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== 新人OL真里 ==

新人OL真里 (27)真里の悩み

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新人OL真里 (27)真里の悩み

「…、ねえ、テツリン…」
チョット沈んだトーンの声がする。

「…なんだい、真里」
わざとおどけて市田が応える。
「もおっ」
チョット笑顔になった真里がつないだ手を振り上げる。
「わあ、ははっ、…、なに?」
逃げる仕草をしながら聞いた。

「…、昨日、…なんだけど」
うつむき加減に真里が言う。
「…」
かたい表情が深刻そうに見えて、実は自分が強姦魔だとバレた?、と市田は不安になった。
「電車でね、…」
市田が焦っている様子に全く気づかないで、真里は続ける。
「…、はあ」
予想したこととは違うようなので市田はちょっと息を付いた。

「真里、…痴漢にあったの」
いっそう沈んだ声で言う。
「…はじめて」
市田の様子をうかがうように小さな声で付け加える。

「電車、痴漢、…」
市田は口の中でつぶやいた。
「えっ」
真里の方を向くと
「なにされた?」
声が大きくなっていた。

「テツリン、落ち着いて…」
声の大きさに真里が恥ずかしそうに市田の手をまた両手で握った。
「ああ、…うん」
妙に興奮してなんだかよくわからない市田は生返事をしていた。

「…、スカートの…、手が…」
真里は消えいりそうな小さな声で言った。
「スカートの中に、…手を入れられたの?」
市田が思ったままを聞くと、
「…、うん」
真里は下を向いて応えた。
「…」
市田は怒りや嫉妬や悲しみやいろんな感情にとらわれて、真里の顔を見ることが出来なかった。

それきり黙ってしまった真里が可憐なか弱い女性に感じた。思わず真里の手を握る手に力が入っていた。真里は市田の顔をちらっと見た。
「でも、…今日は大丈夫、…と、おもう…」
ぎこちない笑顔を市田に向けた。
「…」
市田は真里がいじらしくて泣きそうだった。

ふたりは駅に着いていた。
「じゃあ、晩ご飯いっしょ、ね」
笑顔の真里。
「…」
市田はその顔を見つめていた。行こうとする真里の手をつかんでいた。

「…?」
真里が振り返る。
「一緒に行って、いい?」
真剣な顔で市田が聞いた。
「えっ」
真里が市田の顔を見つめた。

「…、だって、…真里の、おしり触りたいし…」
照れ隠しに市田が冗談を言うと
「ヘンタイ…」
うれしそうな声で市田の顔をのぞき込むと、くるっと振り返って走っていった。

…、なんだよ、…。
真里の後ろ姿を見送りながら、
大丈夫…、そうじゃん、…。
チョット落ち込んで帰ろうとした。

「ハイッ」
振り返るとキップを差し出す真里の笑顔があった。
「あ…」
真里の笑顔に市田も笑っていた。
「いこっ」
真里は手を引っ張って楽しそうに歩いていく。

「…」
突然真里が振り返る。
「…!」
真顔で迫ってくる真里にあとずさりそうな市田は、びっくりしたような顔で目の前の真里の顔を見つめている。
「痴漢は、駅員に突き出すから」
市田の鼻をちょんとつつくと、ふふんっ、と生意気な笑顔を見せた。

市田はすたすたと歩いていく真里の首に腕をまわすと、
「あんっ、って言わしてやる」
後頭部にささやいた。

その腕に抱きつくと、
「できるもんなら、やってごらんなさい」
真里は振り返って小悪魔なカワイイ笑顔を向けた。

新人OL真里 (28) につづく
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新人OL真里 (26)テツリンと真里

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新人OL真里 (26)テツリンと真里

真里はあわただしく朝食のあとかたづけをすると、軽く化粧をした。

ラッフルレース付きストッキングを太ももまではくとキャミの上に白いワンピースを着てエンジのジャケットを羽織る。ウエストのひとつボタンをするとウエストがきゅっと締まって、大きく空いた胸元を強調する。

ショルダーバッグを斜めにかけるとジャケットに合わせたエンジ色のハイヒールを履いて、部屋を出た。

ドアの前に市田が立っていた。

「…」
いかにもOL風の真里に浪人の市田は引け目のようなモノを感じた。しかし短めのスカートから、ストッキングの上に太もものナマ肌がわずかに見えるのに、息子がくすぐられるような色気があった。

「テツリン、行ってきます」
市田に笑顔を向けて真里は歩き出すと、
「…」
市田もついてくる。
「テツリンもでかけるの?」
うれしそうな笑顔を市田に向けた。
「…、駅まで送るよ」
市田は照れくさそうに言った。

「えっ…」
真里は市田の顔を見つめた。
「…うれしい」
市田の腕に抱きついていた。
「うん…」
市田もうれしそうに笑った。

真里は市田に寄りかかるように腕に抱きついていたが、
「手、つないで、くれない」
市田がぼそっと言うと
「あっ、ゴメンネ、…ベタベタしすぎた」
真里は離れて市田と手をつないだ。

「…」
真里がしょげているように感じて市田は視線を向ける。
「ん、」
視線を感じた真里は市田の顔に笑顔を向ける。
「…、違うんだ」
カワイイ笑顔にすまなさそうに目をそらす市田。

「…、なに」
真里は市田の顔を見つめる。
「たっちゃうから…」
「えっ、…」
「マリアン、の、…胸」
市田は恥ずかしそうに顔を伏せている。

「…」
真里は歩きながら市田の顔をのぞき込んで
「…、テツリンはあ、真里のお、胸にい、感じてえ、…、おチンコ立っちゃう…、ヘンタイ君っ、…、てこと?」
思いっきり甘えた声を耳元でささやいた。

「…!」
市田がばつが悪そうに真里をにらんだ。
「…」
真里も真っ向から市田の視線を受ける。

「ぷっ、…、ゴメン、ゴメン」
真里が笑う。
「天使みたいに魅力的で、セクシーな真里が…、ぜーんぶ、悪いんです」
笑いながら、イタズラっぽい視線を送る。
「うぬぼれるなよ」
市田も笑う。
「ふふっ…」
真里がつないだ手を大きく振って、楽しそうに歩いていく。

「ねえ、テツリン…」
真里は上目遣いに市田に視線を送る。
「うん」
市田が応える。
「…、マリアン、…って、やめない」
と照れたように言う。
「…、?」
不思議そうな、チョット不安が混じった表情がうかぶ。

「だって、…」
つないだ手を大きく振って後ろでとめると、上半身を伏せるようにして、顔だけ横を向いて市田を見上げる
「…、あん、…、って」
真里の目線が下がっていく。
「真里が、…、気持ちよくて、…、出ちゃった声だもん」
と視線を地面に向けて言う。

「…、ぷっ、はっはっはっ…」
反っくり返って市田が笑う様子に
「…」
顔を上げた真里が、
「…、テツリン、…きらい」
ホッペをふくらませてすねてみせる。

市田は真里の腰を引き寄せると、耳元で
「…真里、…、あんっ、…て、呼んでえ」
真里の口調をまねてささやく。

真里は鼻が触れそうなくらい顔を近づけてにらみつけると、
「…もお、いい、…ひとりで行くから、ついてこないで」
突き放すように手を振り払ってすたすたと歩き出した。

市田はすぐに追いつくと、
「ゴメン、ゴメン」
そっぽを向く真里に笑いながら、謝った。

すたすたと足早に歩く、真里の耳元に口を近づけて
「今後は、真里お嬢様、…とお呼びいたします」
まじめぶってささやいた。
「それなら、ヨシッ!」
真里は前を向いたまま強い口調で応えると、市田に照れくさそうに笑顔を向ける。

歩きながら真里は市田の手を掴むとチョット黙っていたが
「真里、って、…呼んで」
前を向いたままはにかんでいた。

そんな真里がかわいくて、見とれた市田は声が出なかった。
真里を見つめる市田に顔を向けた真里は
「ねえ、…いやなの」
チョットすねたように、伏し目がちな長いまつげの下の目が見つめる。

「…、いやっ、あの、…」
われに返った市田は真里の見つめる目にどぎまぎした。
「…」
前を向いて大きく息を吸うと
「真里、…、が、あんまりかわいくて、すぐに返事が出来ませんでした、申し訳ありません」
早口で言って今度は市田がカーテンコールのように、大きく腕を後ろにふって頭を下げた。

「…」
真里が立ち止まった。
手を引っ張られる形になった市田は振り向くと
真里がうつむき加減にはにかみながら笑顔を向けている。
「…」
真里のかわいらしさに、市田は歩行者信号のように大きく足を開いたまま固まっている。

「もう一回、…言って」
恥じらうように下に視線を向けた真里は市田の手を両手でつかむと、下半身に引き寄せるようにして言った。

市田が真里に近づくと指先が真里の下半身に当たった。下を向く真里に
「真里」
照れながら言った。
「えへへ、…、ハイ…」
顔を上げた真里は、花が咲いたように顔中で笑っていた。

「テツリン、いそごっ」
うれしそうな真里は元気よく歩き始める。

…、ばかっぷる…。
二人を見ていた通行人は、ただ呆れていた。

新人OL真里 (27) につづく
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新人OL真里 (25)幸せな食卓

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新人OL真里 (25)幸せな食卓

「あの…」
真っ直ぐに見つめる市田のかしこまった口調に、
「…」
真里は市田の唇が動くのを見つめていた。

「出しちゃったけど、…赤ちゃん、…出来るかな」
ナカ出ししたことを深刻な顔で聞いた。
「…」
それは真里もチョット気になっていた。
「…」
市田は深刻な表情で真里の言葉を待った。

「できちゃうかも…」
真里は真顔で市田の顔を見つめた。

「…」
市田は一瞬真里のまじめな顔を見つめたが、視線をそらすと
「…、うん」
小さく応えた。

「だって3回…、ちがった、2回もするんだもん、…ふたごができちゃうかもよ」
真里がいたずらっぽく笑う。
「へっ」
真里の妙に明るい口調に、力が抜けたように視線を向ける。
「大丈夫よお、テツリンがあんまり真剣だから、からかってみたくなった、のっ」
真里は片目をつむって笑っていた。

「ほんと?…」
市田はまだ半信半疑だったが、真里の仕草がカワイイと思って表情がゆるむ。
「もうじき生理だから、だ、い、じょ、お、ぶ」
心配そうな市田に楽しそうに笑う真里はトーストにパクついた。
「そうなの…」
そういうもんなのか、と市田は真里を信じることにした。

「なあに、赤ちゃん出来たら、逃げようとか、考えてた?」
まだ納得してないような市田に、真里はふざけて手にしたトーストを振る。
「でも…」
テーブル越しに真里が身を乗り出し、
「逃がさない、わよ」
食べかけのトーストを拳銃のように市田に突きつけて、また片目をつむってみせる。

「うん」
市田は笑って、鼻先に突きつけれたトーストにかじりついた。
「ドロボー」
笑いながらモグモグする市田に真里も笑っていた。

「おいしかった。ごちそうさま」
市田はドアの前で靴を履いている。
「ゴメンネ、バタバタしてて…、もう出ないと、会社遅れるから…」
ちょっと寂しそうに真里が言う。
「7時には帰れると思うから、晩ご飯一緒に食べよ」
真里は市田に笑顔を向ける。

「…、うん、じゃあ」
市田は後ろ髪を引かれる気分で部屋を出て行った。

新人OL真里 (26) につづく
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