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== 紗羅 ==

綺羅 (23)示談

ろま中男3 作品リスト
綺羅 目次

綺羅 (23)示談

「お嬢ちゃん、起きて」
ヒキガエルをひき殺したような声と顔にかかるツバキで紗羅は目を覚ました。

「ひっ、…」
目の前のガマガエルのような脂ぎった顔に驚いたが、ソファの上で寝ている自分に気づいた。

ガマガエルの視線が股間に向いている気がして目をやると、内マタに足を広げてパンチラしていた。あわててワンピのスソを太ももの間に押し込んで顔を赤くした紗羅を、ガマガエルは好色そうな笑いを浮かべて見ている。

「やだっ」
夢の中でいたぶられ続けた凶悪淫乱なガマガエルに紗羅は悲鳴を上げたが、
「だいたい話は聞いたから」
駅長は紗羅の慌てぶりに頓着せず、笑顔とは思えない醜悪にゆがめた顔で言った。

「こういう場合は警察に突き出すんだが、彼も痴漢行為を認めているし…」
まじめな表情のガマガエル駅長は、そこで言葉を切って紗羅の顔を見た。
「示談という方法もあるんだ、本人も反省しているようだし、ここは示談して許してやったらどうかな」
紗羅の淫夢で自分が悪役だったなどとは思いもしない駅長は、紗羅が自分の言葉を理解したか確かめるように見つめていた。

アレは夢だったの?…。
駅長の声を遠くに聞きながら、紗羅はまだリアルな夢と現実の区別がつかないでいた。
やっぱり、夢?…。
駅長の目を盗んでぴったり合わせた太ももに手をねじ込んでパンティの上からあそこに触れてみたが、二人に注ぎ込まれた粘液の痕跡はなさそうだった。
…、恥ずかしい、…。
またエッチな夢を見てしまった自分が恥ずかしくて、紗羅はピンクに染まった顔を伏せていた。

「どうかな?」
足の間に両手を突っ込んでもじもじしている紗羅に駅長は続ける。
「…、それでいいです」
警察なんてコワイ、…。
示談がなんなのかよく分からないが、警察沙汰なんてありえない紗羅は駅長の提案を受け入れた。駅長はガマガエル顔を笑顔でゆがませるとうなずいた。

「もう変なコトしないな」
部屋のスミにいた山口を呼んで駅長は表情を引き締めて聞いた。
「…、はい」
山口は涙の痕を付けた顔をうなだれたまま答えた。
「本当にスイマセンでした」
今度は紗羅に向き直って頭を下げた。財布から札を取り出して紗羅に渡した。

「もうじき電車が来るけど、お嬢ちゃん乗っていくかい?」
示談の様子を見届けた駅長は聞いた。
「この男は1本後の電車で行かせるから」
紗羅に優しい表情を向けて言う。あんなに怖くて気持ち悪かった駅長の顔がだんだん普通に見えてきた。
「…分かりました」
なんだかまだよく分からない紗羅だったが、受け取った札をポケットに入れて応えた。

「すぐに来るから…、気をつけて」
ホームに向かうように促す駅長の声に、紗羅はぴょこんと頭を下げてツインテールを揺らすと、ピョコピョコと軽い足取りでホームに出ていった。

綺羅 (24) につづく

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