2ntブログ

== THE 歓喜天ホテル ==

THE 歓喜天ホテル (49)アヤの気持ち

ろま中男3 作品リスト
THE 歓喜天ホテル 目次

THE 歓喜天ホテル (49)アヤの気持ち

息子を噛み切られる危機感にオレがきつく抱きしめると、やっと落ち着いたのかアヤは暴れるのをやめてすすり泣いていた。

「…ガマン、…してたんだよ」
オレの肩に顔を埋めるアヤが泣き声混じりにつぶやいた。下手なことを言って怒らせないように、オレは黙って聞いていた。
「ひどいこと…、うっ、されたんだから…、ううっ」
ひどいこと、を思い出したのかまた泣く声が大きくなった。

ワケがわからなかったがオレはアヤの頭を優しくなぜていた。
「…ヨシヨシ、ってして」
アヤの顔が肩から離れて涙を溜めた大きな目がオレをのぞき込んでいた。
「…」
真顔で見つめる顔に気圧されて、何も言えずにいたが
「アヤ、…よくガマンしたな、って」
泣き声混じりの声に甘えた感じが混じっていた。

「…よしよし、アヤ、よくガマンしたな」
オレは言われた通りに言ってアヤのシャギーなショートヘアをなぜていた。濡れた頬をオレの顔に押しつけたアヤが
「うん、…アヤ、…ガマン、したのお~」
はじめは普通の音量だったが、耳元で感極まったようにキンキンした声で叫んだアヤは、ぎゅっ、と抱きついて大声で泣き出した。
うっ、…。
耳の中でしばらく、したのお~、と響いていたが、オレは黙ってアヤの頭をなぜていた。結局アヤが一人の時に何をしていたのかは、ひどいことをされた以外はよくわからなかった。

やっと泣きやんで機嫌が直ったアヤは涙で濡れた顔でニッコリ笑った。潤んだ大きな目でオレをしげしげと見つめると
「…、しよっか」
オレの息子をイジろうとして股間をまさぐった。まだ息子を噛み切ろうと迫ってきたアヤの顔が忘れられないオレは
「できるかっ」
尻もちをついたまま後ずさって逃げた。

「なんで…、アヤの気持ち、わかってくれたんでしょ」
妖しい笑顔を浮かべて四つんばいで迫ってくるアヤは、その時のオレには貞子とほとんど同じだった。
「…うんっ、わかった、…だから、おちつけっ、なっ」
恐れをなしたオレはベッドに逃げ込んでいた。
「ぶうう~、なんで逃げるの」
アヤはいつものふくれっ面を見せて、スケスケのベビードールでほとんど全裸の姿で立っていた。

「真紀さんと、約束してるし、…そろそろ行かないと、なっ」
真紀の名前を出すと急に顔色の変わったアヤが、
「アヤも、一緒に行くっ」
真剣な顔で迫ってきた。
「ああっ、わかったから、ちゃんとした服、着てこい」
オレが逃げ腰で言うとアヤはオレにおいて行かれたくないのか、ほとんどハダカのままの姿で部屋を出て行った。

オレはアヤを置いてきぼりにするつもりで急いで服を着て部屋を出たが、花柄のワンピースを着たアヤが、ニッコリ笑ってドアの前で待っていた。

「ジョージさんの考えてることなんて、お見通しよっ」
アヤは勝ち誇ったように笑うとギャルっぽいポーズをとっていた。丈の短いゆったりしたワンピースは腕を上げるとスソがずり上がって股間が見えそうだったが、きっとあのハダカ同然の格好にワンピースを着ただけで、きっとノーパンのままだろうと思った。

アヤの子供っぽい笑顔に呆れながら苦笑していたオレが黙って歩き出すと、アヤがいつものように腕に抱きついてノーブラの胸を押しつけて、オレを見上げながらニコニコ笑っていた。

歓喜天ホテル (50) につづく
ブログランキング ケータイの方はこちらから
ブログランキングバナー1日1クリックご協力をよろしくお願いします。(別ウインドウが開きます)
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(愛欲)へにほんブログ村 1日1クリックご協力をお願いします。(別ウインドウが開きます)
関連記事
┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 11:20:40 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://aosaga9.blog.2nt.com/tb.php/855-2e9f7a58
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next