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== 交渉人涼子2 ==

交渉人涼子2 7話 涼子の休日

ろま中男3 作品リスト
交渉人涼子2 目次

交渉人涼子2 7話 涼子の休日
(1)記念すべき朝

「ああっ、ううん…」
カーテンのスキマから差す朝日に目を覚ました涼子は、ベッドの中で小さく伸びしてモデル並みの女体をくねらせると、温んだ空気に包まれる心地いいまどろみをしばし楽しんでいた。

「くすっ…」
耕太さん…、おはよう、…。
隣で高いびきをかく山田の横顔に昨夜の熱い愛の交歓を思いだした涼子は、幸せそうな笑みを浮かべてウットリ見つめ、しなやかな指先でたくましい胸板をなぞっていた。

「ふふっ…、はあ…」
ぐっすり寝てるわ、…。
指先の愛撫に目を覚ます様子のない夫を起こさないようにベッドから抜け出すと、寝覚めの女体に絡む生ぬるい空気を振り払うように、一糸まとわぬ姿で四肢を広げて大きく伸びをした。

カーテンのスキマから差す一筋の朝日が、ギリシア彫刻のような女体に陰影のコントラストをつけて、みずみずしい裸体がつくる悩ましげな曲線を際だたせていた。

非番で久しぶりにゆっくりできる涼子はどう過ごそうか考えながら、ガウンを羽織って座るとコットンで乳首を消毒してから搾乳機を胸に当てた。

茉莉は6ヶ月を過ぎてからいちおう離乳食をはじめたが、母乳の出がいい涼子は出なくなるまで授乳をやめないつもりだった。妊娠してから大きな美乳がさらに大きくなった涼子は、特別班に復帰してからも母乳パッドを常用していた。

「おはよう、お母さん、茉莉は?」
搾乳を終えた涼子がガウン一枚で階下に降りると、朝ご飯の用意をする母の喜久恵に声をかけて冷蔵庫にほ乳ビンを入れる。
「まだお父さんと寝てるわよ」
おみおつけの味見をしていた母は初孫がまだ夫といると告げる。涼子の結婚を機に希望して銀行を早期退職してドイツから帰国し、普段家にいることの多い父は、初孫を目に入れても痛くないほどかわいがり、夜も面倒を見てくれる。

特に今日のような休日の前の晩には、二人目の孫を期待する泰造は進んで茉莉の面倒を見たがった。

「おいしそう」
「なあに、そんなかっこうで、はしたない」
涼子がテーブルに並んだ朝食をつまむと、ガウンからこぼれそうなたわわな胸をチラ見した喜久恵が小言を漏らす。茉莉の母になっても娘っぽく甘える涼子に、喜久恵は苦笑したが嬉しそうだった。

「ごめん、シャワー浴びてくる」
ジットリした目で笑う母にガウンの前合わせを押さえた涼子は、そそくさとバスルームにむかう。

「はあっ」
ああ、気持ちいい、…。
夏の間は水でシャワーを浴びる涼子は、全身の火照りを奪って素肌を伝う水滴に小さく溜息を漏らす。経産婦になっても、というか独身時代よりスベスベして艶の良くなった肌の、柔らかい曲線を透明なツブがコロコロとなぞっていく。

「ああ…」
昨晩山田に愛撫された乳房に手を当てた涼子は、ツンと突き出た乳首に軽く触れると悩ましげな溜息を漏らす。

二人目か、…。
ゆっくりと手を下げて下腹に当てた涼子は、両親の期待する赤ちゃんが宿っていることを期待して、肌を打つ冷たい水滴の心地よさを感じながら、しばし幸せな気分に浸っていた。

授かり物だから、…。
二人目は男の子、山田によく似た元気な男児がいいな、などと考えながら、カランをひねった涼子は水滴を払ってバスルームを出た。

体を拭いてバスローブを羽織った涼子は、そろそろ泰造が起きてくる頃だと思って、溢れそうな胸元をきちんと合わせてからキッチンに向かう。

「お父さん、おはよう、茉莉、おはよう、ご機嫌ね」
茉莉を抱いた泰造はテーブルに置いた新聞を眺めていた。滅多にグズることのない天使のような笑顔の茉莉を、世界一カワイイ赤ちゃんだと思った。
「おう、おはよう…、今日はどこか行くのか」
風呂上がりで色っぽい愛娘の姿から恥ずかしそうに目をそらした父は、休日の予定を聞く。

「うん、茉莉もそろそろ立っちの時期だしね、服でも買いに行こうかって」
お母さんの笑顔にキャッキャとはしゃぐ茉莉を、泰造から受け取ろうとすると
「あ、あのな、涼子…」
竹を割ったような性格の父が珍しく言いよどんでいた。

「なに?」
珍しい父の態度に涼子が不審げに聞き返すと、おみおつけをよそっていた喜久恵もなんだか申し訳なさそうに涼子を見る。
「茉莉、ほら…」
どことなく後ろめたさを漂わせた父が、茉莉を床に立たせる。

「あうっ、あっ、ああっ」
ニコニコと笑う茉莉は、父の手を離れるとイスにつかまって伝い歩きして涼子に近寄っていく。
「茉莉…、立っちできるようになったの?!…」
我が子の成長をまざまざと見せつけられた涼子は、神の奇跡を見た信者のようにひざまずき、愛らしい笑みを絶やさない天使をやさしく抱きしめた。柔らかいホッペに寄せた頬に涙が伝う。

「茉莉、立っちできるようになったんだ…、だまってて悪かったな…」
涼子や山田より先に感動シーンに立ち会ってしまった父は、嬉しそうに細めた目から感極まって涙をこぼす娘に、申し訳なさそうにつぶやく。
「涼子、ごめんね…、最近忙しそうだったから、つい、言いそびれて…」
初立っちの感動シーンに立ち会ってしまった母も、娘の背中を優しくなでていた。

「いいの…、耕太さん、どうするかしら…」
涙をぬぐった涼子は山田の喜ぶ様を想像してニッコリ笑い、すくすくと育つ娘の笑顔に至福の喜びを感じていた。

交渉人涼子2 7話(2) につづく
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