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オレの子を産んでくれ (30)友美の生い立ち

ろま中男3 作品リスト
オレの子を産んでくれ 目次

オレの子を産んでくれ (30)友美の生い立ち

「赤ちゃん、できるかな?…」
湯船の中で結合したまま友美に抱きついていたオレは、生ぬるい気持ち良さについ本音を漏らしていた。

「赤ちゃん?…、タケシ君…、友美の赤ちゃんが欲しいの?」
バックから抱きつかれていた友美は、不自然なほどカラダをねじって目のハシでオレを見つめた。
「あ、ああっ…、ナマでしてるんだから、できると考えるのが普通だろ」
オレの方を向くカラダの柔らかに舌を巻く思いだったが、友美の真剣な眼差しをオレは真っ正面から受け止めていた。

「…、それって、友美と結婚するってコト?…」
体の向きを元に戻した友美がヤケに沈んだ声を漏らす。
「ああ…、赤ちゃんできたら、結婚するよ」
キレイだがなんだか心細げなやせた背中を見せる友美に、麻里子の時と同じようなセリフを応える。どうせあと半年で死ぬのだから、子供の養育費に生命保険を受け取れるように籍を入れるのは当然だと思っていた。

「嬉しい、すき、すきいっ」
突然振り返った友美にしぼんだ息子がするりと抜けて、震える女体が抱きついてくる。その勢いで反対側に背中をつけたオレの腕の中で、友美が肩を揺らして嗚咽を漏らしていた。
「あ、ああ…、オレも、すきだ」
かすかに漏れる切ないすすり泣きは、感極まったための感情の発露だとしか思えなかった。友美とは今日がはじめてであり、それまでたいしてつきあいの無かった彼女が、どうしてココまで感動するのかよくわからなかったが、とりあえず話を合わせていた。

「…、わたし、大阪で生まれたんだけど、小学校の時に里子に出されて…」
首筋に切ない吐息を吐きかけていた友美は、何とか落ち着くと潤んだ目でオレを見上げて生い立ちを話し出した。

どういう事情かよくわからなかったが、小学校の時親元から離れた友美は横浜の親戚の家で育ったそうだ。親戚の家には一人娘がいて、友美は一つ年上のその女の子に遠慮して育ってきたらしい。

親戚の里親は大学まで行かせてくれて、金銭面で不自由を感じさせることはなかったが、友美は実子の娘に対する引け目で、常に家族の愛情に飢えていたそうだ。

怪しげなバイトも里親に負担を掛けないためにやっていたことで、彼女が贅沢をしたいだけのブルセラ娘や根っからの淫乱だからでないと、そのときわかった。

「そうか…」
訥々と語る彼女の言葉にいちいち気持ちを揺さぶられて、オレは泣き出しそうになっていた。彼女のさみしい少女時代を思うと胸が締め付けられるような気がして、潤んだ目でジッと見つめる彼女がどうしようもなくいとおしくて、オレは柔らかいカラダをきつく抱きしめていた。

オレの子を産んでくれ (31) につづく
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