2ntブログ

== 腐女子モヨ子 ==

腐女子モヨ子 (34)あっちゃん

ろま中男3 作品リスト ← 初めての方はこちらをご覧下さい。
腐女子モヨ子 目次

腐女子モヨ子 (34)あっちゃん

「8分ほど、ぐひっ、歩くで、うひっ、ございます」
二人はICG谷駅で降りて、Nテレの通りを歩いていた。デート気分のモヨ子はうれしそうなオタ笑いでヘラヘラしていた。

まともに、歩けねえのか…。
これから行くところが都内でも1,2を争う超進学女子校だと知らないテツは、不自然にクネクネするモヨ子に軽く苛立ちながら、黙ってついていった。
「こちらが校門で、ぐひっ、ございます」
モヨ子に言ったとおり10分弱歩くと、明治維直後からの歴史を持つ女子校の前に来ていた。
お、いるな…、は?…、いいの?…。
警備員の姿に身構えたが、ノーチェックですんなり入ったことにテツは拍子抜けした。制服ではなくなっているが、伝統のセーラー服を身につけたモヨ子と一緒だったからだろうか。

お、女子高生は、こおじゃ、ないとな…。
冬休み中だが登校している生徒は多いようだ。体育会系クラブらしい黄色い歓声のハツラツさにニンマリし、ジトッとした目を猫背の黒マントに向けると、
「こちらが、まぐっ、あひっ、のりあっ、うひひっ、ホールで、ございまするっ」
モヨ子が生徒ホールを指差して振り返った。
「ああ?…」
まぐあい乗り合いホール?…、なんだそりゃ…。
清純そうな女子生徒が、上下に乗り合いハダカで絡み合う、みだらな想像をした建物は、プロテスタントの荘厳な礼拝堂やコンサートホールなどがある生徒会館だった。

どこ、行くんだ?…。
生徒会館に入ったモヨ子は、クネクネしながらもすたすたと歩いていく。最初は清潔そうな印象だったのに、奥に行くに従って薄暗くなり、おどろおどろしい雰囲気さえ漂ってきた。
「うひっ、こちらで、ぐふふっ、ございますっ」
廊下の突き当たりのさらに奥まった所が、腐女子の集会場らしかった。「漫研」と禍々しい文字(とテツがそう思っただけだが)が書かれたドアを開けると、4畳半ほどのスペースに長机とスチールイスが置かれていた。

「あっちゃんさん、うひっ、おはようっ、ごっ、ございまするっ」
腐女子の怨念が渦巻く魔窟(とテツが思っているだけだが)に足を踏み入れると、ヤケに量の多いボサボサボブカットが本を読んでいた。
「モヨ子さん…、おはよう…」
少しだけ顔を上げた毛玉のような女子生徒は、やっと聞き取れるような声を漏らした。

コイツも、モヨ子に輪をかけて、暗いな…。
うつむいて顔の見えないオタ女をテツが見下ろしていると
「うひっ、こちらは、お友達のテツ子様で、ぐふふっ、ございますっ」
モヨ子がなんだかいやらしい含み笑いで紹介した。
「…」
テツ子か、まあ、しょうがねえな…。
どMオタ女に勝手に命名され、若干不機嫌になったテツが黙って頭を下げると
「…、真栄田敦子…、よろしく…」
わずかに顔を上げ、ぼさぼさの髪のスキマから上目遣いでテツを見た敦子は、また最少音量で自己紹介した。

「ぐふふっ、他の方は、いらっしゃったら、いひっ、ご紹介、しまするっ」
オタ臭の染みついたホームグラウンドで、水を得た魚のごとくハイテンションのモヨ子は、本棚から同人誌を何冊か取り出し、ページを繰っていた。
「…」
なにやら敦子がつぶやくと、
「どうぞ、ぐひっ、ご遠慮なく」
妙に陽気なモヨ子に送り出された。

「じゃあ、オレも…」
トイレか?…。
ネクラ敦子の妙に色っぽい後ろ姿を見たテツは後を追った。
「はひっ、いって、うひっ、らっしゃいませえっ」
テツのみだらなたくらみなど関知しないモヨ子は、同人誌に夢中だった。

ネクラでも、カラダはいやらしいな…。
私服姿に揺れるお尻を眺めてニヤつくテツが追いつくと
「…、モヨ子さんの、良さが判るのは、私だけよ」
急に振り返った毛玉女は怨念のこもった上目遣いで、女装のテツを見上げた。

「あ、ああ…、トイレどこ?」
こ、こええっ…、これだから、オタ女は…。
意味不明で重厚なオタ怨念オーラをまとった敦子に、思わず地声で応えてしまったテツは、わざとらしく声を作ってトイレの場所を聞いていた。

腐女子モヨ子 (35) につづく
ブログランキング ケータイの方はこちらから
ブログランキングバナー1日1クリックご協力をよろしくお願いします。(別ウインドウが開きます)
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(愛欲)へにほんブログ村 1日1クリックご協力をお願いします。(別ウインドウが開きます)

┃ テーマ:自作長編官能恋愛小説 ━ ジャンル:アダルト

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 15:37:10 ━ Page top ━…‥・

== 腐女子モヨ子 ==

腐女子モヨ子 (33)テツの初体験

ろま中男3 作品リスト ← 初めての方はこちらをご覧下さい。
腐女子モヨ子 目次

腐女子モヨ子 (33)テツの初体験

ん?…、
モヨ子のアパートを出たのは通勤時間が終わるころだった。
見てる…、のか?…
遅刻しそうなのか小走りに急ぐ中年や、フレックスらしく余裕の時差通勤をする青年リーマンが、チェックミニ、ニーハイのハデな化粧でJKらしくない、ナンチャッテ美女をチラ見していった。

こそばゆい…、
どSな内面はイケ面の外見からは判らないので、女から羨望の眼差しで見られることはよくあったが、男から注目される経験はあまりなかった。
わるくないな…。
スケベな視線にさらされるのを気持ち悪いと思っていたが、男どもから見事な美人っぷりを賞賛されている気がして、テツは優越感でかすかに笑みさえ浮かべていた。

「ぐふっ、お美しい、うひひ、です」
そんなどSご主人様のご機嫌を敏感に察知したどM奴隷は、幇間のようなおべんちゃらを言って見上げ、だらしないオタ笑いを浮かべていた。
「…、うるせえっ」
…、やっぱ、ムカツク…。
だらしない笑顔に軽く癇癪を起こしたテツは、黒マントの下のお尻をスパンキングした。
「ひいっ、あ、ありがとう、うひっ、ございまするっ」
突然のプレイに弓のように反り上がったモヨ子は、すぐに涙目でニンマリした。


二人は駅に到着した。階段でお尻を押さえる習慣などないナンチャッテ美女は、駅の階段で気前よくパンチラしていた。

見事な変身ぶりにチェックミニの美女JKが、実は男だとは思いもしない周りの男は、朝から眼福にあずかったと幸せな気分に浸っていたが、そのうちの一人が犯罪的性衝動を膨らませていた。

Suicapカードで改札を通り抜け、ホームに向かうと、ちょうど電車が滑り込んできて、テツはその電車に乗った。

…、これは、痴漢か?…。
9時前の電車はまだそれなりに混んでいた。乗車時に後ろから押し込まれたテツは、背中に密着する緊張感を伴った猥褻な空気になんとなく気付いていた。
「(おっ…、うええ…)」
きた…、ぐ、ぐええっ…、きもち、わりいっ…。
ショートコートをかいくぐって侵入してきた手に、チェックミニ越しに尻をまさぐられる初めての体験に、テツは全身が総毛立つような不快感で震え上がった。

駅の階段で女性下着を着用したテツのケツを目撃したこの変態は、痴漢目的でテツの背後にポジショニングし、とうとう手を出してきた。

「あの…、その方は、うひっ、殿方でございます」
苦虫を噛み潰したようテツの美女顔を見たモヨ子は、同人誌で鍛えた妄想直感力ですぐに状況を理解し、
「よろしければ、ぐふふっ、これを」
こわばった面持ちで痴漢行為に耽る変態にオタ笑い向けると、不自然にカラダをねじって紺スカートのお尻をプリプリ振り、痴漢のいやらしい手にすりつけた。

「は?…、なんだ、おまえっ…、バカかっ」
黒マント黒縁メガネのちんちくりんに痴漢行為を指摘された変態は、まだテツを女だと信じ込んだまま、不機嫌そうに声を荒げた。
「なんだとっ」
オマエが…、
イケ面でも所詮ヤサ男のテツはケンカの経験などほとんどなかった。いやらしい手で尻をまさぐられても、暴力に訴えようとは思わなかったが
言うなっ…。
モヨ子に対する暴言についカッとなって蹴りを繰り出していた。

「ぐっ、げえ、ぐうう…」
紺ニーハイのニーキックは膨らんだ股間に食い込んだ。急所を蹴り潰された変態は、苦しそうなうめき声を上げてその場にうずくまった。
「降りろ、この痴漢野郎」
このヘンタイ野郎が…、
ちょうど電車が次の駅に到着し、テツは痴漢をホームに蹴り倒した。
オレは男だ…。
降車する乗客からうさんくさい視線を向けられた痴漢は、うなだれたままで電車に乗ってくる気配はなかった。

「うきゃあっ、すっすっ、すっ、すてきいっ、れふうっ」
いやらしい痴漢に脚線美を振るって撃退するスリム美女という、妄想が現実化したようなシチュエーションに、
「りりり、凛々しい、ぐはっ、でふうっ、ふわふあっ」
萌えまくりのオタ女はイレ込み気味な吐息で頬を熱くし、奇妙なクネクネダンスをしながらJKコスのテツにまとわりついていた。

「…、うるさいっ」
コイツは…、
うれションを漏らすバカ犬のようにはしゃいでまとわりつくモヨ子に、軽くイラッときたテツは、
てえっ…。
しっぽを振るようにプリプリ揺れるお尻をスパンキングしたが、その顔はなんだかうれしそうだった。

腐女子モヨ子 (34) につづく
ブログランキング 1日1クリックご協力をよろしくお願いします。(別ウインドウが開きます)
にほんブログ村 1日1クリックご協力をお願いします。(別ウインドウが開きます)

┃ テーマ:自作長編官能恋愛小説 ━ ジャンル:アダルト

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 10:29:52 ━ Page top ━…‥・
New « ┃ Top ┃ » Old