤ顔を見せる律に、目をウルウルさせた唯が脱力してじゃれついていた。

ご主人様のために、ボクは、ガンバルでえっ…。
ああ…、これでブリとブラコンビ復活だな…。

ブラを気遣って軽口を叩いていたブリだったが、捨てられる覚悟は心の奥に常に持っていた。ブリは九死に一生を得たような僥倖をしみじみ噛み締め、同じように相棒の行く末に心を痛めていたブラも、コンビ復活に陽気な声を上げた。

「じゃあ、さっそく」
「唯、ちょっと、はしたなくないか」
ウルウルウキウキの唯がブリに足を通すと、苦笑いの律がツッコンだ。
「いいじゃないですか、不安ですもん、早く履きたいですよ、ね、唯ちゃん」
ノーパンになることの多い(?)ムギがニコニコしながら、律を取りなす。
「うん、そうだよね、ムギちゃん」
プリティお尻をリズミカルにプリプリ振りながら、唯はブリをズリ上げた。下着装着の女の子完全武装状態の唯は、
「ムフー、ふっかあつっ」
仁王立ちして鼻息を大げさに鳴らすと、意味もなく自慢気に二人を見渡していた。

「わかったから、早くスカートさげろよ」
ブリを自慢したいのか、タイトミニをズリ上げたままでモロパンする唯に、呆れ顔の律が軽いスパンキングでツッコむ。
「いやあんっ」
ライトSMプレイでうれしそうにのけ反った唯は、
「りっちゃんのエッチいっ」
柔らかそうな腰肉をムッチリさせるタイトミニスカを、お尻をプリプリ振ってズリ下げ、照れ笑いして律にツッコミ返す。

ああ…、ご主人様のぬくもりや…、はあ…、ボクは三国一の果報者や…。
よかったな…、これでもう捨てられることはないぞ…。
ああ…、そやけど、ご主人様のお尻は、気持ちええ弾力で、ホンマ、うっとりするわ…。
なにいっ、オッパイのほうが柔らかくて、気持ちいいんだよっ…。

唯の柔らかい素肌に触れて極楽気分に昇天気味だったブリだが、ブラのしみじみした声に思わず泣きそうになり、ムリに強がったセリフをうそぶいていた。そんなブリの気持ちがわかるブラは、同じように負けず嫌いなセリフで応酬した。

「そろそろ、2時間目の準備しないと…」
見かけはおっとりしてても実はしっかり者のムギが、時計を気にしてじゃれつく唯と律に注意勧告した。
「あ、そうだね、早く食べないと…」
三人とも2限は授業があるので、なんの準備もしてない唯は慌ててケーキの残りをかき込んだ。
「あうっ、けほっ、けほっ」
「ほら、あせるからだよ」
おおかたの予想通り、喉をつまらせて咳き込む唯に、呆れ顔の律がティーカップを差し出した。

「じゃあね、お昼、いっしょに」
体育の授業で着替える律が先に出ていった。
「じゃあ、唯ちゃん、いくね」
英語担当のムギは皿やカップを片付けてから、音楽準備室を出て行った。

お昼まで…、持つかな…。
二人がいなくなって静かな部屋で、唯は残りのスイーツが仕舞われた箱を物欲しそうに見ていた。

ブリとブラ (12)につづく
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