ろま中男3 作品リスト真央 目次真央 (55)幸せな抱擁
「でも真央ちゃんはジュリア・ロバーツより、オードリー・ヘプバーンのイメージだね」
ふざける真央に下半身を元気にさせる沢村はそんなことはおくびにも出さずに、真央がカラダの奥にひそむ気持ちを解放しようするのを知ってか知らずか、爽やかな笑顔で続けた。
「…、スクリーンの妖精?…、ほめすぎよ」
上機嫌を通り越し悪ノリして足先のイタズラを続ける真央は、大きくあいた胸を強調して持ちあげるように腕を組むと、自画自賛気味なセリフをつぶやいてニコニコ笑っていた。
「ちょっと、強気なところとかね」
沢村は優しい笑顔を崩さずに絶妙のタイミングでツッコミを入れる。またはぐらかされた真央は、ちょっとカチンときて足先に力を込めた。
「うっ…、そうだね…、スクリーンの妖精だ…」
急所責めにひるんだ沢村は珍しく表情をくずして、お追従を口走る。
「そう、うふふっ」
無理強いしたお世辞にも満足に笑う真央は、唇のハシに淫靡な笑いを漂わせてワイングラスを一気に飲み干した。
「ホントに黒いのね、初めて見た」
食事を終えてチェックでウェイターを呼んだ沢村がアメックスのブラックカードを出す。
ブランドメゾンでは目がくらむような高価なドレスやアクセに気を取られて、会計する所など見てなかった真央は、最低でも資産1億以上と言われる最上位グレードの黒光りするカードをはじめて見て、改めて沢村の王子様ぶりを見せつけられた気がして、ツヤツヤポッテリの色っぽい唇から溜息を漏らした。
「そうかい、じゃあ行こうか」
真央の感嘆ぶりを意に介さない沢村は、真央の後ろでイスを引くウェイターに合わせるように声をかける。
フレンチを出た真央はハイヒールの足取りを危うくして、沢村に寄りかかっていた。コートドレスから着替えたカクテルドレスの大きく開いた胸元からあふれそうな胸が、沢村の腕に押しつけられてやわらかく扁平する。
「酔ったかしら、うふふ」
アルコールの力を借りて大胆になった真央は、妖しい光沢にぬめるボディコンシャスなドレスを揺らして沢村の劣情を誘う。
「じゃあ、休んでいく?」
磨き上げられた女体から立ち上るフェロモンにむせそうな沢村は苦笑すると、手首をつかんでホテルに入った。フロントですぐにチェックインした沢村は、酔っぱらい気味の真央のカラダを抱き抱えるようにしていてエレベーターにむかう。
「手慣れてるのね」
二人きりの空間で沢村の着やせする胸に寄りかかる真央は、キスをせがむようにあごを突き出して妖しく笑う。
「こんなキレイな人を目の前にして、手を出さない方が失礼でしょ」
しなやかな曲線を見せる腰を優しく抱いた沢村は、真央の期待通り唇を奪う。
はあっ、きもちいい…、しあわせ、…。
唇が触れあい舌が絡み合う官能的な刺激に、真央は天にも昇る気持ちでがっちりした背中に手を回して、その感触を楽しむようにまさぐっていた。
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