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== 交渉人涼子 ==

交渉人涼子 10話 (6)

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交渉人涼子 Negotiator Ryoko
10話 山田刑事刺傷事件 (6)

すっかり、元気なようね、シーツを持ち上げる息子のそそり立つさまを妄想した涼子は、女の本性を刺激されて白衣の下の何もつけていない股間を熱くさせたが、わざと冷たい口調で照れ笑いの山田の顔をのぞき込んだ。じゃあ、わたし捜査に戻るから、そう言って立ち上がろうとする涼子に、そんな、まだいてくださいよ、山田のすがりつくような情けない声がした。私がいたら、変な気を起こすでしょ、涼子のきれいな横顔が冷たい笑みで山田の顔を見下ろしていた。

そんなあ、これはオスの本能で、オレにはどうしようもないんです、なおも追いすがる山田の泣き出しそうな声に、ゆっくり寝てなさい、でも、看護師さんと、浮気しちゃ、ダメよ、山田の泣きそうな顔に覆い被さった涼子が軽くキスしてICUを出て行った。はいっ、また来てくださいね、颯爽と立ち去る涼子の背中で山田のうれしそうな声が元気よく響いた。涼子のナイスバディを連想させるエロチックな白衣姿を見送りながら、山田はいつもの凛とした涼子の姿を見て安心していた。

ナースステーションに立ち寄ってレザーのつなぎに着替えた涼子は担当の看護師に、あの男、変態ですから、シモの世話をする時は、気をつけてくださいね、と冗談半分に笑っていた。まだ若そうな看護師は、アイドルっぽいイケメンの山田に抱いていた幻想をぶちこわされてちょっと落ち込んだ。じゃあ、ウチの変態をよろしくお願いします、と念を押した涼子は病院を出ると捜査一課特別班に連絡を入れた。

課長と笹野はまだ署に待機していた。笹野が山田の無事を報告していたが、涼子が、山田はすっかり元気です、と笑い声混じりに伝えると、そうか、と課長の安心した声がケータイから漏れてきた。署に戻ります、と伝えて涼子はケータイを切ると病院の前に止めたYZF-6Rにまたがった。シルバーの車体は涼子を静かに待っていたが、セルを始動させると低い咆哮をうならせた。押っ取り刀で飛び出した涼子は、警察手帳や財布を家に取りに戻ると新しいつなぎに着替えて署に向かった。

深夜を過ぎた道は空いていた。あっという間に特別班の庁舎についた涼子が笑顔を見せると、課長も笹野も安心したようにうなずいた。捜査状況を尋ねると山田を刺した犯人はまだ逃走中だった。暴行被害にあった女性も所轄署で犯人の似顔絵作成に協力してすでに帰宅したということだった。ファックスで送られてきた似顔絵は目つきの鋭い若いやせ形の男だった。被害者は犯人の眼光を鬼のように鋭く感じることが多いが、それを割り引いても神経質そうな男に感じた。

被害者女性と犯人の個人的な関係はいまのところなく、行きずりの犯行というのが課長の所見だったが、いちおう被害者女性の男性関係も調査しているようだ。すぐにでも犯人を捕まえたかったが、犯人との交渉専門で地道な捜査活動の経験の少ない涼子は、今は手をこまねいているしかなかった。そんな涼子の焦りを感じたのか、まあ、落ち着け、これはおしりだけどな、と笹野が涼子のおしりをなぜていた。オヤジギャグにもなっていない笹野のセクハラに、やだっ、と少女のような悲鳴を上げた涼子は、そうですね、とまじめな顔を笹野に向けて犯人逮捕に闘志を燃え上がらせていた。

交渉人涼子 10話 (7) につづく
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