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短編 (75)ボクと里依ちゃん(10)

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短編 目次

短編 (75)ボクと里依ちゃん(10)

「ごめんね、取り乱して…、恥ずかしい…」
声を上げて泣きまくった里依ちゃんはやっと落ち着いたみだいだった。顔を上げた里依ちゃんは涙をぬぐいながら笑顔を見せてくれた。

「里依ちゃん」
ボクはやっと何を言ったらいいのか決めて、里依ちゃんをまじめな顔で見つめた。
「うん…」
ボクの真面目な顔を見た里依ちゃんは何か覚悟しているような顔で、ボクが何か言い出すのを待っていた。

「里依ちゃんは、ウソなんかついてないよ」
ボクは里依ちゃんに笑って欲しくて、考えて考え抜いた言葉を慎重にしゃべった。
「え…」
予想していたのと違うことを言われたからか、里依ちゃんはなんだか気が抜けたような顔でボクを見ていた。
「だって、ボク、知ってたから」
ここで間違ったら、里依ちゃんがボクと一緒にいてくれなくなるかも知れないと思って、ボクは本当に真剣に言葉を選んでいた。

「知ってた?」
涙をぬぐうのも忘れた里依ちゃんは、ボクの言葉を繰り返していた。
「うん、ボクだって、セックスぐらい知ってるよ、でも、里依ちゃんがボクとの秘密だって、約束だって言ったから、あれがセックスだって言わなかっただけだから」
ボクは今言った言葉が間違ってないか、一生懸命考えながらしゃべっていた。その時のボクは里依ちゃんを傷つけないように、それだけを考えていた。

「約束…、精ちゃん、ありがと」
里依ちゃんはボクが約束をずっと守っていたことを知ってうれしそうだったけど
「でも、小学生にエッチなコトした、里依の罪は消えないの」
それでも自分を責めて悲しそうにうつむいた。

「罪ってなに?…、里依ちゃんは何も悪いことなんて、してないよ」
うつむく里依ちゃんにボクはちょっと大きな声を出していた。
「…、だ、だって…、里依は、高校生だから…」
大きな声にビクッと震えた里依ちゃんは、ボクの真剣な顔をジッと見つめるとまた泣き出してベッドにうずくまった。

「里依ちゃん、ボクを見て、里依ちゃんはセックスのことよくわかってないから、ボクが教えて上げる」
震える肩を強引に持ちあげたボクは、泣きながら目をそらす里依ちゃんを怒ったようにのぞき込んだ。

短編 (76)につづく
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