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== ブリとブラ ==

ブリとブラ (14)幸せな殉職者たち

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ブリとブラ 目次

ブリとブラ (14)幸せな殉職者たち

「や、やめてっ」
股間に直に食い込むおぞましい精神注入棒から逃れたい一心で律が体を返すと、ムギのような奇跡のパンチは繰り出せなかったが、瞬間筋肉だらけの腕から逃げるコトが出来た。

「逃げるなっ、うっ…」
腕の中から抜け出した裸体にタックルの体勢で抱きつこうとした大山は、白ブリ(仮)の作戦通り、足を取られて両腕を空振りさせた。
「げっ」
さらにその体勢のまま床に倒れ込んだ大山の全体重が、突出したカラダの一部分を押し潰した。
「げぐええ…」
陰茎と尿道の海綿体が同時に損傷していた。男性機能がほぼ再起不能な激痛に、変態筋肉は地獄の底から湧き出てきたような、不気味な断末魔の叫びをわめいていた。

「きゃああっ、いやあっ…、ううっ…」
大山の不気味なうめき声に悲鳴を上げた律だったが、変態大魔王のイチモツの異変に気付くと、苦痛にのたうち回る変態筋肉のカラダを半ベソの目でこわごわ見つめた。

「う、ううっ」
全裸のカラダがブルブル震えて腰が抜けそうだったが、逃げるなら今しかないと思った。
「やあっ、やだっ、やだっ」
気がおかしくなりそうな修羅場でかろうじて正気を保つ律は、無意識にロッカーを開けるとトレーニングウェアを引っ張り出し、ハダカのカラダに直接着た。


やったな…。
ああ…、アンタの、おかげだ…。
いいや…、オマエの…、一途な気持ちの…、勝利だよ…。
名も無き二人の英雄の、途切れ途切れの声がする。かすれたその声は、しかし律を救出した達成感に満ちてうれしそうだった。

股間が地獄の業火に焼かれるような、塗炭の苦しみにのたうち回る、変態筋肉の足に絡まった白ブリ(仮)と律パン(仮)は、ゴリラ並みの剛力で見る影もなく無残に引き裂かれていた。

最後の力を振り絞ってかろうじて大山の足を縛り上げる二人は、もう目の前が真っ暗になってお互いの姿さえ見えてなかった。

…、やっぱり、アンタがいなかったら…。
もう、いいじゃねえか…、オマエのご主人様は、無事だし…、コイツは…、天罰を喰らったしな…。
律パン(仮)はパンティの務めを果たし、律の貞操を守り抜いたことが何よりうれしかった。白ブリ(仮)の息は絶え絶えだったが、相変わらず斜に構えてダンディだった。

そうだな…、でも…、アンタには、なんと感謝していいか…。
真っ暗な闇の奥に沈んでいきそうな意識をなんとか保つ律パン(仮)は、ご主人様を裏切って味方してくれた白ブリ(仮)には、どんなに感謝してもしきれないと思った。

いいんだ…、ご主人様の粗相を甘んじて引き受けるのが…、オレたちの役目だろ…。
ばっ…、オレの、ご主人様は、なあ…。
大山の悪辣非道な行いの責任を取ることを、下着としての宿命として当たり前のように語る白ブリ(仮)に、清潔な律を信奉する律パン(仮)が思わず食ってかかる。

ああ…、悪い…、
若い女性を穢す不適切なセリフに素直に謝った白ブリ(仮)は、
ションベンまみれ、クソまみれの人生だったけど…、
最期にオマエに…、逢えたおかげで…、いい人生だったと思えるぜ…。
走馬燈のように頭によぎる辛い人生に苦笑したが、下着としての矜持を思い出させてくれた、律パン(仮)との出会いに感謝していた。

なに、言ってんだ…、お互い、これからだろ…。
そうだな…、オマエは、ご主人様に…、かわいがってもらえ…。
朦朧とした意識で、お互いがお互いの無事を願っていた。
アンタだって、…。
律のトコロに戻れと言う白ブリ(仮)は、たとえ生きながらえても、もう戻るところはないのだ、そう思うと律パン(仮)は言葉につまって何も言えなかった。

生まれ変わったら…、女性用下着だな…、柔らかくて、気持ち良さそうだ…。
ああ…、いいぞ…、天国みたいだぜ…。
もう二人とも大山の足を縛り上げる力は残ってなかった。それでも強がって軽口を叩く白ブリ(仮)にあわせて、涙の止まらない律パン(仮)が陽気に応えた。

に、逃げなきゃ…、あ…。
のたうち回る大山に恐怖しながらトレーニングウェアを着た律は、バケモノの足に絡んでビリビリに裂けたパンティを見た。
パンツ…、どうして…。
愛するご主人様のために命を捧げた漢の純情など律の知るところではないが、その哀れな姿を見つめる目に涙がこみ上げてくる。

私の、パンツ…。
勇気を振り絞って手を伸ばした律は
くっ…、言ってくれるぜ…、お…、
無残に引き裂かれたパンティを握りしめた。そのとき律の手が白ブリ(仮)に触れた。
…、元気でな…。
柔らかい温かさに死に際の苦しみを癒された白ブリ(仮)は、律パン(仮)を優しい気持ちで送り出した。

アンタも、な…、ホントに…、ホントに、ありがとう…。
ホンモノの漢に心から感謝する白ブリ(仮)は薄れていく意識で、自分を置き去りにしないで回収してくれた律にも感謝していた。

よせよ…、照れる、ぜ…。
最後までニヒルを気取った白ブリ(仮)の、それが最期の言葉だった。律の温かい感触を抱いて白ブリ(仮)の意識は途絶えた。
…。
律の手の温かさを感じて幸せな律パン(仮)は、孤独な漢の最期に一筋の涙をこぼすと、そのまま息を引き取った。

ブリとブラ (15)につづく
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