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== 交渉人涼子2 ==

交渉人涼子2 4話 スーパー立て籠もり事件(6)

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交渉人涼子2 目次

交渉人涼子2 4話 スーパー立て籠もり事件
(6)円満解決

「そういうわけにはいかないわ」
また、この娘は、…。
よけいな口を出す愛に、涼子が渋い顔をしていると
「ふたりで監禁ごっこしてたら、周りが勝手に騒いで大ごとになっただけですよね」
お気楽ミニスカポリスは勝手に話を作っていた。

「そうです、ふたりでふざけてただけだったのに…」
女性も愛のデマカセに乗っかって、涼子に強く迫っていた。

「そうですよ、涼子さん、オレもふたりはふざけているように見えました」
山田もふたりを引き裂くようなマネはしたくないのか、珍しく涼子にたてつく。

「わかったわ、なんとかします…」
あ~あ、大変だわ…、でも、犯罪者を作るのが、仕事じゃないしね、…。
女性の熱意に負けた涼子は、関係各所を説得する大変さを思って小さくため息をつき、笑っていた。

「良かったね、幸せになってね」
横紙破りな意見を了解してくれた涼子に嬉しそうに抱きついた愛が、女性にニッコリ笑う。

そうか…、コイツは、お色気担当ね…。
関係部署の説得に愛をお色気担当で利用しようと思いついた涼子は、小悪魔な笑顔で脳天気に笑う愛を見下ろしていた。
「なんですか?」
涼子の珍しい表情を見た愛はその意味がわからなかったが、一緒になって笑っていた。


準キャリアで警察上層部とコネがあるというウワサの女刑事のゴリ押しで、取り調べは涼子に任された。

逮捕された男は、就職したばかりの会社が不運にも倒産して、数年間フリーターとして生活していていたが、将来を悲観して死のうとしたそうだ。

しかしひとりで死ぬのは寂しいので、普段通っていたこのスーパーの、密かに想いを寄せるレジ係と無理心中をたくらんで、今回の立て籠もり事件を起こした。

あのとき涼子が飛びかからなかったら、男は女性を刺してその後自殺しようとしていたと、取り調べで吐露した。


「プレイの設定はわかったから、もういいわ…、ホントはあの女性と遊んでたんでしょ、ウラは取れてるのよ」
山田とふたりで犯人の調書を取った涼子は、愛のデタラメを事実として犯人に念押しする。
「へ…、あの…」
犯罪事実を隠蔽しようとする女刑事に男は戸惑っていたが
「彼女が待ってるわ、幸せになりなさい」
彼女が気持ちを受け入れてくれたことを伝えると、男は机に突っ伏して大声を上げて泣いた。


「もう変な気を起こしちゃダメよ」
涼子は男に二度と死のうなどと考えないように、しつこいくらい説教して釈放した。
「小さな町工場だけど、雇ってくれるわ」
そして以前ある事件で関わったことのある社長にお願いして、男に勤め先を紹介した。


「ハデで恥ずかしいけど、似合うかな…」
釈放されて警察署を出る男を、涼子から連絡を受けたレジ係の女性が、黄色いワンピースを着て待っていた。

「良かったですね…」
窓からふたりの様子を見ていた山田が、感極まったように目を潤ませてキスを迫ってきたので、
「調子に乗るなっ」
「げっ…」
涼子は当然のように回し蹴りを喰らわせてなぎ倒した。床に転がった山田はそれでも幸せそうに笑っていた。


スーパー立て籠もり犯を不起訴で釈放した涼子は、署長やスーパーの店長など関係各所に説明で駆け回ったが、涼子の指示でいつもよりさらに短い超マイクロミニをはいた愛が、嬉しそうに同行していた。

交渉人涼子2 4話 スーパー立て籠もり事件 終わり
交渉人涼子2 5話(1) につづく
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