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エロがきコナン (133)事なかれ主義

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エロがきコナン (133)事なかれ主義

「そうか、ありがとう、コナン君…、これで大山先生のしたことは、明白ですね」
オレの証言を得て満足そうなハゲヅラ校長は、変態体育教師の処分を決める会議の締めにかかっていた。

「きゃっ、やっ、やだあっ」
突然、絹を引き裂くというには多少疲れた黄色い悲鳴が響く。

グルグル巻きの大山を、悲鳴を上げたおばさん先生はケダモノに怯えるような、しかし好色な好奇心の混じった目で見ていた。

「うがっ?…、ぐへへっ」
オレに弄ばれてムダに色気を垂れ流すハルカに見とれて、懲りずに劣情を昂ぶらせた変態体育教師は、幾重にも巻かれたロープのスキマからご自慢の分身をそそり立たせていた。

「調子に乗んなっ、この、ど変態っ」
ハルカのカラダから飛び降りたオレは、ロープに巻かれたイモムシの股間を思いっきり蹴飛ばしてやった。

「ぐげっ、げぶふっ…、ぐ…、ええ…」
エースストライカーのキックをまともに食らった変態ゴリラは、もういちどガマガエルがひき殺されるようなうめき声を上げて静かになった。

「まあまあ…、コナン君…」
小学生の暴力行為をあっさり見逃したハゲヅラ校長は、能面のような笑顔だった。

「じゃあ、証拠の品も揃っていることですし、大山先生は、懲戒解雇ということで…」
面倒ゴトは早く片付けたい事なかれ主義管理職は、せいせいしたと言わんばかりの声で変態盗撮教師の処分を決める。

「ちょっと、まってよ、乱子ネエちゃん、入院したんだよっ」
おいっ、乱子はコイツに殴られたんだぞ、傷害罪で警察に突き出すのが、スジだろうがっ、…。

学校の体面を考えてだろうが、警察沙汰にはしないで事件をもみ消そうとする校長に、オレは猛然と食ってかかる。

「コナン君…」
大人の事情で納めようとする会議に出しゃばるオレを、エロボケからまだ完全復活してないハルカはちょっと甘えた声で掣肘する。

「ん?…、なにかな、コナン君?」
不機嫌そうな一瞥をくれるハゲヅラの低い声がする。

「生徒のイヤらしいビデオを撮っていた盗撮犯を、乱子を殴った犯人をっ…、警察に突き出すこともなく、ただ辞めさせるのかっ」
そんなこと、許すもんかっ、こんなヤツ、刑務所にブチ込んでやるっ、…。

オレはハゲヅラの冷たい視線を堂々と見返して言ってやった。

「綾瀬先生、この初等部の児童に、ちゃんと言い聞かせてやりなさい」
コトが明るみに出たら、学校の体面もそうだが自分の管理責任にまで影響が及ぶことを恐れるハゲヅラは、下っ端教師にオレを言いくるめるように命令する。

「待て、このハゲッ」
不機嫌そうに会議室から出て行こうとする校長にオレは怒鳴った。

「はっ、げ?…、ぐぬう…、綾瀬先生…、頼んだよ」
ハゲヅラから湯気を上げて真っ赤な顔でにらんできた校長だったが、なんとか怒りを収めるとまたハルカに目配せして出て行った。

「コナン君…、お願い、ガマンして…」
興奮して追いかけようとするオレをハルカが抱きしめる。

「なっ…、くっ…」
柔らかいやさしさのこもった手に抱かれたオレは、潤んだ目で見つめてくるハルカに、怒りをこらえるしかなかった。

「げへ…、ぐへえ…」
さっきオレに成敗された変態大山の、猿轡された口からイヤらしい笑い声がした。変態体育教師は学校の体面を気にする校長が大事(おおごと)にしないと、高をくくっていたのだとわかった。

…、そんなの絶対、許さないからな、…。
大山の処分は懲戒解雇に決まったが、オレは絶対にそれだけじゃ済まさないと心に誓って、卑下たムカツク笑いを浮かべる変態ゴリラをにらみつけていた。

エロがきコナン (134)につづく
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