2ntブログ

== 紗羅 ==

綺羅 (37)ふたりきりの部屋

ろま中男3 作品リスト
綺羅 目次

綺羅 (37)ふたりきりの部屋

パンティは城島からもらったモノだから後ろめたいモノではないが、城島を蹴り倒して逃げてきたことが問題だと思った。

紗羅が黙っていると、
「僕の言うことを聞いてくれたら、黙っていてあげるよ」
勝ち誇った松岡が紗羅を見下ろしていた。

しばらく考えたが疲れた紗羅に名案など浮かばず、また騒ぎを起こすのはうんざりだったので、
「分かりました、どうすればいい?」
まだチカンで変態の松岡に警戒心を解いたわけではないが素直に従うことにした。

「じゃあ、こっち来て」
松岡は紗羅の荷物を軽々と持ってさっさと歩いていく。大股で歩く松岡に紗羅が早足でついていくと、裏通りのレンタルルームの前に立ち止まって紗羅が追いつくのを待っていた。

どうしたらいいの?…、そうだ、荷物、…。
個室に男性と二人ではいるのはコワイが疲れて判断力の鈍った紗羅は、荷物を返してもらわきゃいけないので松岡の後ろをついて行った。

レンタルルームはおしゃれな部屋という感じだったが、透明なシャワールームとベッドが部屋の隅にあってエッチな感じがした。紗羅はこんなところに来るのは初めてで全く知識がなかった。実はレンタルルームと看板を出していても、ラブホテルとほとんど同じところだった。

やっぱり、来るんじゃなかった、…。
ラブホテルっぽい場所に気後れした紗羅は閉まったドアの前でうつむいて立っていた。
「入っておいでよ」
松岡にうながされておそるおそる部屋にはいると、
「座りなよ」
ソファに座るように言われて、紗羅は松岡の様子をうかがいながら
まさか、いきなり襲っては来ないよね、…。
短いワンピからさらけ出したナマ足をきちんとそろえて座った。反対側のソファに座った松岡がこちらを見ながらニコニコしている。

「パンティ、売って欲しいんだ」
警戒心を解かずにドキドキしていた紗羅は
なにそれ、冗談?…。
松岡がふざけているのかと思ったが、まっすぐに真顔で見つめる松岡が本気だとわかって、正体不明な二枚目の変質的な趣味に呆れていた。

「ブルセラ、ってことですか?」
紗羅の言葉に松岡がニンマリ笑った。小学生の頃、洗ってないパンティをほしがる変態がいる、と聞いていたのでその言葉を知っていたが、紗羅は今でもそんな人がいるとは思ってなかった。

松岡はエロ雑誌のパンティプレゼントに毎月応募し、何枚か手に入れていた。使用済みというふれこみだが、手に入れたパンティは香水っぽい残り香がある程度の新品で不満だった。
この美少女なら、きっと萌え?なパンティが手に入る、…。
二枚目の顔をだらしなくゆるめて妄想し、ニヤニヤしていた。

「5千円で、どう?」
そう言って指を広げる松岡にまたまた紗羅は呆れたが、松岡の目は真剣そのものだった。
この人も変態なんだ、…。
汚れた下着をほしがる変態に軽蔑するまなざしを向けていた紗羅は、なんだか怖くなって閉じた太ももに力を入れて緊張していた。

綺羅 (38) につづく

1日1クリックご協力をお願いします(別ウインドウが開きます)。
関連記事

┃ テーマ:恋愛:エロス:官能小説 ━ ジャンル:小説・文学

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 21:16:23 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://aosaga9.blog.2nt.com/tb.php/987-02cbe2e9
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next