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エロがきコナン (123)つかの間の別れ

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エロがきコナン (123)つかの間の別れ

「毛利さん、起きて…」

うう…、オッパイ?…、なんだ?…。
ハルカの声に起こされた。目の前に乱子のデカパイがあった。寝ぼけたオレは子猫のように指を当ててプニプニして、柔らかい気持ちいい感触にニンマリしていたらしい。

「あ…、はい…」
オレのフィンガーテクでか、それともハルカの声でなのかはわからないが、乱子も目を覚まして頭の上でぼんやりした声を漏らす。

オレに抱きついて泣きじゃくっていた乱子は、泣き疲れて寝てしまったらしい。オレも乱子に抱きついたままいつの間にか寝ていた。

そんなオレたちを黙って見守っていたハルカは、エロナースから次の検査に来るように告げられてしかたなく乱子を起こした。

「コナン君、一緒に…」
着乱れた入院着を直した乱子はベッドから降りると、オレに手を差し出す。オレは思いつめたような乱子の顔を見つめて手を握った。

「当院はマンモグラフイ検診精度管理中央委員会認定医院ですから、安心してください」
不安そうなオレたちを慰めるつもりか、さっき途中で引きはがされたエロナースがすました顔にかすかに笑みを浮かべていた。

何言ってるか、わかんねえよ…。
要するに公的機関に認定されてるから安心しろということらしいが、不安そうな乱子の気持ちに同調していたオレに、そんな上っ面な情報は全然入ってこなかった。

看護師に連れて行かれたの場所は入り口に「放射線管理区域」と書かれていて、オレとハルカは外で待たされた。

乱子…、いくな…。
名残惜しそうに手を離した乱子がまるで刑場に連れて行かれる罪人のように見えて、オレは小学生のガキモロ出しで恥ずかしかったが、涙が出そうになるのを懸命にこらえていた。

あとから聞いた話だが、マンモグラフィー検査ではオッパイを平たく押しつぶされて4枚もレントゲン撮影されたそうだ。オッパイをぞんざいに扱われた乱子はずいぶん痛い思いをしたようだが、乳ガンの不安でそれどころじゃなかったらしい。

しばらくして青い顔をした乱子が出てきた。
「どうしたっ、大丈夫か」
変なコト、されたのかっ、…。
不安な気持ちで待っていたオレは、思わず乱子の手をギュッと握っていた。
「…、大丈夫、ありがと、コナン君」
思いあまった強いグリップに顔をしかめた乱子は、しかしすぐに笑みを浮かべて潤んだ目で優しくオレを見つめた。

「コナン君…」
病室に戻るとハルカが申し訳なさそうに声をかけた。
「何?…、せんせい…」
ベッドに寝る乱子の手を握ったまま振り返ると
「申し訳ないんだけど…、これから学校に戻って欲しいの」
乱子とオレを引きはがす役目がつらそうなハルカは、こわばった表情にかろうじて笑顔を作っていた。

「やだよっ、乱子…、ネエちゃんと、一緒にいたいっ」
なんだよ…、そんな顔しても、ダメだっ…、乱子を置いていけるワケ、ないだろっ、…。
罪悪感を帯びたハルカの表情に心の弱い部分をチクリとされた気がしたが、大人に引けを取らない超小学生級妄想力を自負するオレは、小学生のようなワガママを言い張った。

「そうよね…、でも大山先生のことで、先生方が、話を聞きたいって…、毛利さんは、須々木さんが看ててくれるから…」
子供っぽいオレの剣幕にハルカは困った顔で、申し訳なさそうに途切れ途切れのセリフを続けた。

「…、コナン君、行って…、私、待ってるから、ね…」
ギュッと手を握られたオレが振り返ると、潤んだ目で見つめる乱子がかすかな笑みを浮かべる。そんな頼りなげな表情を見せる乱子がいとおしくてかわいくて、オレはしばらくぼんやりと見つめていた。

「ね…、お願い、コナン君…」
オレと乱子を引きはがす役目がつらそうなハルカの声が背中でした。
「コナン君、私は、大丈夫だから…」
そんなハルカがかわいそうに思った乱子は、ムリに笑顔を作るとオレの手を離した。

「…、わかったよ…、いこ、先生…」
あ…、そうかよ…、わかったよ、…。
乱子から手を離されると思ってなかったオレは、軽くショックを受けたがムリに強がっていた。

「すぐに帰ってくるから、待っててよ、乱子ネエちゃん」
ちくしょう…、バカ乱子…。
子供っぽい態度でプイとそっぽを向いたオレは、乱子の顔を見たら泣き出してしまいそうで、捨てゼリフまがいの文句を吐き捨てるように言った。

病室を出ようとハルカの手を引くと
コナン君、待ってるから、…。
乱子の声が聞こえた気がして振り返った。ベッドから体を起こした乱子がニッコリ笑っていた。優しい笑みで細めた目のハシから涙が一粒こぼれるのが見えた。

う…、乱子…、だ、だめだ…。
そんな乱子にいとおしさがこみ上げて、駆け寄って抱きしめてやりたかった。でもそうしたら子供っぽく泣きじゃくってしまいそうで、オレは後ろ髪引かれる思いを振り切って病室を出た。

つらそうにオレたちを見ていたハルカの手を引っ張って、オレはずんずん歩いた。

エロがきコナン (124)につづく
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