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魔法のメガネ (48)なかみな登場

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魔法のメガネ (48)なかみな登場

「んがっ…、ぐう~…」
巨乳養護教諭の胸に顔を埋めてご機嫌だったオレは、あまりの気持ち良さに寝てしまった。

ネエちゃんからはじまって電車のお姉さん、世界征服をたくらむ敦子と、さんざんいい想いをした疲れがどっと出たのだろう。

「え…、寝てるの?…、バカにして…、でも、カワイイ…」
生理中の栄子はイビキで乳房を刺激されていい気分になっていたが、オレが寝てしまったのに気付くと癇癪を起こしたが、オレの罪のない寝顔にほだされたようで、ベッドから抜け出してほっておいてくれた。

「ほら、起きなさい…、彼女が来たわよ」
栄子の声に起こされたオレは、弁当を抱えてはにかむ優子を寝ぼけ顔で眺めていた。昨日からの連戦でかなり消耗していたようで、昼休みになるまで熟睡していた。

「成夫君、お昼よ…」
押しかけ女房のような優子は目覚めのキッスをしようかどうか迷っていたらしいが、結局手を出せずに栄子に起こしてもらったらしい。

「ん…、ああっ…」
まだまぶたが重くてしゃんとしないオレは、優子の手を引くとベッドに引き入れていた。

「きゃっ、あんっ…、えへへっ…」
ベッドに倒れ込んだ優子はビックリしたような顔でオレを見つめたが、寝ぼけて抱きしめるとうれしそうに笑ってオレの胸に顔を埋めていた。

「もう、勝手にして…、私、お昼行くから」
寝ぼけて優子に抱きつくオレにあきれた声を漏らした栄子は、どこかに行ってしまった。

「成夫、くうん…」
顔を上げた上目遣いの優子が甘ったれた声で鼓膜をくすぐってくる。ピッタリと寄り添うヒダスカートの柔らかい腰を、元気になった息子がグイグイ押していた。

私、とうとう、しちゃうのかしら…、恥ずかしい…けど、うれしい…。

頭にピンクと黄色の点を点滅させる優子の心の声が聞こえてくる。このどM美少女はオレにベタ惚れで処女を捧げると固く心に決めているようだ。

これが昨日まで毒舌でさんざん悪態をついてきたイヤミな優等生と、今の優子が同一人物とはとても思えないが、やっぱりココまで慕われると嫌な気分はしない。

カワイイ、じゃねえか…、ちょっとくらい、いいか、…。
カワイイ優子にすっかり萌え萌えにのぼせ上がったオレは、抱きしめた手を緩めてアゴを上げさせる。

プックリした柔らかい唇の頼りなく開いたスキマに見とれてだらしなく顔を緩めたオレは、そこに吸い寄せられるように口を近づけていた。

「誰か、いませんか?」
唇が触れるその瞬間、入り口で声がした。不意を突かれたキョドったオレは優子をシーツに押し込むと、ベッドから飛び起きてカーテンを閉めた。

「あの、せんせいは?…」
見覚えのないセーラー服少女が栄子の所在を聞いてくる。割とカワイイ、というかかなり好みだ。オレの記憶にないということはたぶん1年生だろう。

「名前は?」
オレは上級生らしい威厳を込めて聞いてやった。
「中橋みなみです、1年A組です」
自己紹介して下げたロングヘアの頭に、触覚のように頭頂部でまとめた髪が前後に揺れた。盛った感じでちょっとキャバ嬢っぽい、と思った。頭の青色の点が少し暗い。

「ああっ、秋元先生の…」
秋元は1年担任の国語教師だが、生徒たちの間ではロリコンの変態として知られていた。そのスケベ秋元にずいぶんかわいがられている学級委員がいるというウワサを思いだした。
「そうですっ」
秋元の名前にパッと表情を明るくしたみなみは、人なつっこいというより馴れ馴れしい感じの笑顔を見せた。頭の点は黄色に変わっていた。

「栄子せんせいなら、昼飯だよ、どうかした?」
急に友達のような親しげな態度に代わった美少女に若干引いたオレだったが、上級生の威厳をなんとか保って聞いてみた。

「そうですか…、じゃあ、どうしようかな…」

お姉様と、お昼ごはん、したかったのに…、みなみをおいて、行っちゃうのなんて、…。

うつむいた触覚頭に紫の点を見せたみなみの、心の声が聞こえて来た。

コイツ…、Sだったのか、…。
その声は恋人にフラれた女のそれだった。秋元に手取り足取り(腰取り)で教えられているというウワサだったし、てっきり秋元とねんごろになっていると思ったが、実はS(シスター)だとわかった。

スケベジジイの毒牙にかかっていないのは何よりだが、しかし下級生に正しい男女交際を教えてやるべきだ、とオレは上級生としての責任感(とスケベ心)に燃えていた。

魔法のメガネ (49) につづく
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