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== 女子校生由貴 ==

女子校生由貴 (92) 観覧車のキス

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女子校生由貴 (92) 観覧車のキス

由貴が差し出したハシにかぶりついたタダシは、満足そうにニヤけたが周りの人に笑われた気がして、次に由貴が差し出したハシを無視した。

「…」
ラブラブバカップルになりきろうと、その気になっていた由貴がチョット落ち込んでいると
「食いたくなくても、食った方がいいぞ」
タダシはまだ由貴の気分が悪いのか、と心配して声をかけた。タダシの勘違いだったが、心配されたことがうれしくて、
「…はい、ご主人様」
由貴はうれしそうに笑った。

さすがに全部食べられずに残したが、だいぶ気分は良くなっていた。
「…、観覧車、乗るか」
とっくに弁当を平らげていたタダシは、観覧車なら気分が悪くなったりしないだろう、ということもあったが、はじめから観覧車に乗るのが目的だった。
「はい、今片づけますね」
由貴はテキパキと弁当を片づけてカバンにしまった。

観覧車に並んでいる人はほとんどいなくてすぐに乗れたが、タダシは乗ってすぐに後悔した。天気のいい春の陽気は気持ちいいくらいだが、密閉された観覧車の中は蒸し風呂のように暑かった。
「…由貴、大丈夫か」
ハンカチを額にあてる由貴を心配して声をかけると
「大丈夫です」
由貴はニッコリ笑った。由貴の笑顔に安心したタダシだったが、ここに来た目的を遂げるべく、どうやって声をかけようか迷っていた。
「…」
むずかしい顔をするタダシに、由貴はチョット不安だったが、ふたりきりの空間に胸を高鳴らせていた。

「…おい」
考えてもしょうがないとぶっきらぼうにタダシが声をかけると
「はいっ」
ビクッと震えた由貴が返事をした。
「…、こっち来いよ」
照れたように目をそらしたタダシが由貴を呼んだ。

「…はい」
何かエッチなことをされるのかも、と由貴はこわごわタダシの横に何とか自分のカラダを入れると
「…、観覧車の一番上で、キスすると、そのカップルは幸せになれる、って知ってたか?」
タダシは前を向いたままつぶやいた。言い終わると心持ち赤くなった顔で由貴をチラ見した。

「…、はい」
横浜のコスモクロック21のことかな、…。
そう思った由貴は口には出さずにただうなずいた。それきり黙ってしまったタダシの落ち着かない様子が伝わってきて、由貴は狭い席で密着したタダシの体温を感じながらドキドキしていた。観覧車はゆっくりと上がっていた。

「…暑いだろ」
沈黙に耐えきれなくなったタダシが声をかけた。
「ううん」
由貴は頭を振ったが言ってる本人が顔から汗をダラダラ流していた。由貴は間近で見つめるタダシの顔をまぶしそうに見ながら、ハンカチでタダシの額の汗を拭いた。

由貴の甘い息を首筋に感じて興奮したタダシは由貴の太ももに指をねじ込んだ。
「…ああんっ」
汗がにじんでしっとりした太ももの感触に、タダシは股間をふくらませていた。触りやすいように足の力を緩めた由貴だったが、観覧車はそろそろ頂上にさしかかっていた。

「…、おい」
スケベな気持ちで染まりかけた意識が頂上に近づくのに気づいて、タダシはあわててナマ足の間に入れた手を引き抜いて由貴の肩をつかんだ。
「…、はい」
肩をつかんだ手の力に緊張した由貴は、タダシを見つめるとゆっくり目を閉じた。由貴のカワイイ長いまつげにドキドキしながら、タダシは肩をつかんだ手を引き寄せた。

汗が首筋に流れてゴクンとツバを飲み込んだタダシは、まぶたをぎゅっと閉じると唇を押しつけた。乱暴なキスを受けた由貴は涙で潤んだ目から一筋涙がこぼした。唇が震えるのを自覚しながら、ドキドキしてうれしくてタダシに抱きついていた。

「…コレで、私たち、一生幸せな、カップルですね」
タダシが唇を離すと、照れたようにうつむいた由貴がタダシの胸に顔を埋めて、熱い息を吹きかけながらつぶやいた。

「ああ…」
由貴の背中を抱いたタダシは、突き放したように応えると、由貴の背に当てた手のひらが汗だらけになっているのが、急に恥ずかしくなって離すと
「…もういいから、あっちいけ、暑いだろ」
照れくさそうに外の風景に視線を向けた。

「…、はい」
タダシの照れている様子がちょっとおかしかった由貴は、しかしそれを顔に出さないように向かい側に席に移った。それから下に到着するまでタダシはずっと黙って外を眺めてたが、由貴は幸せな気持ちでタダシの横顔をずっと眺めてた。

観覧車から降りると外の空気が涼しくて気持ちよかった。由貴はタダシの手を握るとうれしそうに腕に抱きついて
「…、コーヒーカップ、乗りたい」
と甘えていた。

「気持ち悪くならないか」
タダシが心配そうに言うと
「じゃあ、ジェットコースター、乗りたいっ」
カワイイ笑顔で見上げていた。タダシは、よほど気持ちが悪くなりそうだ、と思ったが由貴の笑顔がかわいくて、うん、とうなずいていた。

女子校生由貴 (93) につづく
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