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鬼龍院サセ子探偵事務所 (16)薬

ろま中男3 作品リスト
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鬼龍院サセ子探偵事務所 (16)薬

「これ、ホントに大丈夫か?」
「大丈夫よ、コレ飲んだら彼女、今よりずっとかわいくなるわよ」
魔法使いのおばあさんが差し出しそうなガラスの小瓶をいぶかしむオレに、ヤケに胸元を強調したキッツイ魔女っ娘コスプレの不思議美女がニッコリ笑う。

「だいたいその格好なんなんだよ、朝はセーラー服だったけど、なんでそう何度も素早く着替えられるんだ」
着るのに手間がかかりそうなモ○レンジャーコスさえも早着替えどころか変身と言ってもいいくらい瞬時に衣装替えするサセ子サンに、オレはどうしても聞かずにいられなかった。

「うふふっ、里美君は、どれがお気に入り?」
はぐらかすように笑うサセ子サンに
「ごまかすな、木村と内藤のことだって、オレだって知らなかったのに絶対におかしい」
オレはこの不思議美女の正体がどうしても知りたくなってつい語気を荒げて追求していた。

「いやん、その野獣のような目…、私、弱いの…」
詰問に応えようとしないナイスバディ美女は鼻にかかった声を漏らして、キッツイ魔女っ娘コスの大きくあいた胸を押しつけて寄りかかってくる。
「だから、なんでだよっ」
温かくてパフパフした気持ちいい感触にごまかされまいとオレはキッとなってにらみつける。

「はあ、わかったわ…、最初に言ったでしょ、忘れちゃった?…、私、探偵なのよ、里美君のコトや里美君のお友達のプライベートなんて調べるの簡単なの」
駄々っ子に対するような困った笑顔にムカつくが、サセ子サンはやっと事情を説明してくれた。
「じゃあ、早着替えは?」
なんでオレや友達のプライベートが調査されるのかわからないが、とりあえず置いておいて次々に変わるコスプレを聞いた。
「明智小五郎って変装の名人だったでしょ、一流の探偵にとって変装は、ベーシックな特技の一つよ」
コレを変装と言うにはあまりにキツくて目立ちすぎで変装の意味をなさないような気もするが、名探偵は変装が特技という説明はそれなりに説得力があった。

「じゃあ、コレ、飲ませてあげて」
不承不承納得したオレにニッコリ笑ったサセ子サンは怪しい小瓶を麻里に飲ませるように促す。
「あ、でも、口移しはダメよ」
「するかっ」
薬を飲ませる口実にキスしようとした心根を読まれてまたつい逆ギレして声を荒げていた。

「おい、麻里、これ、飲め」
「あ、うん…、こくっ、あ、おいしいっ、ゴクッゴクッ」
オレたちのマンザイまがいの会話を横で黙って聞いていた麻里は小瓶を少し口に含むと、嬉しそうに全部飲み干した。

「え…」
「どうしたっ、大丈夫か」
「あっ、ああっ…」
「ええっ…、そんなの、ありっ?」
ニコニコして薬を飲み終えた麻里は突然寄り目になって苦しみ出すとベッドにうずくまった。見る間に縮んだ麻里はビリビリに破れたセーラー服の下で真っ白なウサギになっていた。

「おいっ、どういうコトだよ」
あり得ない現実に動揺を隠せないで問いただすと
「ちゃんとかわいくなったでしょ」
全く悪びれる様子のないナイスバディ美女はオレとウサギになった麻里を見てニコニコ笑っていた。

鬼龍院サセ子探偵事務所 (17) につづく
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