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== H2(ハル子とヒロ) ==

H2(ハル子とヒロ) (44)ヒロのアパート

ろま中男3 作品リスト
H2(ハル子とヒロ) 目次

H2(ハル子とヒロ) (44)ヒロのアパート

「はあっ、食った食った…」
ハル子が出したモノをキレイに平らげたヒロは、ポンポンと満足そうに腹を叩いていた。

「お粗末様…、いい天気ね、ヒロ」
いい天気…、病院にいたときは、いつも病室だったね…。
食器を片付けるハル子は窓の外を見て、春の明るい日差しに優しい笑みを浮かべる。

「散歩しようか、ハル子」
ミセスっぽいファッションに艶めかしい女性らしい曲線を見せる後ろ姿に、だらしなく顔を緩めたヒロは散歩デートに誘っていた。
「うん、いきたい」
陽気のことを口にして自分から誘ったつもりのハル子は、ヒロの提案に一も二もなく賛成していた。

「もう、桜も終わりね…」
ああっ、いい風、気持ちいい…。
火照った頬をまだ春先の冷たい風になでられて髪を押さえたハル子が、舞い散る桜の花びらを見上げながらつぶやく。
「…、来年も見れるだろ」
色っぽいうなじを見せるハル子のほうが桜の花よりキレイだとヒロは思ったが、そんなこっぱずかしいセリフは言えずに、これからずっと一緒だという思いをこめてつぶやいた。

「そうね、ずっとヒロと一緒に、見たいわ」
来年も、再来年も、ずっと一緒よね…、あ、そうか…、ダメ…。
ヒロの手を取ったハル子は抱きつきたかったが、近所の目が気になって躊躇した。

「あ、ここ、オレのアパート」
手をつないでハル子と一緒に歩くのが念願でもあったヒロは、ハル子の手の感触にニヤけていた。
「え、ああ…、ずいぶん近いね…」
ヒロと、手つないでる…、わたし、幸せだわ…、でも、誰かに見られたら…。
夫以外の若い男と手をつないで歩いていること自体がご近所に知られたら、と心配していたハル子は内心ドキドキで適当に相づちを打っていたが、露悪な昂ぶりでどMなメスの性根を熱くしていた。

「ハル子、どうかした?」
ハル子がメス奴隷として野外調教される気分でいるなんて思いもしないヒロは、なんだかよそよそしい態度を不審がっていた。
「え?…、あの、どこか…、二人きりに、なりたい、の…」
もうだめ…、このままじゃ、おかしくなっちゃう…。
知り合いの奥さん方に見られたら、と思うだけであそこが濡れてきてしまうハル子は、不思議そうに見るヒロに淫靡な雰囲気を漂わせたオスを誘うような視線を向ける。

「え…、あ、ああ、いいよ、オレのアパート来る?」
色っぽい視線に一瞬で籠絡されたヒロは窮屈な股間を意識しながら、越してきたばかりで引っ越しの荷物も解いてない部屋に連れ込んだ。
「何か飲む?…、あ、そうか何も買ってない」
ハル子と二人きりの空間にいるコトを意識したヒロは、ケダモノじみた欲望を抑え込んで冷蔵庫をのぞき込んだが、中は空っぽだった。

「お気遣い無用よ、片付けてあげる」
引っ越ししたばっかりだったんだ…、それですぐにハル子を、見つけてくれたのね…。
段ボールが積まれた部屋に苦笑したハル子は段ボールを開けるとテキパキと片付けを始めて、好きな男のために奉仕する悦びを嬉しそうな笑顔に表していた。

「なんだか、悪いな」
正座姿に女性的な柔らかい線を見せるハル子が世話女房ぶりを発揮するのに、ヒロがだらしなく顔を緩めていると
「これ、どうする?」
重い…、あ…、こんな本…、ヒロの、浮気者…。
重い段ボールの箱に受験本に混じって男性雑誌を見つけたハル子が振り返って無表情に聞く。

「へ?…、あっ、それ、捨てようと思ってたから」
ハル子の冷たい視線と手に持ったハダカの女性が扇情的なポーズを取る雑誌を交互に見たヒロは、慌てて手を伸ばした。

「きゃんっ、あ…」
思いっきり手を伸ばしたヒロはバランスを崩してハル子に抱きついていた。畳の上に押し倒されたハル子はヒロの焦った顔を間近に見て、たくましい胸板に乳房を押しつぶされた胸をドキドキさせていた。

H2(ハル子とヒロ) (45) につづく
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