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== 交渉人涼子 ==

交渉人涼子 10話 (14)

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交渉人涼子 Negotiator Ryoko
10話 山田刑事刺傷事件 (14)

床と違う感触に山田が涙まみれの目をあけると、血が付いた涼子の足が見えた。すいませんっ、山田は涼子の足にすがりついて、自分の汚い血で汚してしまったおみ足を宝物のようにベロベロと舐めてすぐにキレイにした。おまえは、犬か、まだ怒りの治まらない涼子だったが、山田が大きな体を縮めてすがりつく情けない姿に呆れた目で見下ろしていた。立てっ、汚れを舐め取ってもいつまでも足にすがりついて舌は這わせる山田に一喝すると、山田は名残惜しそうに立ち上がって涼子の前でうつむいた。

水滴をまとったままの色っぽいナイスバディをさらした涼子は、来いっ、と山田の顔も見ずにバスルームを出ると、ろくに水気も拭き取らずにバスタオルをまとうとリビングに向かった。涼子の冷たい態度にすっかり意気消沈した山田は素っ裸の情けない姿で涼子の後を追った。さすがにこのときは山田も涼子のバスタオルだけの色っぽい後ろ姿に反応することはなかった。座れ、ソファを目線で示した涼子に、山田は申し訳なさそうに座った。

救急箱を持ってきた涼子は黙って山田の横に座ると、オキシドールのスプレーを血がにじんだ額に大量にふりかけた。ひいっ、消毒液が額のキズと目に沁みて山田は悲鳴を上げた。動くなっ、涼子の声に山田は目をぎゅっと閉じたまま背筋を伸ばした。おまえは退院したばかりなんだぞ、涼子は額にバンソウコウを張りながらつぶやいた。はい、目を閉じたまま緊張して座った山田はとりあえず返事をした。これ以上バカになる気か、涼子はバンソウコウを貼った額を軽くはたいた。

いてっ、山田は軽く悲鳴をあげて大げさに痛がったが、涼子が自分を心配してくれている気がしてうれしかった。おまえは、自分のカラダを過信しすぎだ、涼子の冷たい口調も山田はうれしくてオキシドールの沁みた目を何とか開けて抱きつこうとすると、コーヒー入れてやる、立ち上がった涼子に空振りした。山田がソファからずり落ちるのを見て、涼子は山田に背を向けると、くすっ、と笑った。

コーヒーサイフォンをセットした涼子は、ペアカップが割れたことを思い出して新しいカップを下ろした。やっと視力が戻った山田は、すっかりたちなおって涼子の色っぽいカラダをニヤつきながら眺めていた。まとわりつくようなイヤラシイ視線を意識した涼子は急に振り返って、目つきがイヤラしいっ、とバカ面をさらす山田を叱りつけた。はっ?、すいませんっ、涼子の言葉にあわてて表情を正した山田はかしこまってソファに座り直した。

コーヒーをテーブルに置いた涼子は、脚線美を見せつけるように足を組んで山田に向かい合って座った。山田が涼子の股間をのぞこうと視線を向けると、山田っ、目っ、涼子に叱られてあわてて目を伏せた。自分のカラダのことを考えろ、コーヒーを一口すすった涼子がつぶやくと、はい、とかしこまった山田の返事がした。おまえが倒れたら、悲しむ人がいるんだぞ、カップに目を伏せた涼子のつぶやきに、もう涼子先輩を、悲しませたりしません、と山田が身を乗り出してきた。

交渉人涼子 10話 (15) につづく
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