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== 女子校生由貴 ==

女子校生由貴 (33) 好き

裏ろま中男 作品リスト
女子校生由貴 目次

女子校生由貴 (33) 好き

由貴はタダシを強い視線で見つめていた。

「ねっ、由貴のこと、好きって、…言って」
やや表情をゆるめた由貴は、タダシの手を取って血のにじんだ指を口に入れた。
「…」
またかみつかれるとおびえたタダシだったが、由貴はケガをした指を舌で優しく舐めていた。

「…」
タダシの指をくわえたまま由貴はタダシに熱い視線を向けていた。
「…」
好きって言わせようとしてると思ったが、タダシはここで素直になれるほど、恵まれた人生を送ってこなかった。

「…だいたいおまえが悪いんだぞ」
由貴の視線にタダシはいたたまれなくなって、しゃべりはじめた。

「おまえ、オレのこと知らなかっただろ」
確かにその通りだった。由貴は今日はじめてタダシと同じ中学だと知った。中学2年で転校してきた由貴はすぐに学年のアイドルになったが、同じクラスでもない目立たないタダシのことは全く眼中になかった。

「…おまえは、他の男子からチヤホヤされてたもんな」
由貴自身にチヤホヤされた覚えはないが、女子の友達と同じくらい男子の友達は多かった。由貴はタダシの言葉を聞きながら指を優しく舐めていた。唇をチョット突き出すようにした由貴の顔がヤケに色っぽかった。

「…う、チャラチャラしやがって」
指先の温かいねっとりした感触に息子が熱くなる気がした。由貴の強気な態度にすっかりしぼんでいたそれだったがまた大きくなってきた。
「…」
由貴はタダシの顔をじっと眺めていた。由貴は中学時代に特定のボーイフレンドはいなかったが、男子の友達とも楽しくやっていた。それがチャラチャラしてるように見えたのだろうか。

「…オレは、おまえのこと知ってたのに、なんでおまえは知らないんだよ」
こんなことを言っている自分が情けなかった。タダシはうつむいていた。
「やひもひ?」
由貴は指をくわえたまま思わず聞いていた。

「…、ばかっ、なんで、…ヤキモチ焼くんだよ」
図星を指されたタダシは、落ち着かないように視線を泳がせていた。
「…タダシ君、ずっと由貴のこと、見てたの?」
指をくわえていた手を両手で握ると、由貴はタダシを見つめた。

「…えっ、…、いやっ」
タダシは部屋をのぞいていたことを言われたのかと一瞬びびったが、すぐに由貴がそのことを知らないはずだと思い直した。
「…」
由貴はうろたえるタダシに笑顔を向けていた。胸がキュンとなって頬が熱かった。

「…、なに、笑ってるんだよ」
タダシがすねたように由貴をにらんだ。
「…中学の時から、ずっと、由貴のこと、見てたの?」
由貴はタダシの手を引っ張って起きあがると、はにかむような上目遣いの笑顔でタダシを見つめた。胸がたぷんと揺れて乳首がかすかに振動していた。

「…、なんだよ」
まだすねたように横目で見ていたタダシだった。
「…タダシ君が好きって言ってくれないと、…由貴、死んじゃうけど、いい?」
由貴ははにかみながら、チョットイタズラっぽい笑顔をタダシに向けていた。胸がドキドキしてカラダが温かくてふわふわした気分だった。

「…」
由貴がかわいく笑うのをチラ見したタダシは、赤くなってうつむいていた。
「…、言ってくれないの」
由貴の甘えた声がタダシの耳をくすぐった。タダシはなおも赤くなっていたが息子は元気にそそり立っていた。

「…由貴、死にます、さようなら」
由貴がすまして言うとタダシはあわてて由貴の顔を押さえた。
「…、言って」
由貴はすぐ近くで焦って見つめるタダシの顔にささやいた。まぶたを半分閉じた目がヤケに色っぽかった。

「…、わかったよ、ずっと、…由貴のことが好きでした」
とうとう観念してタダシは、はき出すように告白した。
「…」
由貴はウットリして笑顔でタダシを見つめていたが、
「…イヤ」
と照れたように目を伏せると甘えた声でささやいた。

「…へっ、…」
タダシはフラれたみたいな気分になって落ち込んだ。さっきまで元気良かった息子もすっかりしおれていた。
「…、優しく言ってくれなきゃ、イヤ」
甘えた声でささやく、はにかんで笑う由貴がいた。

「…」
タダシはバツが悪そうに由貴に視線を向けていたが、
「…、奴隷になるんだな」
と精一杯強がった。

「…あっ、そうか」
そういえば、そんなことも言ったっけ、と由貴はこっそり舌を出していた。

女子校生由貴 (34) につづく
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