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== 交渉人涼子 ==

交渉人涼子 9話 (12)

裏ろま中男 作品リスト
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交渉人涼子 Negotiator Ryoko
9話 涼子と山田 (12)

バスルームから出て濡れた体を拭き取ると、床に脱ぎ散らかしたパンティを拾い上げて足に通すと、上まで引き上げて股間を、きゅっ、と締め付けた。あんっ、まだ包皮から顔を出したまま敏感な突起がパンティに触れて声が漏れた。今朝これを身につけたときは、山田が喜ぶだろう、と浮きたった気持ちだったのに今はそんな気持ちになれなかった。揃いのブラがまだ快感の余韻を示す固くそそり立つ乳首を締め付けた。スクールガールのようなシャツとチェックのミニスカートを着て紺のソックスをはいた。はじけそうなピチピチした女体を覆い隠すかのように服を着た涼子は、決して口に出せない気持ちを心の奥に押し込めていた。

横に座って足を組んできれいな脚線美を見せる涼子が、まだベッドで意識を失っている山田を物憂げな表情で眺めた。ベッドに仰向けでだらしなく横たわる山田のバカ面にも、いとおしい気持ちがわき上がって胸がドキドキして股間が熱くなった。それを意識した涼子は頭を振ってきれいな髪を波立たせると、そんな気持ちを振り払おうとした。だめだっ、そうつぶやいた涼子は、山田、起きろ、とベッドから引きずり下ろした。床に頭をぶつけた山田は、うっ、とうなって頭を押さえた。

山田の位置からは足を開いたミニスカートの中が丸見えになっているが、うずくまる山田を見下ろしてすっくと立つ涼子が、帰るぞ、と声をかけた。はあ、あっ、はいっ、と急に山田が立ち上がった。スクールガールのような衣装に髪を下ろして色気を漂わすアンバランスな涼子に、条件反射のように抱きつこうとした山田をするりとかわした涼子は、早く服を着ろ、とたたらを踏んでよろける山田の背中にきっぱりと言った。あっ、はいっ、涼子の毅然とした態度にあわてて服を着た山田は、さっさと部屋を出て行く涼子の後を追った。

エレベーターでチラ見しても厳しい視線を返す涼子に、涼子先輩を怒らしてしまった、と山田は大きな体を縮ませてうかつな一言を悔いていた。地下の駐車場でYAMAHA YZF-6Rにまたがってエンジンをかける涼子の後ろにダンデムしようとすると、変なトコ、触ったら、振り落とすからな、と前を向いたままの涼子から冷たい声がして落ち込んだ山田だったがわざと明るく、涼子先輩、スイマセンでした、機嫌直してください、と笑顔を向けた。その言葉にバイクから降りた涼子は山田の緊張気味のニヤケ顔に冷酷な一瞥をくれると、いきなり回し蹴りを見舞った。

パンチラした股間から伸びる色っぽい足は、まだメットをかぶっていない山田の側頭部を正確に捉えていた。涼子は地面に転がった山田を無視して颯爽とバイクにまたがると、甲高いエキゾーストノートを残して走り去った。なぎ倒されてひとり残された山田は、はあっ、涼子を完全に怒らせてしまった、とすっかりしょげ込んでしばらく立ち上がれなかった。はあっ、もう一度情けない息を漏らした山田はガックリとうなだれた。

一般道を疾風のように駆け抜ける涼子は、私は機嫌悪くなんかない、と山田の言葉を否定していたが、素直になれない自分に苛立っていたのは事実だった。もやもやして収まらない気持ちでバイクを疾走させた涼子だったが、法定速度を非常識に超過したYZF-6Rの前にいきなり幼女が飛び出してきた。あっ、反射的にブレーキをかけたが、このままでは幼女にぶつかる、と涼子の本能はブレーキをやや緩めてYZF-6Rをバンクさせた。ミューの低い路面でかろうじてグリップを保ったYZF-6Rは進路を変えてぎりぎりで幼女を避けたが、すぐ前に制限速度を守る一般車両が迫っていた。

交渉人涼子 9話 (13) につづく
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