裏ろま中男 作品リスト交渉人涼子 目次交渉人涼子 Negotiator Ryoko
10話 山田刑事刺傷事件 (7)
入院する山田に犯人逮捕の吉報を伝えたくて涼子たちが懸命に捜査したにもかかわらず、犯人は見つからなかった。山田は持ち前の驚異的な回復力で10日もたたずに捜査一課特別班に元気な顔を見せた。医師はもうしばらく入院することを勧めたが、それを振り切って逃げ出すように山田は退院した。入院中、単独捜査しているかも知れないと思うと涼子が心配で、あるいは涼子が自分以外の相棒と一緒に捜査していると思うと、嫉妬まじりの悔しさでいても立ってもいられず、悶々とした日々を過ごすのはもうまっぴらだった山田は、医師の許可が出るとすぐに退院したのだった。
山田の顔を見た涼子はうれしくて目に涙を溜めた自分に気づいて、照れ隠しに思わず回し蹴りを食らわして山田のガタイをなぎ倒した。あわてた周りの署員に涼子は押さえられたが、山田は久しぶりに涼子の折檻を受けて床にだらしなく倒れながらその顔にはうれしそうな笑いを浮かべていた。山田の手をつかんで引き起こした涼子は、退院祝いするから、ウチに来て、とささやいた。恥ずかしそうに目を伏せた涼子の麗しい美貌をじっと見つめた山田は、うれしくて笑いがこみ上げてくるのを懸命に押さえていた。離れたところで一部始終を見ていた新人の弥生は、涼子が山田にする乱暴にこみ上げる怒りを抑えて涼子をにらんでいた。
内向的な弥生はいつもなら尻込みしそうなところだが、涼子に折檻される山田を見て自分を奮い立たせ、退院祝いにごちそうするから、と恥じらいながら山田を誘った。涼子に誘われていた山田は、用事があるからと断ったが、何故弥生がそんなことを言って優しくしてくれるのか全くわかってなかった。一大決心をして勇気を出して誘ったのに、あっさりフラれた弥生は激しく落ち込んだが、きっと涼子がろくでもない用事を言いつけたからに違いない、と見当違いな妄想をして涼子に恨みの感情を募らせていた。
涼子と捜査に出掛けた山田は、一緒にいられるのがうれしくてずっとニヤけたバカ笑いを顔にはり付けていたおかげで、まじめにやれ、と涼子にまた折檻されたがそれでもニヤけずにはいられなかった。山田のバカ面に厳しい顔を見せた涼子も、内心では山田と一緒にいられることの心強さに幸せな気分を感じていた。入院中禁欲生活を送っていた山田は涼子の後ろ姿に股間をふくらませ、それを見た涼子もエッチな気持ちを刺激されて股間を湿らせたが、照れ隠しにまた回し蹴りを食らわせて折檻した。
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