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交渉人涼子2 7話 涼子の休日(3)

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交渉人涼子2 7話 涼子の休日
(3)お気楽婦警の闖入

「おはようございます、来ちゃいました」
ふたりの非番に合わせて自分も休暇を取った愛が、ニーハイの絶対領域を見せつける様にステップに片足を乗せた愛車のアドレスにまたがり、ニコニコ笑っていた。

せっかくの休みなのに、…。
最近の活躍で刑事見習いとしては認めているが、予測不能なこのC調娘が苦手な涼子は、後部座席で渋い表情を見せる。

「イヤ~んっ、カワユ~ス…、涼子さんそっくりですね」
ウィンドウをのぞき込んだ愛は、愛らしい笑顔を絶やさない茉莉に悲鳴のような嬉しそうな声を上げる。
「だろ…、でもオレにも似てるよね」
一人娘をほめられて嬉しい山田は、しかし鼻や耳なんかは自分似だと思っているので、ちょっと不満そうにツッコミを入れる。
「ええっ、ジャニーズ系ボーイズ顔の女の子になったら、かわいそうっ」
ニコニコ笑うお気楽婦警は、父親としてのよりどころを見事に打ち砕いて山田を黙らせた。

「ひょっとして、家族でお出掛けですか?」
いつもの見慣れたミニスカポリスの超マイクロミニ制服ではなく、スクールガール風私服の愛が涼子に話を振る。
「あなたは、これからアキバの劇場で踊るの?」
せっかくの家族の団らんを邪魔されてちょっと不機嫌な涼子が、AKB48に紛れ込んでも違和感のないファッションを皮肉ると
「ええっ、そんなにカワイイですか?…、やあん、恥ずかしいっ」
涼子の冷たい視線をモノともしないお気楽婦警は、チェックミニのスソをヒラヒラさせてあくまでも嬉しそうだった。

「うん、せっかく来てもらって悪いけど…、そうだ、一緒に行く?…、茉莉の服を買いに行くんだ」
涼子の不機嫌には敏感な山田は取りなすつもりで口を挟んだが、ついお人好しな性格が出て愛を誘っていた。
「ええっ、いいんですか、おじゃまじゃないですか?…、あ、そうだ、涼子さん、前に座って下さい、茉莉ちゃんは私が面倒みますから」
遠慮する口ぶりは最初だけで行く気満々の愛は、ふたりに恋人気分を味わってもらおうと気を使ったつもりで、涼子にナビシートに移るよう勧めていた。

「え、あ、悪いね、じゃあバイクはガレージに入れておいでよ」
「そこですね、ちょっと待ってて下さい」
山田は涼子に隣に座って貰う方がうれしいので、渡りに船とばかりに愛の同行を認めるとバイクを置いてくるように言う。
「耕太さん、早く出して」
「ええっ、ダメですよ…」
しかし休日までC調娘にかき回されるのはうんざりな涼子がワガママを言うと、山田はさすがに承伏しかねてたしなめる。

「スゴイですね、高そうな外車がもう1台ありました」
パタパタと楽しそうに走ってチェックのミニスソを揺らした愛が、後部座席をのぞき込んで涼子に交代を促す。
「ね、涼子さん、せっかくの休日ですから楽しくやりましょう」
空気を悪くしたくなくて気を回す山田に、涼子は氷の微笑で応えて愛と交替した。

「お二人の邪魔はしませんから、そうだ愛のことはベビーシッターだと思って下さい」
ちゃっかり後部座席に収まったお気楽婦警は、楽しそうにお気楽な笑いを浮かべて茉莉をあやしていた。
あなたの存在自体が、邪魔なのよ、…。
愛想笑いを浮かべる山田をチラ見した涼子は、切れ長の目でお人好しの夫をいまいましそうに見ていた。

交渉人涼子2 7話(4) につづく
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交渉人涼子2 7話 涼子の休日

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交渉人涼子2 7話 涼子の休日
(2)親バカ

「耕太さん、おはよう」
寝ぼけ眼でおりてきた山田に涼子が声をかけると、
「涼子さん、おはようございます」
バスローブ姿から漂う色気に昨日の夜を思い出したのか、いつものバカ面をさらしてうれしそうに笑っていた。

「耕太さん、見て、茉莉、パパよ」
茉莉を床に立たせた涼子が手を離すので、
「えっ…、あ、茉莉ちゃん…、こっちでちゅよ…」
慌てた山田は天使の笑みでよちよちと近寄ってくる愛娘にビックリして固まったが、すぐにひざまずいて大きく両手を広げ、
「おおっと…、茉莉ちゃん、立っちできるようになったんでちゅね」
嬉しそうな笑顔に倒れ込んでくる茉莉を受け止めると、高々と抱え上げて大喜びしていた。

「ビデオ、撮りましょう、お父さん、お母さん、ね」
愛らしい笑顔の茉莉の小さな手で鼻をイジられて喜色満面の山田が、記念すべき初立っちを記録しようと急かす。
「耕太さん、朝ご飯してからね、顔洗ってきて…、それにパジャマじゃ、恥ずかしいでしょ」
一人娘の成長を喜んでくれる山田に涼子は嬉しそうだったが、母の作ってくれたせっかくの朝食が冷めてしまうコトを言うと
「そうですね、すぐに顔洗ってきます」
大事そうに茉莉を涼子に渡した山田は、勇んで洗面所に向かった。

「茉莉ちゃん、おいちいでちゅか?…」
人肌に温め直したほ乳ビンをうれしそうに吸う茉莉に、バカ面を緩ませてニコニコ笑う山田は朝食をかき込んでいた。
「耕太さん、そんなに焦らなくても、茉莉は逃げないわよ」
頬にお弁当を付けた山田に、涼子はニッコリ笑ってキレイな指先でつまんで口に入れる。
「あ、えへへっ…、お母さん、おいしいです」
仕事だと厳しい上司だがプライベートは甲斐甲斐しい妻で、そんなツンデレっぽい涼子にデレデレした笑いを浮かべた山田は、優しい笑顔で見守る喜久恵に照れ隠しでお上手を言う。

「そう、たくさん食べてね」
お代わりのお茶碗を引き取る喜久恵は、快活な婿養子を本当の息子のように思っていた。
「耕太君は、たくさん食べるから気持ちがいいな」
元気な婿に2番目の孫を期待する泰造も、カラカラ笑った。
「はい、恐縮です」
リタイアしても大企業の部長クラスの威厳を漂わせる義父に、山田は頭が上がらない気がしていつも丁寧語で接していた。

「じゃあ、撮るわよ」
朝食をキレイに平らげて着替えた山田が、よちよち歩きの茉莉に付き添うのを、涼子はハンディカメラで撮影していた。
「涼子、撮ってやる」
泰造がビデオカメラを引き取って、一緒に写るように勧める。
「ありがと、お父さん」
よろよろと歩く茉莉に一喜一憂する山田と涼子を、泰造は慣れた手つきでカメラに収めた。きっとふたりが仕事に出ているとき、茉莉を撮りまくっているのだろう。

「やっぱり、茉莉はかわいいなあ」
初立っちの記念ビデオをさんざん撮りまくったあとは鑑賞会が始まった。テレビに大写しになる天使の笑顔に親バカぶりを発揮してデレデレする山田に、泰造は秘蔵するホントの初立っちビデオのことは黙っていた。

ふっふっ、私はキミの知らない茉莉を知ってる、…。
泰造は決して入り婿の山田を疎ましく想っているわけではないが、愛娘によく似た茉莉を自分の方がより愛していると密かに自負していた。

嬉しいハプニングで予定より遅れたが、涼子と山田は出掛ける準備をした。
「じゃあ、行ってきます」
ベビーカー兼用のベビーシートを後部座先にセットした320iのドライバーズシートに座った山田は、茉莉との別れをちょっと寂しそうに見送るオーナーの泰造に手を振ると、ガレージをゆっくりと出て行く。
「あれ?」
普段運転する覆面パトと同じ右ハンドルだがちょっと重めに感じて慎重にハンドルと切ると、見慣れたピンクヘルメットが近寄ってくるのを見た。

交渉人涼子2 7話(3) につづく
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交渉人涼子2 7話 涼子の休日

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交渉人涼子2 7話 涼子の休日
(1)記念すべき朝

「ああっ、ううん…」
カーテンのスキマから差す朝日に目を覚ました涼子は、ベッドの中で小さく伸びしてモデル並みの女体をくねらせると、温んだ空気に包まれる心地いいまどろみをしばし楽しんでいた。

「くすっ…」
耕太さん…、おはよう、…。
隣で高いびきをかく山田の横顔に昨夜の熱い愛の交歓を思いだした涼子は、幸せそうな笑みを浮かべてウットリ見つめ、しなやかな指先でたくましい胸板をなぞっていた。

「ふふっ…、はあ…」
ぐっすり寝てるわ、…。
指先の愛撫に目を覚ます様子のない夫を起こさないようにベッドから抜け出すと、寝覚めの女体に絡む生ぬるい空気を振り払うように、一糸まとわぬ姿で四肢を広げて大きく伸びをした。

カーテンのスキマから差す一筋の朝日が、ギリシア彫刻のような女体に陰影のコントラストをつけて、みずみずしい裸体がつくる悩ましげな曲線を際だたせていた。

非番で久しぶりにゆっくりできる涼子はどう過ごそうか考えながら、ガウンを羽織って座るとコットンで乳首を消毒してから搾乳機を胸に当てた。

茉莉は6ヶ月を過ぎてからいちおう離乳食をはじめたが、母乳の出がいい涼子は出なくなるまで授乳をやめないつもりだった。妊娠してから大きな美乳がさらに大きくなった涼子は、特別班に復帰してからも母乳パッドを常用していた。

「おはよう、お母さん、茉莉は?」
搾乳を終えた涼子がガウン一枚で階下に降りると、朝ご飯の用意をする母の喜久恵に声をかけて冷蔵庫にほ乳ビンを入れる。
「まだお父さんと寝てるわよ」
おみおつけの味見をしていた母は初孫がまだ夫といると告げる。涼子の結婚を機に希望して銀行を早期退職してドイツから帰国し、普段家にいることの多い父は、初孫を目に入れても痛くないほどかわいがり、夜も面倒を見てくれる。

特に今日のような休日の前の晩には、二人目の孫を期待する泰造は進んで茉莉の面倒を見たがった。

「おいしそう」
「なあに、そんなかっこうで、はしたない」
涼子がテーブルに並んだ朝食をつまむと、ガウンからこぼれそうなたわわな胸をチラ見した喜久恵が小言を漏らす。茉莉の母になっても娘っぽく甘える涼子に、喜久恵は苦笑したが嬉しそうだった。

「ごめん、シャワー浴びてくる」
ジットリした目で笑う母にガウンの前合わせを押さえた涼子は、そそくさとバスルームにむかう。

「はあっ」
ああ、気持ちいい、…。
夏の間は水でシャワーを浴びる涼子は、全身の火照りを奪って素肌を伝う水滴に小さく溜息を漏らす。経産婦になっても、というか独身時代よりスベスベして艶の良くなった肌の、柔らかい曲線を透明なツブがコロコロとなぞっていく。

「ああ…」
昨晩山田に愛撫された乳房に手を当てた涼子は、ツンと突き出た乳首に軽く触れると悩ましげな溜息を漏らす。

二人目か、…。
ゆっくりと手を下げて下腹に当てた涼子は、両親の期待する赤ちゃんが宿っていることを期待して、肌を打つ冷たい水滴の心地よさを感じながら、しばし幸せな気分に浸っていた。

授かり物だから、…。
二人目は男の子、山田によく似た元気な男児がいいな、などと考えながら、カランをひねった涼子は水滴を払ってバスルームを出た。

体を拭いてバスローブを羽織った涼子は、そろそろ泰造が起きてくる頃だと思って、溢れそうな胸元をきちんと合わせてからキッチンに向かう。

「お父さん、おはよう、茉莉、おはよう、ご機嫌ね」
茉莉を抱いた泰造はテーブルに置いた新聞を眺めていた。滅多にグズることのない天使のような笑顔の茉莉を、世界一カワイイ赤ちゃんだと思った。
「おう、おはよう…、今日はどこか行くのか」
風呂上がりで色っぽい愛娘の姿から恥ずかしそうに目をそらした父は、休日の予定を聞く。

「うん、茉莉もそろそろ立っちの時期だしね、服でも買いに行こうかって」
お母さんの笑顔にキャッキャとはしゃぐ茉莉を、泰造から受け取ろうとすると
「あ、あのな、涼子…」
竹を割ったような性格の父が珍しく言いよどんでいた。

「なに?」
珍しい父の態度に涼子が不審げに聞き返すと、おみおつけをよそっていた喜久恵もなんだか申し訳なさそうに涼子を見る。
「茉莉、ほら…」
どことなく後ろめたさを漂わせた父が、茉莉を床に立たせる。

「あうっ、あっ、ああっ」
ニコニコと笑う茉莉は、父の手を離れるとイスにつかまって伝い歩きして涼子に近寄っていく。
「茉莉…、立っちできるようになったの?!…」
我が子の成長をまざまざと見せつけられた涼子は、神の奇跡を見た信者のようにひざまずき、愛らしい笑みを絶やさない天使をやさしく抱きしめた。柔らかいホッペに寄せた頬に涙が伝う。

「茉莉、立っちできるようになったんだ…、だまってて悪かったな…」
涼子や山田より先に感動シーンに立ち会ってしまった父は、嬉しそうに細めた目から感極まって涙をこぼす娘に、申し訳なさそうにつぶやく。
「涼子、ごめんね…、最近忙しそうだったから、つい、言いそびれて…」
初立っちの感動シーンに立ち会ってしまった母も、娘の背中を優しくなでていた。

「いいの…、耕太さん、どうするかしら…」
涙をぬぐった涼子は山田の喜ぶ様を想像してニッコリ笑い、すくすくと育つ娘の笑顔に至福の喜びを感じていた。

交渉人涼子2 7話(2) につづく
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