2ntブログ

== 毛双太郎 ==

毛双太郎 番外編アイリ(3)帰り道

ろま中男3 作品リスト
毛双太郎 目次

毛双太郎 番外編アイリ(3)帰り道

「…あんたこそ、部活も出ないくせに、なんでこんな時間までいるのよ…」
いつまで黙ってるのよ…、なんか、言いなさいよ…、私が、すごい性格の悪い女みたい、じゃない…、だから、あんたダメなのよ…、女の子の気持ち、なんにも、わかってないでしょ、…。

「あっ、あんた、有名よ…、放課後に女の子のお尻ばっかり追いかけて、パンツのぞいている変態だって…、あっ、アンタ、ずっと見てたでしょ、やっぱ、変態だわ」
太郎は目線を下に向けたまま黙ってる。まだ、私のパンツ見てるのよ…。私が話しかけてるのに、まだ見てるなんて、変態じゃないの?…、悪いクセ、やめなさいよ…。
ジットリした太郎の視線に耐えきれなくなって、顔が赤くなりそうな私は足を閉じた。

あ~あ、黙っちゃった。自分の世界に入り込んじゃってる…。太郎のヤツ、時々、こうなるのよね…、どうせ、エッチなコト、考えてるんだろうけど、…。

妄想の世界に入り込んだ太郎が自分勝手な想像を巡らせて、自分がSM奴隷にされて縛り上げられているとは思わないアイリは、ジットリした横目で放心した太郎をしばらく眺めていた。

「…、気持ち悪いわね…、ナニ、ブツブツ言ってるのよ、私、帰るわよ」
いつまで変な想像してるのよ、つきあいきれないわ…、もう、帰っちゃうからね、…。
スケベな想像の世界に遊んで、魂が抜けたような太郎に愛想を尽かせたアイリは、また毒舌を発揮して小バカにしたような口調で声をかけると、自分の机に戻ってカバンを手に取る。

「…待てよ、俺も帰るから」
やっと妄想から現実世界に帰ってきた太郎は、膨らんだ股間が窮屈そうに上体をかがめながら、アイリのスカートの下をノゾキ込んでいた。

「勝手に、すれば…」
いつまで見てんのよ…、バカ太郎…、でも、一緒に帰るなんて、中学以来じゃない?…、なんだか、頬が熱い…、やだ、私、ドキドキしてる…、でも、なんか、うれしかったりして…、えへへっ、…。
スカートの下をノゾキ込もうとする太郎に、気づかないフリをするアイリだったが、頬が熱くなって胸がドキドキする。自分を避けてばかりいた太郎に一緒に帰ろうと言われて、アイリは動揺する自分を悟られまいと、つっけんどんに言い返すのが精一杯だった。

「鈍臭いわね、グズ…、置いてくわよ…」
やだ…、まだ、見てる…、誰かに見られたら、恥ずかしいじゃない、…。
後ろについて、相変わらずスカートをノゾキ込もうとする太郎に、アイリは同級生に見られそうで気が気じゃなかった。いきなり振り返ったアイリの厳しい口調に、太郎はあわてて体を起こすと目をそらしたが、アイリの顔が笑っているように感じた。

「…、アンタと帰るのも、中学校以来よね」
だれもいないよね…、ほら、見せてあげる、…、ほんと、うれしそうな顔しちゃって…、バカじゃないの…、でも、太郎、今、わたしだけを、みてるのよね…、へへっ…。

ベンチに座らずにしゃがみ込んだ太郎の視線が、スカートの下に向けられているのに、気づかないフリをして、アイリはわざとらしくならないように足を組んだ。

「ああ…、そうか?…」
生返事してパンチラするアイリの下半身を盗み見る太郎は、アイリが横を向くと浅く座ったお尻がベンチからはみ出しているのを懸命に目に焼き付けていた。まもなくバスが来てアイリがバスに乗ると、もちろん下からノゾキ込んで、パンティが食い込んだ股間をしっかり見つめていた。

「早く座りなさいよ、ホントに鈍臭いわね…」
なんで座らないの…、私の横に座りたくないの?…、私がこんなに勇気を出して、サインをおくってあげてるのよ…、バカ太郎…、男でしょ、…。
二人掛けの座席に座ったアイリは、窓側にカラダを寄せて太郎が座るのをドキドキしながら待っていたが、躊躇する太郎についいつもの毒舌を浴びせていた。

「…」
あしざまに言われた太郎はちょっとムッとした表情を見せて、ドスンと横に座る。

…、こんな風に、並んで座るなんて、小学校以来じゃない…、でも、あの頃に比べたら、太郎、おっきくなった…、私より、背も高くなったし…、たくましくなった、みたい、…。
太郎の挑発的な態度など一向に気にしないアイリは、すぐ横にいる男らしい体つきになった少年にドキドキして胸が苦しいくらいだった。

あのときも、こんな風に太郎が一緒に、いてくれれば…、あんな、つらい想い、しないでよかったのかな、…。
ふいにはじめて痴漢に遭ったことが頭に浮かんだアイリは
「…、わたし、痴漢にあったことがあるの…、中学の時…、たくさんの人が…、わたし、怖くて…」
つい、思いのままを口にしていた。

「アンタがその時、いてくれたら…、何でもないわ、忘れて…」
太郎に、助けて欲しかったな…、やだ、わたし、何言ってるの、はずかしい…、太郎、私のこと、変な女の子だと、思ったかな…、やだ…、どうしよう…、どうして、黙ってるの、…。
本音を漏らしてしまったことに内心慌てたアイリは窓の外に目を向けた。太郎が何か言い出すのが恐かったが、ゆっくり目を閉じたアイリは、心のどこかで太郎の優しい言葉を期待してドキドキしていた。

毛双太郎 番外編アイリ(4) につづく
ブログランキング ケータイの方はこちらから
ブログランキングバナー1日1クリックご協力をよろしくお願いします。
関連記事
┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 15:23:51 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://aosaga9.blog.2nt.com/tb.php/2283-6e1aae07
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next