ろま中男3 作品リスト魔法のメガネ 目次魔法のメガネ (29)驚愕の事実
イジイジしたヤツだと、思ってたの…、女の子には、手が早いのね、…。
突っ立っているオレを尻目に晩ご飯を食べ始めたネエちゃんは、頭に紫や赤色の点を見せていた。茶髪のロングヘアを後ろでまとめたハーフっぽい美人顔は心持ち眉をしかめて、パスタを突き刺したフォークを色っぽい唇に運んでいた。
やっぱ、機嫌悪そう、…。
癇癪が爆発するのを恐れたオレは、こっそり自分の部屋に戻ろうとした。
「ふうん…」
逃げ出そうとするオレを横目で見たネエちゃんは、また「ふうん…」を漏らした。
「やっ、やっぱり、食べよ…、あんまり食えなかったから…、よそんちは緊張するよね」
2度目の「ふうん…」にビビリまくったオレはガチガチになっていすに座ると、冷たくなったパスタをなんとか胃袋のスキマに詰め込んでいた。
あんな、かわいい子…、私なんて勝ち目、無いじゃん、…。
赤や紫をますます輝かせるネエちゃんが、懸命にフォークを口に運ぶオレをジットリした目でにらんでくる。
や、ヤバイよ…、あれ?…、でも勝ち目って、なんだ、…。
いつ爆発するかわからない癇癪に怯えてフォークを持った手を震わせたオレは、
「ね、ネエちゃん、このマカロニ、う、うまいね…」
ネエちゃんの心の声にちょっと引っかかったが、味のよくわからないパスタをとりあえずほめていた。
こんな冷えたの、おいしいわけ無いじゃない…、せっかく早く帰って、作って待ってやったのに…、アンタが帰ってこないから、冷えちゃったのよ…、あのかわいい娘と、イチャイチャ、してたんでしょ…、なんか、腹立つ、…。
「マカロニじゃなくて、ペンネよ」
オドオドするオレをまたチラ見したネエちゃんは不機嫌そうにつぶやくと、パクパクと「ペンネ」を喰っていた。言われてみるとまわりに細いミゾが付いていて、マカロニとはちょっと違うような気もした。
イチャイチャ、って…、なんかネエちゃん、ヤキモチ、焼いてるみたい、じゃん、…。
いつもみたいに声を荒げるでもなく、静かに怒るネエちゃんをオレはマジマジ見つめてしまった。聞こえてくる声はヤキモチを焼いてるようにしか聞こえない。昼に大学でオレたちを見たネエちゃんが、「ふうん…」を漏らしていたのを思いだした。
朝から「パンツ、何色?」とか、聞いちゃってさ…、あの娘に、発情してたんでしょ、このエロガキ…、そんなに知りたいなら、ホラ、見せてあげるわ、見なさい…、ネエちゃんのカワイイ、ピンク、…。
黙ってフォークにパク付くネエちゃんのカラダがモジモジする。なんだかよくわからなかったが、姉ちゃんの心の声につい誘われてフォークを落としたオレは、拾おうとしてテーブルの下にしゃがみ込み、ネエちゃんの「カワイイピンク」を見てしまった。
や…、ホントに見る?…、でも、ここで足閉じたら、意識しまくりなのが、ばれちゃう、…。
細めの太ももを開いて根本のスケスケピンクのパンティを見せるネエちゃんが、かすかに震えているのがわかった。心なしか中心線の色が濃いような気がする。
ネエちゃん、ひょっとして、オレが好きなのか、…。
昨日までのオレならそんな罰当たりなこと考えもしなかったが、「やりまんめがね~」で女の人の気持ちが手に取るようにわかるオレは、ネエちゃんが実はオレのコトがスキだったのだと確信した。
まだ…、見てるの?…、ああん、ヘンな気分になって…、きちゃう、お願い…、もう、許して…。
ネエちゃん…、オレに見られて、感じてる?…。
オレに「カワイイピンク」を見られて恥じらうネエちゃんは、パンティに色の濃い中心線を作っていた。ネエちゃんは足を広げて下着をさらす恥ずかしい姿を見られて、濡れていた。
「お風呂、入るからっ…、アンタ、片付けてね」
とうとう羞恥露出に耐えきれなくなったのか、ネエちゃんは立ち上がるとさっさとバスルームに向かった。
ネエちゃん…、オレが好きなんだ、…。
テーブルの下をのぞき込んでいたオレは、茫然としてだらしない顔でしばし茫然としていたが、
じゃあ…、ネエちゃんの気持ちに、応えないと、な…。
「やりまんめがね~」のおかげで、今日一日だけで何人もの女性を手玉に取ってすっかりのぼせ上がったオレは、ネエちゃんにまで毒牙に掛けようとしていた。
はあっ…、成夫に感じちゃうなんて…、ネエちゃん失格だわ…、でも、アイツとは、血がつながってないし…。
な、な、な…、なにい?…、なんじゃ、そりゃあっ、…。
バスルームをこっそりのぞくとシャワーを浴びるネエちゃんがいた。モデルをするくらいのナイスバディに水滴が伝うなまめかしさに一瞬見とれたオレだったが、ネエちゃんの心の声が頭の中で何度もリフレインしていた。
物心ついた頃からオレの面倒を甲斐甲斐しくみてきてくれたネエちゃんが、ずっと隠していた驚愕の事実に開いた口がふさがらなかった。
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