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== 交渉人涼子 ==

交渉人涼子 4話 (7)

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交渉人涼子 Negotiator Ryoko
4話 幼稚園立てこもり事件 二階級特進 (7)

課長は涼子を認めると、視線を合わせづらいようにあらぬ方向を見ながら、事件だ、と言う。刃物を持った男性が幼稚園に立てこもっているようだ。園児は全員避難させたが、逃げ遅れた保母がひとり人質になっているらしい。非番の山田に代わって、課長が涼子の相棒を勤めると言い出した。山田以上に役立たずの課長が相棒でははなはだ不安だが、この巨体ならいざというときにタテ代わりぐらいにはなるだろうと考えることにした。

現場に向かう車は涼子が運転したが、助手席の課長は涼子のミニスカートからのびた太ももを盗み見しながら、話し出すきっかけを探っていた。涼子は課長の視線を意識していたが、完全に無視して運転中は一言も口を開かなかった。涼子が黙っているため、課長はひとりで話し始めた。要領を得ないことを長々と話していたが、要するに、今日のことは忘れて欲しい、出世に響くから、ということらしい。もちろんそんな自分勝手なタワゴトに耳を貸す涼子ではない。

課長もかつては結婚していたが、10年以上前に離婚して子供はいない。天涯孤独だと普段から自嘲ぎみに話していた。あるいは本心では涼子を再婚相手に、と考えたこともあったかもしれないが、そんなことはこれまで一度も言われたことはない。スキを見せない涼子なので、とりつく島もなかったのかもしれない。しかし普段からセクハラ発言ばかりして、それどころか涼子のナイスバディに無遠慮にタッチして、みだらな妄想を抱いているようでもあり、それはないと涼子は、ばかげた考えを振り払った。

現場に着くまで、結局涼子は一言も口にしなかったので、課長ひとりがしゃべっただけで会話はなかった。しかも運転中ずっと下半身にへばりつく課長の舐めるようなイヤらしい視線で嫌悪感に襲われて、より課長への憎悪を高めていた。現場に着いた車から涼子はパンチラしないように足をそろえて降りた。涼子の車を認めた制服警官は姿勢を正して敬礼したが、視線は涼子の足に注がれていた。しかしスカートの奥のお目当てにはたどり着けなかった。

交渉人涼子 4話 (8) につづく
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