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== 真央 ==

真央 (61)夢?

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真央 (61)夢?

「ああっ…、はっ、あっ、はあっ…、え…」
真央は悲鳴に近い声を上げて目を覚ました。息を荒くして肩を揺らす真央は大きな目をさらに見開いて周りを見渡す。そこは見慣れた自分のアパートだった。

寝起きでまだ頭がぼんやりした真央はゆっくり体を起こすと、柔らかく盛り上がった胸に汗ばんだキャミが張り付いているのを見た。遠くにセミしぐれが聞こえる。ジットリする熱気がカラダに絡みついて全身から汗が噴き出しているような気がする。

ベッドから起き上がって汗に濡れたキャミを頭から脱ぎ去った真央はパンティも脱ぐと、けだるそうにユニットバスに入ってシャワーを浴びる。冷たいシャワーのシブキが若い真央の体に跳ね返る。徐々にぼんやりした頭がスッキリしてくる。

「やっ…、あ…、やっ、どうして?…」
胸の先端に触れた真央は体がうずいてのけぞると、シャワーを顔で受けながらそれまでのことを全部思いだした。数々の陵辱が鮮明に蘇ってカラダの芯が熱くなって足がガクガク震えてくる。

「私…、やだ、助けて…」
立っていられなくなった真央はその場にしゃがみ込むと泣き出した。シャワーに打たれながら真央は切ないすすり泣きで肩を揺らしていた。

「…、はあ…」
ひとしきり泣いた真央はゆっくり立ち上がると、カランを回してシャワーをとめた。全身から水の滴を垂らした真央は、おそるおそる股間に手を入れて触れてみる。あそこに指の腹をすりつけてからゆっくりと手をあげてみる。指先が血にまみれているのを想像していた真央は、何もないことに小さくため息をついた。

それからカラダの水気を拭き取った真央は、ハダカのままベッドの倒れ込むとにすぐに寝てしまった。

「あ…、はあ…、もう、こんな時間」
目を覚ました真央はあたりが真っ暗なのを、カーテンのスキマから差し込む月明かりで気付いた。また沢村たちにされたことが頭に蘇ってくるが、ぐっすり寝て疲れが取れたためか今度は夢のように感じていた。

「夢だったのかな…」
左手の薬指を見た真央はつぶやいていた。沢村がくれたはずのリングは無かった。
「服、着なきゃ」
ハダカの自分に気付いた真央は照れ隠しのつもりか声に出してつぶやくと、チェストから下着を取りだして急いで身につけた。ランパンとTシャツを着た真央は、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと、一気に半分ほど飲み干した。

「あ…」
唇からあふれた水がアゴを伝って首筋から胸に流れた。その冷たい感覚が沢村の優しい笑顔を思い出させた。体の芯が熱くなる。

「はあ…」
しばらくその場に立ち尽くしていた真央は、自分に言い聞かせるようにため息をつくと、ペットボトルのキャップを閉めると冷蔵庫にしまって、またベッドに潜り込んで寝てしまった。

次の朝目覚めた真央は、何事もなかったように大学に行った。

真央 (62)につづく
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