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鬼龍院サセ子探偵事務所 (17)ラブちゃん

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鬼龍院サセ子探偵事務所 (17)ラブちゃん

「うわあ、カワイイ、オニイチャン、陽菜にちょうだいっ、あ、サセ子サン、魔女っ娘コス、イタイけどカワイイね」
以前から目を付けていた寄り目美少女をウサギにされて茫然としていると、昨日妹になったばかりの陽菜が突然現れて麻里ウサギを抱え上げるとお気楽にサセ子サンをイジっていた。

「なんで、オマエがいるんだよ」
「サセ子サンのお使いの妖精に呼ばれたの」
「こんにちは、妖精です」
今日転入して授業中のハズの陽菜に説教じみた口調で問いただすと、元メイドロリ妹は不思議そうに応える。無表情に頭をかしげる陽菜の肩で1/12フィギアぐらい大きさで背中に羽の付いたレオタードの小人がオレに挨拶した。

「ええっ、なにコレ」
「ご苦労様、ピーターによろしくね」
「はあ~い」
目の前のメルヘンな光景に素っ頓狂な声を上げたオレを無視したサセ子サンは、ニコニコ笑って妖精を見送った。昆虫のような羽をパタパタさせて彼女?はどこかに消えていった。

「とりあえず、妖精は見なかったことして、麻里をどうするんだよ」
またまた闖入してきたファンタジーに混乱気味だったが、ウサギにされた麻里をこのままにできないのでニッコリ笑って巨乳の下で腕を組むサセ子サンに詰め寄った。
「だから、陽菜ちゃん、呼んだの」
興奮するオレに全く動じる様子のないサセ子サンはニッコリ笑っていた。

「じゃあ、この子もらっていいのね、陽菜、嬉しいっ」
ウサギとじゃれついていた陽菜がそれを聞いて嬉しそうに巨乳魔女っ娘に抱きつき、深い谷間が強調されたふかふかした胸に顔をなすりつけていた。
「そんなことできるか、麻里の家族が心配するだろ」
あまりに安直な解決方法にオレが声を荒げても、
「大丈夫、麻里さんのご両親も今頃行方不明だから」
ゆったりした笑顔を浮かべる不思議美女はとんでもないコトを言い出す

「そんなの、よけいにダメだろっ」
常識のカケラもないセリフにオレはいきり立ってのりだしたが
「冗談よ、ご両親対策はちゃんとしてるから」
サセ子サンは相変わらず上品?な態度だった。
「まさか、UFOで拉致して変なチップを埋め込んでるんじゃないだろうな」
不可思議現象の連続にだいぶ慣れてきたオレは、はっとなって思いついたままの妄想を口に出していた。

「あら、里美君、私の気持ちがわかるようになったの?…、愛の力ね…」
口からデマカセが図星だったようで、かすかに顔色を変えたサセ子サンは切れ長の目でウットリした視線を向けてくる。
「そんなのっ、絶対にダメだっ」
不思議美女にとってはありえない非常識がありきたりな日常茶飯事のようだが、大人の色気を漂わせてとぼけたコトを抜かすサセ子サンに、オレはますます興奮していた。

「大丈夫よ、別に健康に害はないんだし、それより麻里さんがこのままの姿で家に帰ったら、よけいに大変なことになるわよ」
「なにいってんだ、サセ子サンが全部したことだろ」
またまた駄々っ子をなだめるような困り顔を見せるサセ子サンにムカッ腹が立ったが
「オニイチャン、ウサギの名前考えたよ、『ラブちゃん』よ、カワイイでしょ」
いつものわざとらしい馴れ馴れしさでなついてきて嬉しそうにウサギを抱くロリ妹に、空気が抜けたように怒りがしぼんでいた。

「それに里美君に預けたら危ないしね」
「なんだよ、それ」
「だって、動物にまで欲情して…、いくら里美君が変態でも、わたしそんなケダモノは愛せないわ…」
豊かな胸を支えるように腕を組むサセ子サンは相変わらず困ったようにオレを見ていた。

「そんなことするかっ」
オレを獣姦マニアな変態扱いする不思議美女に思わず大声を張り上げたが、
「じゃあ、そういうことで陽菜ちゃん、ちゃんと面倒見てね」
「だいじょうぶ、サセ子サン任せて、ラブちゃん一緒に帰ろうね」
なしくずしに麻里ウサギはラブと命名されて陽菜のペットに決定してしまった。

鬼龍院サセ子探偵事務所 (18) につづく
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