2ntブログ

== 女子大生菜々子 ==

女子大生菜々子 (52) 別れの朝

裏ろま中男 作品リスト
女子大生菜々子 目次

女子大生菜々子 (52) 別れの朝

菜々子は目をさました。

千葉がフィニッシュの体勢のまま菜々子に斜めに覆い被さって、ベッドに顔を埋めて寝息を立てていた。
「…、あ…」
小さくなった息子がまだ入ったままだった。そんな小さくなった息子もいとおしかった。菜々子は千葉の背中をやさしくなぜていた。

時計に目をやると6時を過ぎていた。
「えっ」
すっかり寝入っていたことに気づいた。

「二郎さん、起きて」
菜々子の覆い被さったままの背中をゆすった。
「…、ああ」
千葉は起きあがり、菜々子の笑顔ににっこりと笑った。

「6時過ぎてるけど、会社大丈夫?」
「あっ、」
菜々子が心配そうに言うと、千葉は焦ってベッドから飛び起きた。

千葉はあたふたと身支度をして出掛ける支度していたが、
「あっ」
急にうなり声をあげた。その声の大きさに菜々子はビクッとしたが、
「どうしたの」
笑って千葉の顔をのぞき込んだ。

「…ナマで、出しちゃったけど…」
千葉が不安そうに言った。
「なんだ、そんなこと…、大丈夫、心配いらない」
菜々子はカラカラと笑った。
「…、そう」
千葉は菜々子があっけらかんとしているのに、少々拍子抜けしたが同時にほっとしていた。

そういえばあのセーラー服の美少女は誰だったんだろう、…。
菜々子とこの部屋から出てきたセーラー服美少女と結びつかなかったが、
まあいいか、…。
今の千葉にはどうでもいいことですぐに忘れてしまった。

今日ぐらい会社休んでもイイんじゃあ、…。
菜々子は思ったが、口には出さなかった。たとえ1日でも休まないのが、
二郎さんの、きまじめなところよね、…。
菜々子は昨日の千葉のくそまじめな振る舞いを思いだして、クスッ、と笑った。

「じゃあ、」
千葉はすぐに出て行こうとした。
「朝食ぐらい、一緒に食べたかったな」
上目遣いの菜々子が甘えた声で言った。

「ゴメンネ、またこんど一緒にたべよう」
そう言いながら、菜々子の声にまた股間がふくれてきて、千葉は菜々子の体をごちそうになりたい誘惑と必死に戦っていた。
「うん」
笑って応える菜々子の笑顔は、
天使の笑顔だ、…。
千葉は思った。

「こんな格好だから、ココでね」
腰に手を当ててピンクのベビードールのスソをつまんで、笑顔で首をかしげる菜々子がドアの前で言った。
「…」
腰の上までしか丈のないベビードールはノーパンの下半身をあらわにして、薄い茂みとあそこのスジさえ見えていたが
…、なんてかわいらしい仕草だろう、…。
千葉は菜々子に見惚れていた。

「うん…」
とだけ応えると、千葉は菜々子の姿を脳裏に焼き付けるようにじっと見つめた。
「…?、いつでも来てね」
千葉の真剣な顔に何かを感じたが、それは顔に出さずに菜々子は笑顔で言った。

「うん、じゃあ、もうカギは忘れないように」
千葉は自虐的ネタを口走って、照れくさそうに言った。
「うん、そうだね、忘れない」
菜々子が笑った。
「じゃあ…」
その笑顔に笑みを返すとドアを開けた。

「行ってらっしゃい」
背中に菜々子の優しい声が聞こえて、千葉は涙が出そうなった。

こんな風に送り出してもらうなんて、もうないだろうな、…。
千葉は去りがたくて振り返りそうになるのを懸命に堪えて、うつむいて立ち止まりそうになる足に
歩け、歩くんだ、…。
言い聞かせていた。

振り返らずに千葉はドアを閉めて足早に歩いた。
実は朝食を食べるくらいの余裕はあった。起こされたときは焦ったが、すぐにまだ余裕があることに気づいた。しかし千葉は今後菜々子に会わないことを決意していた。

彼女みたいなすばらしい女性には、俺なんかよりふさわしい男がいる、…。
本当なら犯罪者の俺を、許してくれただけでも奇跡で、感謝しなきゃいけない、…。
俺みたいな中年は最初からお呼びじゃないんだ、彼女は同情してくれただけなんだ、…。

千葉は街路樹でアパートが見えない場所まで来ると、樹に寄りかかった。
こらえようとしても涙が後から後からあふれてきた。

(53) 教育実習前日につづく
ブログランキング ケータイの方はこちらから
ブログランキングバナー1日1クリックご協力をよろしくお願いします。
関連記事
┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 08:36:13 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://aosaga9.blog.2nt.com/tb.php/480-0bd6d815
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next