ろま中男3 作品リスト交渉人涼子2 目次交渉人涼子2 3話 劇場立て籠もり事件
(10)事件解決
「あなたも、早く服を着なさい」
泣きじゃくる莉菜の背中を優しくさする涼子は、部屋の隅でYシャツ一枚のしどけない姿でだらしなく足を広げたままの愛に声をかけた。
「へ…、あ、は、はい…、いやん、エッチ…」
涼子の声に放心した顔を上げた愛は我に返ってはしたなくおっぴろげた足を閉じると、ひとりでイッてしまった恥ずかしさに照れ笑いしながら、いつもの軽口を漏らした。
「莉菜ちゃん、子供の名前は莉依子にしてね」
山田に促されてダランと下がった息子をしまった立て籠もり犯斉藤は、ナカ出しした莉菜にすがるような視線を向ける。
「愛、彼女を連れて行って、すぐに病院に連れて行くのよ」
斉藤に冷たい一瞥をくれた涼子は、すがりつく莉菜を引きはがして愛に指示する。
「莉菜ちゃん、オレ、莉菜ちゃんのこと、絶対忘れないから」
毛布にくるまれて楽屋を出て行く莉菜に、斉藤はなおも追いすがるように声をかける。
「オマエ、自分の立場がわかってないな」
山田とまな板ショーまでさせられた涼子は、卑劣な強姦魔に沸々と怒りが湧き上がってきてスパルタンな艶姿で斉藤の前に立ちはだかる。
「なんだよ、エロ女刑事…、コイツのマラ咥え込んで、ヒーヒー言ってたな」
涼子の冷たい視線に気圧された斉藤だったが、強がって悪態をつく。
「山田、ドアを閉めろ」
怒りで美しい顔をこわばらせた涼子の指示に、山田が慌ててドアを閉めると
「な、何する気だっ」
怯えた表情で後ずさる斉藤の股間に、涼子のワイドトップスーパーロングブーツの足先が振り下ろされた。
「やめっ、ぐえうっ…」
口から泡を吹いてうずくまり股間を押さえて苦悶する斉藤に、山田は男にしかわからない激痛地獄を想像すると、身震いして股間を両手で押さえていた。
「連れて行け」
激痛にもだえる斉藤に全く同情を感じない涼子は、制服警官を呼んで連れて行かせた。
「いやあ、ご苦労様でした」
警官隊が引き上げてようやく落ち着いた頃、ストリップ劇場の支配人が手もみしながら涼子にすり寄ってきた。
「いえ、なにか?」
支配人の不気味な笑いに涼子が怪訝そうな表情を見せると、山田が間に入って背中で涼子をかばい威嚇する。
「いえ、あのですね…、見させて貰いました、素晴らしいです、ウチで働きませんか」
山田の肩越しに涼子に愛想笑いを浮かべる支配人は、こともあろうにストリッパーとして涼子をスカウトしようとしていた。
「ええっ、どうしよっかなあ…、でもお~、愛はあ、生涯警察官ですから」
いつの間にか話に加わっていた愛が黄色いくちばしをツッコンで、モジモジしながらまんざらでもなさそうに応える。
「ダメですよ、何言ってるんですか」
愛に調子を外された山田だったが、支配人をにらみつけて威嚇した。しかし脳裏に舞台の上で脱衣しながら、あやしい視線を送る涼子が踊る姿を浮かべて、股間を膨らませていた。
「愛…、私たちに遠慮しなくて、いいんだぞ、キミならすぐにナンバー1になれるぞ」
股間をチラ見して山田の考えていることを見透かしたように冷笑した涼子は、浮ついた愛を突き放すように声をかけた。
「いやんっ、冗談ですよっ、涼子さん、愛は、生涯一警官ですからっ」
涼子の冷たい態度に少しは反省したようで、愛は涼子にすり寄ってお尻を揺らし、ナマ足をすり合わせてミニスカのスソを波立たせていた。
「そうですよ、これからもこの3人で頑張りましょう」
冷たくあしらわれる愛に同情したのか、山田も愛に同調していた。
「そう…、じゃあ、どっかでお昼ごはん、食べてく?」
愛に味方する山田にちょっとヤキモチを焼いた涼子だったが、大人の態度で切り返すことにした。なおも取りすがろうとする支配人を無視して、涼子はプライベートモードになって山田にカワイイ笑顔を見せた。
「そうですね、ちょうどお昼だし」
「愛、おいしいお店、知ってますよ」
涼子の笑顔にだらしなく顔を緩めた山田はうれしそうに応え、愛も楽しそうに涼子の腕に抱きついていた。
犯人の斉藤は監禁、強姦の罪で懲役5年を喰らった。豆ドロボウは刑務所でもっとも軽蔑される犯罪であり、服役者たちの最下位に置かれた斉藤は同室の受刑者たちに性のはけ口にされて毎晩犯され、出所する頃には立派なオカマになって莉菜のことなど全く忘れていた。
交渉人涼子2 3話 劇場立て籠もり事件 終わり
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