裏ろま中男 作品リスト交渉人涼子 目次交渉人涼子 Negotiator Ryoko
9話 涼子と山田 (13)
ブレーキをかけて速度の落ちたYZF-6Rは、それでも周りの車より50キロ以上は余分にスピードが出ていた。ダンスでもするかのようにリズミカルにカラダを移動させて、反対側にハングオンした涼子は目前で立ちはだかる車体をなんとか避けるコトが出来た。ハデにブレーキ音をきしませるバイクに注目した通行人は涼子のライディングテクニックの美しさに見惚れていたが、中年の男性はハングオンでミニスカの股間をさらしてパンチラするナイスバディにスケベな視線を向けて幸福感を味わっていた。
アクシデントを間一髪で避けることが出来た涼子は心臓をバクバクさせたが、信号で止まると大きく深呼吸して高まる鼓動を落ち着けた。信号待ちしていた男性はシルバーの車体にまたがる脚線美に目を奪われて、若そうなファッションで体の線をさらす色っぽい女体を視姦した。信号が変わるとアクセルをめいっぱいあけた涼子は浮き上がりそうになる前輪に体重をかけて押さえつけて、男たちの視線を振り払ってYZF-6Rのシルバーの車体は風のように走り去った。その後は何事もなく、しかし昼休みからずいぶん遅れて捜査一課特別班別室に到着した涼子を、弥生の冷たい視線が迎えた。
女子トイレでのことがあってから、弥生は山田のことばかり考えていた。男性経験の少ない弥生はスキンシップにてんで弱かった。頬を圧迫した勃起した息子の感触や、抱きしめられて胸に顔をうずめられた時の胸の高まりが忘れられずに、午前中ずっとエッチな妄想に浸っていた。おかげでアソコはイヤラシイ滴をあふれさせてパンティをビショ濡れにしたので、昼休みにパンティを買いに出掛けなければならなかった。しかし涼子が山田を連れて行かなければ山田を昼食に誘うつもりだった。そして一緒に昼食をした後にあわよくばと、妄想にまみれたはかない願望まで抱いていた。
そんな処女の独りよがりの夢をあっさりぶちこわした涼子に、山田を連れ出してきっとヒステリックに折檻したに違いない、と弥生は呪いでもかけるかのように敵意むき出しの視線を向けていた。金○袋の折檻で悶絶させた山田を置き去りにしてきたので、その点では弥生の妄想は間違っていなかったが、涼子が相手では山田が弥生になびく可能性はほぼゼロで、弥生の横恋慕は独り相撲と言っても良かった。しかし涼子と山田が恋愛関係にあるなど全く想いもしない弥生は、山田を涼子の魔の手から救い出すのは自分しかないとまで思い込んでいた。
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