ろま中男3 作品リストエロがきコナン 目次エロがきコナン (111)江崎
「あれ、あ…、オイッ、君たち、何してんだ…、あ、綾瀬先生…」
あらかた証拠品集めが終わった頃、部活の朝練が終わって体育準備室に戻ってきた江崎がオレたちを見つけやがった。ハッとなって振り返ったオレは、しかし江崎が鼻の下を伸ばして、床に寝そべるハルカのあられもない色気ムンムンな姿を凝視するのを見た。
なんだよ…、コイツもエロ教師か､…｡
まだ二十代で二枚目の江崎は生徒に人気があっても良さそうだが、バレー部員からはそんな話は聞いてない。どうやらコイツも大山一味のヘンタイ野郎というか、たぶん弟子みたいなモンだろう。卓越した超小学生級妄想力を持つオレ様にかかったら、こんな小者の正体はあっさりお見通しだ。
「せんせい、おはようございます」
オレは立ち上がって小学生のカワイイ笑顔で江崎に挨拶する。
「なんだキミは、ここは高等部の敷地だぞ」
上から見おろす江崎は高圧的な口調でオレをにらむ。オレをガキだと思ってバカする態度がありありと見える。弱いと見た相手には威張り散らすが、強いモノや上位者には卑屈になるタイプだとすぐにわかった。そんなタイプは一発カマしてやれば、へこましてやるのは簡単だ。
「あの、スイマセン、でも、私たち…」
オレが江崎をやり込めようとしたとき、ご主人様の危機だと勘違いしたハルカが間に入って取りなそうとする。
「え、いやっ、綾瀬先生は、いいんです、こんなむさ苦しい所に、よく来てくださいました」
申し訳なさそうに頭を下げるハルカの、開いた胸元からこぼれそうなナマ肌や強調された谷間をのぞき見る江崎は、また鼻の下を伸ばしてスケベな笑いを浮かべていた。江崎はイスに置かれた臭そうな座布団のホコリを払うと、ハルカに座るように勧めていた。
「あの、説明させてください、実はバレー部が盗撮されていたんです、その犯人をこのコナン君が見つけてくれたんです」
「そうです、コナン君が、私たちを守ってくれたんです、コナン君がいなかったら、ハルカ先生や私はきっとヒドイ目に遭ってました」
江崎のイヤラシイ視線など意に介さないように、ハルカはオレを弁護しようと懸命に説明する。出遅れた乱子もオレ様の弁護に熱弁を振るう。
「え、盗撮、ですか…」
身に覚えのある江崎は口ごもってオドオドしはじめる。そもそもこんなわかりやすい場所に置いている大量のビデオテープの存在を江崎が知らないはずがないし、何が録画されているか気付いてなかったとしたら本当のマヌケだ。たぶん江崎は大山のおこぼれに預かっていたはずだ。
「うん、大山先生が、犯人だったんだ」
怯えてやがるな、ヤサ男…、オレ様の乱子の着替えを見やがったおまえにも、お灸を据えてやらないとな､…｡
明らかに動揺する江崎にオレはニコニコして話しかける。
「へえ、そ、そう…、で、大山先生は、今、どこに？」
オレと目を合わせようとしない江崎は、心ここにあらずという風体でハルカに話しかける。
「えへへっ、ボクがやっつけちゃった、金属バットで、バーンてっ」
おまえも、オレ様の金属バットのツユと消えてみるか､…｡
無邪気な風を装って江崎の様子をうかがう。江崎のヤツ明らかに怯えてオレを見てやがる。もう勝負はついた。この時点でオレは精神的優位に立っていた。
「あの、でも、大山先生の命には別状なさそうですから…」
ハルカはオレが過剰防衛に問われないように必死だ。従順なマゾ奴隷の忠誠ぶりにオレは吹き出さないように懸命にガマンしていた。
「えざきせんせい、ちょっと」
小心者の江崎は大山の悪事がバレて自分にまで累が及ぶのを恐れている。カワイイ声だが不敵な笑いを浮かべて目配せすると、とっくにオレを上位者として認識する江崎はあわてて耳を突き出してきた。
「(おまえもグルだったんだろ…、おまえも盗撮ビデオを、見てたんだ…、証拠はすでに握ってる…、おまえに逃げ場はもう、無いんだ…、でも、おまえの態度次第では、黙っててヤッテも…、いいんだぞ)」
声変わり前のボーイソプラノで裏声を作ったオレは、江崎にだけ聞こえるように低いドスの利いた声でささやいた。
「う…」
小学生の仮面の下に隠したオレ様の正体を知った江崎は、真っ青になった顔でオレをマジマジ見つめると、あっさり白旗をあげてガックリうなだれた。
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