裏ろま中男 作品リスト女子校生由貴 目次女子校生由貴 (55) 契約指輪
ファッションビルを出ると、春の日差しは傾いて肌寒くなっていた。
「…さむうい」
由貴は寒さを感じてタダシの腕に抱きついて甘えていた。ノーパンノーブラで薄い生地のキャミワンピに短いジャケットを羽織っただけの由貴にはムリもなかった。そろそろ会社が終わる時間で、人通りの多くなった道でタダシの腕に甘える由貴は、それだけで暖かくなる気がした。
「…」
タダシも悪い気はしなった。ただ腕に感じる由貴の胸の柔らかさに股間がふくらんでくるので歩きにくかった。
「…、あっ、かわいいね」
由貴は道ばたでアクセサリーを売っているお兄さんをみて言った。
「…」
タダシはちらっと見て、そのまま歩き続けた。
「…」
初デートの記念にペンダントでも、と思った由貴はチョット落ち込んでいた。
「…」
タダシは黙っていたが、由貴が落ち込んでいる様子を感じていた。アクセサリーを売っている店があったので入っていった。タダシは由貴のあいた胸がさびしいと思っていた。
「…」
タダシはこんな店は初めてなので落ち着かない様子で
「…好きなネックレス選べ」
とぼそっと言った。タダシが由貴の気持ちをわかってくれていると思ってうれしくなったが、ショーケースの中の値札は万単位でチョット高すぎる気がした。
「…でもお、高いよ」
モジモジしている由貴に
「…イイから、選べ」
チョット怒ったように言うタダシに由貴は一番安いネックレスを選んだ。
「…どう、にあうかなあ」
ネックレスを着けた由貴は照れくさそうにタダシに笑顔を向けていた。シンプルなシルバーのネックスレスが由貴の素肌に光っていた。
「…」
タダシは何も言わずに、チョット大人っぽい感じになった由貴の胸元を見ていた。さっさと会計を済ませると
「…リングください、安いのでイイです」
と言って由貴の左手を引っ張って店員に見せた。
「…えっ」
由貴はいきなり引っ張られてタダシに抱きついていた。店員は由貴の左手の薬指をちらっと見て、シルバーのリングを出した。
「…」
由貴はドキドキしながらそれを左手の薬指にした。サイズはぴったりだった。これもさっさと会計を済ませるとタダシは店から出て行った。
タダシの後を追った由貴は、タダシの手を両手でつかんで
「…、ありがとう」
はにかんだ笑顔を見せた。
「…、結婚指輪、みたいだね」
と言う由貴に
「…奴隷契約だ」
タダシは無表情に言った。
「…」
タダシの冷たい表情に、由貴はチョットひるんだが気を取り直して、
「…由貴、…、一生、ご主人様の、奴隷になります」
笑顔を作ってタダシに言った。
「…だから、して」
タダシの手を握ってリングを渡すと、左手を差し出した。
「…」
タダシはリングを手に由貴を見つめた。由貴は左手を出してはにかんだ笑顔で目にうっすら涙を浮かべていた。そんな由貴のカワイイしぐさに思わず抱きしめそうな誘惑にかられたが、タダシは人が行きかう往来でそんなことをするほど大胆な性格ではなかった。
「…」
タダシは黙って由貴の薬指にリングを差し込んだ。由貴はうつむいてタダシがリングを指にするのを見つめていたが、
「…スキっ」
と抱きついてきた。うれしそうな笑顔に目には涙をいっぱいに溜めていた。
「…、恥ずかしいから、やめろ」
タダシは口ではそう言っていたが、照れたような顔はまんざらでもなさそうだった。
「…、ごめえん」
由貴も照れくさそうにタダシから離れたが、
「でも、由貴には、大人っぽすぎるから、こおするね」
リングをネックレスに通して、胸にぶら下げていた。シルバーのネックレスにシルバーのリングが由貴の胸に光っていた。
「…、勝手にしろ」
このときばかりはタダシも奴隷の首輪だなどと、ひねくれた考えは浮かんでこなかった。由貴の笑顔が急に大人っぽくなったような気がして、タダシはうれしそうな照れたような顔で横を向いていた。
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