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真央 (51)嵐の後の静寂

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真央 (51)嵐の後の静寂

「うあっ…、いやあっ、やめてえっ…、え…」
ホームレスのレゲエ集団に弄ばれるおぞましさにうなされた真央が、自分の悲鳴で目を覚ますとそこはキングサイズの豪華なベッドの上だった。間接照明がシルクのローブを羽織った真央の体を優しく照らしていた。まぶしい光を放つ高級そうな調度品が飾られた部屋に真央はいた。

え…、ここ、どこ?…、くさい、おじさんたちは?…。
ベッドの上で上体を起こした真央は、見慣れない風景にしばらくぼんやりしていた。

「起きた?…、大変だったね」
聞き覚えのある落ち着いた声に真央が顔を向けると、沢村がソファにくつろいだ様子で座っていた。
「何か、飲む?」
外連味のあるゆっくりした動作で立ち上がった沢村は、高級そうなキャビネットを開けてこれまた高級そうな酒を取り出すと、グラスに注いで真央に前に持ってきた。

「…、ごくっ…、うっ、けほっ、けほっ」
警戒しながら受け取った真央だったが、沢村の向ける優しいまなざしに気を取られて、うかつにも一気にそれをノドに流し込んだ。きついアルコールにむせた真央が激しく背中を上下させる。
「大丈夫?…、こっちのほうがよかったね」
むせる真央を見おろす沢村は、あいかわらず抑揚のない声でミネラルウォーターのペットボトルを差し出した。

「…、こくっ…、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ…、は、はあっ…」
ペットボトルのヘリに唇をつけた真央は、今度は慎重に口に含むと普通の水であることを確認して、一気に半分ほど飲み干した。唇のハシから溢れた滴がアゴを伝ってノドに垂れ、胸の谷間に入り込む。その冷たさに真央はビクッとふるえる。

「あわてなくても、大丈夫だから」
すました笑顔が気安い笑いに変わった。真央はなんだかバカにされたような気がして不満そうに見返したが、
「やだっ…、もう、やめてえ…」
滴の垂れた胸元に目線を下げて、スケスケの衣装を突き上げるツンと立ったピンクの乳首を見ると、ほとんど裸体をさらしているコトに気付いて、あわてて両手でカラダを隠し、怯えた様子で可憐なか弱い声を漏らす。

「もう、心配しなくて、大丈夫だから…、安心して」
ふるえる真央を沢村は優しく抱きしめると、耳元でささやくようにつぶやいた。
え…、やだ、胸が、ドキドキ、してる、…。
沢村のジェントルな態度に真央は何も言えずにうつむいていた。シャツ一枚隔てた沢村の体温が暖かく伝わってきて、少女のように胸をときめかせた真央は、同時に女座りしてムッチリした太ももを合わせた根本の中心部を熱くしていた。

「真央ちゃん、ご苦労様…」
真央の髪を優しくなでる沢村の声が真央の耳にエコーのように響く。
「やっ、やめてっ」
あ…、あの人たちの…、汚れてる…、汚い、触らないで、…。
垢にまみれたレゲエオジサンたちの手で弄ばれた真央は、髪にその臭いが染み付いている気がして、そんな惨めな自分を触られたくなくて、思わず沢村の手を払いのけていた。

「おちついて…、ホントに大丈夫だから…、悪いと思ったけど、寝てる間にキレイにしたから」
真央の涙がにじんだ目を見て、顔から笑いの消えた沢村は翳りある端正な横顔を見せていた。

キレイにした?…、どういうこと?…、なんか、お肌がキレイ?…。
沢村の二枚目ぶりに見とれた自分に気付いてあわてて目をそらしてうつむいた真央は、スケスケの衣装を押さえる手がキレイにネイルケアされて、お風呂上がりのように肌がツヤツヤしているのにやっと気付いた。

真央 (52)につづく
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