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エロがきコナン (115)生きてるっ

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エロがきコナン (115)生きてるっ

「コナン君、気をつけてね」
変な妄想にまみれて妖しい視線を送ってくるハルカとちがって、乱子はホントに心配そうにオレを見つめていた。

「大丈夫、心配無いよ、乱子ネエちゃん」
乱子め、そんなにオレが心配か…、カワイイヤツめ、…。
マットとヒモで変態体育教師をほとんどす巻きにして、オレが乱子のカワイイ顔を見上げたそのときだった。

「うがあっ、がうおおっ」
突然目を覚ました大山が暴れ出した。ヤサ男の江崎はあっさりはね飛ばされて、怒りのオーラをまとった筋肉のかたまりがオレに襲いかかってくる。

「コナン君、危ないっ」
大山のハンマーのようなゲンコツが迫ってきた瞬間、とっさに乱子がオレをかばって変態筋肉教師になぎ倒された。

「ばっ、何すんだっ、この野郎っ」
床に横たわる乱子を横目に見て、オレは大山の股間に入り込むと思いっきりジャンプした。
「げ…、ぐええ…」
頭にグンニャリした感触が押しつぶされる感じがして、ヒキガエルがひねり潰されたような断末魔のうめき声を上げた大山がオレの後ろに地響きをたてて倒れる。

「江崎、なにやってんだ、早く押さえろっ、乱子、大丈夫かっ」
だらしなく尻もちをついた江崎を怒鳴りつけると、乱子に駆け寄ったオレはグッタリするカラダを抱き上げた。

「コナン、君…、よ、かった…」
かすかに目を開けた乱子が、弱々しく笑顔を作ってオレを見つめる。しかしその目はすぐに閉じられて、乱子はオレの腕の中でグッタリした。

「乱子っ、しっかりしろっ、ハルカ、救急車だっ」
オレがいくら呼んでも不自然なくらい首を曲げて寄りかかる乱子は目を覚まさない。横でオロオロするハルカに叫ぶと、
「あ、ケータイが、ケータイっ」
ケータイを探してまた慌てる。

「コレ、つかえっ、乱子っ、らんこおっ、…」
オレはケータイをハルカに投げつけると、乱子の目が二度と開かなくなるような恐怖に襲われて叫んでいた。静かに目を閉じた乱子の顔にポタポタと涙が落ちて、オレは自分が泣いていることに気付いた。

「コナン君っ、救急車、呼んだから、すぐ来てくれるって、校門まで連れて行きましょう」
119番をして話しているうちに落ち着いたのか、ハルカがしっかりした声でオレを促す。

「コナン君、さあっ」
大山をもう一度す巻きにした江崎もオレを促すと、乱子を持ちあげようとする。

「オレの乱子に触るなっ」
乱子の足をつかんだ江崎の手を見たオレは、反射的に叫んでいた。

「コナン君、落ち着いて…、コナン君一人じゃ、運べないでしょ」
オレの剣幕に驚いて江崎が慌てて手を離す。ハルカがオレの顔をのぞき込んでジット見つめる。

「あ、うん…、ごめん…」
ハルカの真剣な目に少し冷静になったオレは江崎に軽く頭を下げた。

「じゃあ、運ぼう、綾瀬先生、こっちお願いします」
頷いた江崎が下半身を支えるとハルカは反対側から支えた。オレは乱子を抱きしめたまま立ち上がると、歯を食いしばって体育準備室の外に向かった。

聞こえる…、生きてる…。
乱子の胴体を抱えて歩くオレは、トクントクンと胸の音が聞こえてきて、静かに目を閉じた乱子を見つめた。冷静に考えれば脳震盪を起こして意識を無くしたことぐらいすぐにわかったはずだが、その時のオレは乱子がいなくなりそうで恐くて完全に取り乱していた。

「生きてるっ、生きてるよ、よかった」
オレはマヌケにもそんなセリフを吐いて、涙に濡れたみっともない顔をハルカに向けていた。

「うん、毛利さんはきっと大丈夫、コナン君、心配無いから」
タヌキ顔に優しい笑顔を浮かべたハルカがその時はとても心強く見えた。みっともない泣き顔を見られた恥ずかしさで振り返った向こうに校門が見えて、遠くから救急車のサイレンが聞こえていた。

エロがきコナン (116)につづく
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