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== みなしごルリイ パパと呼ばないで ==

みなしごルリイ パパと呼ばないで (2)高級外車の車内

ろま中男3 作品リスト
みなしごルリイ パパと呼ばないで 目次

みなしごルリイ パパと呼ばないで (2)高級外車の車内

日が傾いて混雑してきた通りを、超高級外車がぬめるような輝きの尾を引いて滑るように走っていた。

「オジサンって、さあ…」
これが高級車、なのね…、このオジサン、すっごい、お金持ち?…。
肌触りのいいレザーソファーにお行儀よく座ったルリイは、隣で堂々たる雰囲気を漂わせて座る中年男に、なんとなく引け目を感じながら上目遣いに声をかける。

「ん…、なにかな…、そうだ、フレンチなんだけど、いいかな?」
緊張気味の美少女に声をかけられた男は、そんなルリイの気持ちに気付かずにうれしそうに横を向くと、いい年をしてウキウキして緩んだ笑顔を見せていた。

「フレンチ?…、フランス料理のこと?…、わたし、行ったことないんだけど…」
フランス料理と聞いてピカピカした高級そうな店構えと堅苦しい雰囲気を思い浮かべたルリイは、スラリとしたナマ足のヒザを揃えた紺ミニスカをギュッと握って若干緊張した様子を見せる。

「あ…、いやっ、心配しなくて、いいから…、うん、そうだ、おいしいからっ、気に入ると思うよ」
とっておきのフレンチを喜んでもらえると思い込んでいたオヤジは、美少女の不安げな様子に気付いてまたもみっともなく動揺し、ぎこちないセリフと固さの混じった笑顔を見せて不安を和らげようとしていた。

「そう、ですか…、ところで、さっき、知人って…」
あれれ、またキョドってるよ…、黙ってると、けっこう、イケてるのに…。
気を使ってくれる中年にやや表情を緩めたルリイは、窓から差し込んでくる午後の日差しに照らされるシワの寄った紺ミニスカをさりげなく直すと、さっき聞きかけたことを口にした。

「ん…、あ、ああっ…、キミのことをずっと、探してたんだよ」
聞きたかったことをやっと言うことが出来て、緊張の解けた優しい表情を見せるルリイにつかの間見とれた中年男だったが、細めた目がうれしそうに笑っていた。その目には光るモノがかすかに見えた気がした。

「探してた?…、私を?…」
ひょっとして、私って…、
高級な仕立てのスーツを着た金持ちそうな中年男の嬉しそうな笑顔に、暖かいなにかに包まれるような気がしたルリイだったが、

エンコーオジサンの、アイドルだったの?…、やあん、奪い合いされちゃったりして…。
さっきの見当違いなエンコーオヤジネットワークを頭に浮かべると、若い肉体を求めて大勢のオッサンから言い寄られるモテモテ状態をお気楽に妄想し、思わず顔を緩めてニンマリしていた。

若くて新鮮なカラダを目当てにした脂ぎった中年男たちが群がってくる状況は、普通の女子高生なら怖じ気を震う光景だろうが、生まれたときから母しか知らないルリイは理想の父親像を妄想するウチにファザコンになっていたので、まんざらでも無さそうだった。

「そうだよ、だから、うれしくて…」
キワモノ好き?女子高生のうれしそうな様子を見つめる中年男は、細めた目に光るモノをはっきり見せていた。

「そう…、うふふ…」
泣いてるの?…、やあん、私に会えたのが、そんなにうれしいのお…。
その涙をあくまでもスケベオヤジがエンコーアイドルと巡り会うことができた感動、としか見てない天然勘違い娘だったが
優しくしてあげるよ…、オジサン…。
2時間だけの恋人気分を楽しもうとルンルン気分でのぼせていた。

「さあ、ついたよ」
滑るようになめらかなドライビングを続けていた高級外車が、ホテル入り口の車止めの列に連なる。ドアボーイがうやうやしくドアを開け、ルリイにニッコリ笑った男が降りるように促す。

「はあ…」
あらあ…、これまた、超高級ホテル、ってヤツ…、私なんかが、いいのかなあ…。
男にエスコートされてヤケに広い白亜の大理石がまぶしいロビーに立ったルリイは、高校の制服を着た自分をみすぼらしく感じて、ちょっと気後れしていた。

みなしごルリイ パパと呼ばないで (3)につづく
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