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独身OL美奈 目次独身OL美奈 (91)謹慎の真相
「へ?…、オレの名前?…、いや、ウソって?…」
知ってたの?…、いや、ウソって何が?…。
興奮して縄の代わりになるモノを探していた清司郎は初めて名前で呼ばれてついマヌケ面になって美奈を見つめてしまったが、ウソの意味がわからず聞き返した。
「だから、恋愛禁止破ったってこと」
後ろ手緊縛された状態でベッドに転がされた美奈はあいかわらずののんびりした調子で応えた。
「え…、だって、それで謹慎くらったって、マリヤキが…」
すずやんとマリヤキが、そういってたし…。
美奈のアパートの前ですずやんとマリヤキの話を盗み聞きして得た情報が実はガセネタだったという衝撃の事実に、ヘタレ学生はしばし思考停止していた。
「マリヤキが?…、もうあの子おしゃべりなんだから…」
清司郎がアパート前で隠れて盗み聞きしていたことなど知らない美奈は、会社でマリヤキがしゃべってしまったのだと勘違いしていた。
「あ、いや、マリヤキは…、でも仕事のつきあいでって…」
後ろめたさでなんとなくマリヤキを弁護したヘタレ清司郎は、また盗み聞きした内容の真偽を確認していた。
「そんなことまで…、あれはつきあってって言われて…」
ベッドに座った清司郎にヘビの様にまとわりついて腿にアゴを乗せた美奈が上目遣いに見ていた。
「丁重にお断りしたら、変なウワサ流されて、それで謹慎になったんです」
謹慎はナンパな仕事相手のお誘いを断ったら逆恨みされたというのが真相のようだ。しかし抑揚のない声は他人事のようだった。
「そうなのか…、それってとばっちりっていうより、ほとんど犯罪じゃないの?…」
フラれ男が全部悪いってこと?…、それって名誉棄損だろ…。
後ろ手緊縛の女体を丸めて腰回りにまとわりつく美奈が顔だけ上げて見ていた。何の感情も感じないその顔につられて清司郎もなんだかマヌケな声だった。
「へ?…、へへっ、犯罪は大げさだよ」
清司郎が納得してくれたのがうれしいのか不自然な体勢でアゴを太ももに乗せた美奈がうれしそうに笑って、股間から屹立する如意棒に口を近づけていた。
「いやいやっ、だったら言い訳するでしょっ、なんでしなかったの?」
まて、またウソかもしれん…、うっかり信じるところだった…。
血管が浮いたサオに伸びる可愛い舌に気付いて慌ててアゴを抱えて美奈の顔を引き上げた清司郎は、いぶかしげににらみつけた。
「やあんっ、だって、そんなことで言い争っても時間のムダでしょ」
首が伸びそうなおかしな体勢で引き上げられるのがなんだかうれしそうな首無し美少女は、色恋沙汰に裁判の証人尋問みたいなことが無意味だと思っていた。
「そうかも…、でもそれで謹慎なんてっ、オマエが損するだけじゃんっ」
顔を持ち上げられたまま子猫の様にじゃれついてくる美奈に何となく納得しそうになった清司郎だったが、一方的な処分はやはりおかしいと気付いて前のめりになっていた。
「心配してくれるの?…、それって、愛、かな?…」
いきり立つ清司郎に頭を抱えられたままの美奈はウットリ笑うと、トランジスタグラマーな女体をクネクネさせて豊満な乳房をすりつけてきた。
「い、いや…、だって、正義っていうか、そういうのがあるはずだろ…」
やっぱ、可愛い…、いやいや、そうじゃなくて…。
生首のように美奈の顔を抱えた清司郎は垂れ目美少女のラブリーさにのぼせそうになったが、口ごもりがちに社会正義という青臭いことを口にしていた。
「そうだと思うけど、こっちが悪くないって証明するの、難しいしね…」
理想を平気で口にする学生と対照的に社会人として自分の力で生きている美少女は現実的だった。味方になってくれる清司郎はうれしかったが、会社生活で現実は甘くないことをいやというほど思い知らされていた。
「だったら1回くらいつきあってやればよかっただろ…、劇場でいつもやってんだし…」
なんだよそれ…、だったらちょっとつきあってやれば、丸く収まったんじゃないか…。
無気力とも思える美奈の態度にちょっと不機嫌になった清司郎はよけいなことを口走っていた。
「うん、そうだよね…」
味方になってくれたと思っていた清司郎の冷たい一言にショックを受けて目を伏せた美奈だったが、
「でも私、ファンの人に悦んで欲しくてがんばってサービスするけど、枕営業はしないから」
顔を上げると真面目な顔で見つめ返した。オッサン相手の特殊なアイドルだが、そんな自分にしかできない仕事を精一杯やっているという矜持と、卑怯な手段を使ってまで仕事が欲しいとは思わない独身OLとしてのけなげな心意気を、やる気がないとも取れる感情を抑えた声で語っていた。
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