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新人OL真里 (25)幸せな食卓

ろま中男3 作品リスト
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新人OL真里 (25)幸せな食卓

「あの…」
真っ直ぐに見つめる市田のかしこまった口調に、
「…」
真里は市田の唇が動くのを見つめていた。

「出しちゃったけど、…赤ちゃん、…出来るかな」
ナカ出ししたことを深刻な顔で聞いた。
「…」
それは真里もチョット気になっていた。
「…」
市田は深刻な表情で真里の言葉を待った。

「できちゃうかも…」
真里は真顔で市田の顔を見つめた。

「…」
市田は一瞬真里のまじめな顔を見つめたが、視線をそらすと
「…、うん」
小さく応えた。

「だって3回…、ちがった、2回もするんだもん、…ふたごができちゃうかもよ」
真里がいたずらっぽく笑う。
「へっ」
真里の妙に明るい口調に、力が抜けたように視線を向ける。
「大丈夫よお、テツリンがあんまり真剣だから、からかってみたくなった、のっ」
真里は片目をつむって笑っていた。

「ほんと?…」
市田はまだ半信半疑だったが、真里の仕草がカワイイと思って表情がゆるむ。
「もうじき生理だから、だ、い、じょ、お、ぶ」
心配そうな市田に楽しそうに笑う真里はトーストにパクついた。
「そうなの…」
そういうもんなのか、と市田は真里を信じることにした。

「なあに、赤ちゃん出来たら、逃げようとか、考えてた?」
まだ納得してないような市田に、真里はふざけて手にしたトーストを振る。
「でも…」
テーブル越しに真里が身を乗り出し、
「逃がさない、わよ」
食べかけのトーストを拳銃のように市田に突きつけて、また片目をつむってみせる。

「うん」
市田は笑って、鼻先に突きつけれたトーストにかじりついた。
「ドロボー」
笑いながらモグモグする市田に真里も笑っていた。

「おいしかった。ごちそうさま」
市田はドアの前で靴を履いている。
「ゴメンネ、バタバタしてて…、もう出ないと、会社遅れるから…」
ちょっと寂しそうに真里が言う。
「7時には帰れると思うから、晩ご飯一緒に食べよ」
真里は市田に笑顔を向ける。

「…、うん、じゃあ」
市田は後ろ髪を引かれる気分で部屋を出て行った。

新人OL真里 (26) につづく
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