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== 紗羅 ==

綺羅 (18)駅長室

ろま中男3 作品リスト
綺羅 目次

綺羅 (18)駅長室

「あっ…」
急に振り返った紗羅のキツイ視線と目があった山口は、お尻に両手を当てたまま青くなって硬直していた。硬直ついでに両手は尻タブの肉を握りしめていた。

「イタイ!」
お尻の痛みに悲鳴を上げた紗羅は振り返って左手でスカートのスソを押さえたが、
「ヘンタイ!」
カワイイソプラノで叫んで右手はしゃがみ込んだ山口の顔を思いっきり平手打ちした。

平手打ちがクリーンヒットした山口はしゃがんだ格好のまま尻もちをついて後ろに倒れた。自分の身に起こったことが理解できずにただビックリしたように見開いた目が、恥ずかしげに顔を赤くしてにらみつける美少女の顔をぼんやり眺めていた。

タイミング良くそこに車掌が現れた。あるいはタイミングが良すぎるので車掌は紗羅の痴態を隣の車両からのぞき見ていたのかもしれない。
「どうしたんですか」
声をかける車掌に、
「チカンです」
紗羅は目に涙を溜めながら叫んだ。

美少女の涙ながらの訴えに異を唱えられる男がいるだろうか。泣き出した紗羅に車掌は優しい表情を見せ、
「次の駅で降りてください」
振り返って山口に威圧的な視線を向けると、低く強い口調で言った。

やっちまった、…。
山口はやっと夢から覚めたような顔でぼんやりしていたが、車掌に腕をつかまれて立ち上がるとガックリとうなだれた。

次の駅に着いて山口は車掌に付き添われて降りると駅員に引き渡された。紗羅も車掌に一緒に行くようにに言われた。紗羅が降りた駅は駅長一人しかいない小さな駅だった。山口と紗羅は小さな駅舎の駅長室に通された。

駅長は中年の脂ぎった好色そうなオヤジだった。紗羅は一目見て生理的な嫌悪感で怖じ気を感じた。

紗羅はわきのソファに座るように言われた。警察の取調室に連行された気分の山口は鉄パイプのいすに座って、割と立派な机をはさんで駅長と向かい合った。

山口のパイプいすに座った背中と脂ぎった駅長の顔が、ソファに座った紗羅のぼんやりとした視界に入っていた。

駅長からチカンしたのかと聞かれた山口は、覚悟を決めて逆に開き直ったのか急に堂々した態度を見せると、
「ちがう、あの子が電車の中でオナニーしていただけだ」
自分は潔白だと言わんばかりに大声を張り上げ、
「それを見ていたら、急に振り返ってあの子が殴ったんだ」
自信満々な態度で駅長に訴えた。

それを聞いた駅長は立ち上がって、紗羅の幼い女体を舐めるように見て、
「君困るねえ、電車はオナニーする場所じゃないんだよ」
ヒキガエルがひき殺されたような声で好色そうな醜い笑い顔を見せた。紗羅は唖然としてガマガエルのような駅長の顔を見ていた。

「それに人を殴ったら暴行罪という立派な犯罪だよ」
ガマガエルはデカイ口を開いて紗羅にツバキを飛ばしていた。駅長の好色な視線を避けるようにスカートのスソを引っ張って、ナマ太ももを隠すように身を固くした紗羅は、
「違いますっ」
涙を溜めた目で訴えたが、駅長は薄ら笑いを浮かべたまま、
「まあ、いいから立ちなさい」
紗羅の腕をつかんで紗羅を立たせた。駅長の手は汗でベチョッとしていた。紗羅は腕から伝わる不快な感触にめまいがしそうだった。

綺羅 (19) につづく

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