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== 交渉人涼子 ==

交渉人涼子 10話 (15)

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交渉人涼子 Negotiator Ryoko
10話 山田刑事刺傷事件 (15)

おまえ、全然わかってないな、山田が真剣な目で見つめてくるのに涼子が苦笑すると、山田も相好をくずして笑った。涼子に、ご両親だって心配するだろ、と言われて、はい、と山田も神妙な顔を見せた。でも、約束だぞ、涼子が目を伏せてかすかに笑って言うと、意味がわからなくてつかの間考えた山田だったが、涼子先輩を悲しませることは、絶対にしませんっ、と大声を出していた。

うん、すっかり機嫌が直ったように涼子は笑ってうなずいた。涼子の笑顔にすっかりバカ面を復活させた山田だったが、コーヒー飲んだら、出て行けよ、と涼子に言われて、えっ、と落ち込んだ顔を涼子に向けた。コロコロと変わる山田の表情がおかしくて涼子は笑い出しそうだったが、サボる気か、と無表情に言った。時計と見ると、もう7時過ぎだった。そうですね、昨日は直帰だったし、新人の分際で遅刻するのはためらわれた。

涼子先輩と、いたいです…、しかし涼子とずっと一緒にいたい気持ちもあって、つい口に出していた。バカ言うな、私は着替えるから、コーヒー飲んだら、ちゃんと行くんだぞ、そう言って立ち上がった涼子だったが、昨日から何も食べてないことに気づいて、トースト食べるか?、と声をかけた。山田もそう言われて急に空腹を意識し、はいっ、とうれしそうに応えた。

手早くトーストと目玉焼きを作って、涼子が差し出すと、涼子先輩の手料理は二度目ですね、と山田がうれしそうなバカ面を見せた。この程度のモノで手料理などと言われるのは心外だったが、山田のうれしそうな顔を見て、まあいいか、と涼子も笑った。涼子先輩は?、自分の分だけの皿に山田が申し訳なさそうに聞くと、私はあとで食べるから、早く食べろ、と言って涼子は着替えに2階に上がろうとしたが、のぞくなよ、とくぎを刺していた。

交渉人涼子 10話 (16) につづく
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