2ntブログ

== 交渉人涼子 ==

交渉人涼子 8話 (3)

裏ろま中男 作品リスト
交渉人涼子 目次

交渉人涼子 Negotiator Ryoko
8話 淫乱女刑事 (3)

電車が止まってドアが開くと涼子は学生の手首を握って、降りなさい、と冷たい視線を向けた。狼狽して落ち着きのない視線を向けた学生は逃げだそうか躊躇したようだが、涼子の迫力に押されて観念したように涼子と一緒に電車から降りた。ホームに降りた涼子は男の手を引いて改札に向かった。駅長室に行くんですか、学生はおそるおそる聞いたが、責任取りなさい、と涼子の美しい横顔が答えた。

M大生の大滝は涼子のフェロモンに誘われて痴漢をしてしまったことに後悔していた。そしてクールビューティな冷たい視線が脳裏にこびりついて、愚かな自分の行為が招いた今の状況に落ち込んでいた。涼子の後を黙って歩いていた大滝は駅員に突き出されると思っていたので、改札を通って駅を出ていく涼子に、どこに行くんですか、と声をかけたが、黙ってついてきなさい、振り返りもしない涼子からにべもない返事が返ってきた。うかつな出来心に沈んだ気分の大滝だったが、涼子のなまめかしい後ろ姿を見ていると自然に股間が熱くなって複雑な気分だった。

涼子は駅前のにぎやかな通りを素通りして裏通りに入っていった。大滝は涼子の並々ならぬ迫力に、ひょっとしたらこの女性はヤクザの情婦で、ヤクザの事務所に連れて行かれるのでは、という悲惨なイメージを思い浮かべていっそうヘコんでいた。何とか涼子の目を盗んで逃げ出そうと、涼子のスキをうかがっているウチにハデなビルに入ってしまった。逃げ出すチャンスも無いままにどこかわからない目的地に到着してしまった大滝は覚悟を決めて涼子の後についてビルに入ったが、内装からそれがラブホテルだとすぐに気づいた。すっかり落ち込んでいた大滝はかすかな希望とスケベな気持ちがもたげて、頼りない希望に自らをゆだねた。

部屋のキーを手にした涼子がハイヒールの音を響かせて歩いていくのに、これは…、とスケベ心をふくらませた大滝は、エレベーターでふたりきりになると涼子のナイスバディが描く色っぽい曲線をニヤけた顔で眺めていた。イヤラシイ視線に気づいた涼子がサディスティックな笑みを浮かべた美しい顔を向けると、背筋に冷たいモノを感じた大滝はふくらんだスケベな気分がすっかりしぼんで知らずに足を震わせていた。エレベーターの扉が開くのを地獄の扉が開くような気がした大滝は足を踏み出すことが出来なかったが、早く来なさい、と凛とした美しいしかし有無を言わせない声にうながされて、やっとエレベーターから出てきた。

交渉人涼子 8話 (4) につづく
ブログランキング ケータイの方はこちらから
ブログランキングバナー1日1クリックご協力をよろしくお願いします。
関連記事
┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 19:46:52 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://aosaga9.blog.2nt.com/tb.php/307-65e50d7b
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next