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真央 (20)昇華されない想い

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真央 (20)昇華されない想い

真央は駅に向かって歩いていた。沢村という男に目覚めさせられた女としてのカラダが騒いでしょうがないが、どうにも出来ないもどかしさで表情が険しくなる。かと思えば昨日までの人生で身につけてきた常識ではあり得ない、とんでもない事態に巻き込まれた自分の運命に急に落ち込んで、足取りが重くなる。

ふとカバンからケータイ出して見るとまだ7時台だった。真央はレーストップストッキングの脚線美をなでる朝の風がひんやりしていることに気付いた。朝のすがすがしい空気の中で立ち止まって、さっきまでのことを改めて考える余裕の出来た真央は、我が身に降りかかってきた非日常を思い返していた。

あそこにいたのはせいぜい2~3時間ぐらいのはずだ。だとしたらアパートで寝てる間に連れ去られたのかもしれない。それなら連れ去れた時の記憶が無いのも納得できる。しかしそれなら自分が連れ去られるときに、カバンも一緒に持ち出されたことになる。

そもそも昨日アパートに帰った記憶さえない。自分がいつごろ連れ去られたのか、確信は全くない。わからない答えに悩むことほどムダなことはないので、それについて考えるのはやめた。

ケータイの電池が減っていたので、あそこは電波が届かないのかもしれないと思った。ケータイが圏外だと普段より電池が消耗しやすいと聞いたことがある。電波を遮断する大がかりな仕掛けがあるのだとしたら、また大変な散財だと思った。しかしレストランなどでは簡単な装置で、ケータイが鳴らないようにする仕組みがあるらしいので、あるいはそうなのかも知れないとも思う。

ケータイを見られたとは思わなかった。自分が連れ去られる前にかなりのことを調べていたようだし、ケータイから得られる情報などとっくに調査済みだろう。性的虐待は受けたが、それをのぞけば沢村は常に紳士的だった。ケータイをのぞき見るような姑息なマネをするように思えなかったし、見たなら見たと言ってくれるはずだと思った。

考えてもみても詮無いことで沢村たちの正体は見当つきそうにない。自然あの激しい交わりが脳裏に浮かんでくる。もうだいぶ慣れたがハイヒールを履いた足の緊張が、湿り気を帯びたあそこを締め付けているのを意識する。思わず手をそこに伸ばしそうになったが、通行人に欲情する自分を見られる恥ずかしさを意識してとどめた。

しかし次々と沢村にされたことが頭に浮かんでくる。ムリヤリ犯されたときの激痛が蘇って、湿り気のない粘膜がムリヤリ広げられる感覚に襲われて気が遠くなりそうになる。キレイな脚線美を見せるレーストップストッキングの足を大きく広げて、両手で自分を抱きしめるようにして真央はなんとか自分を保っていた。

「あ、んっ…」
広げた太ももの根本をひんやりした風が通り過ぎる。湿った高級ランジェリーを気化熱で冷やされて思わず声が出た。沢村の手で乱暴に腰をつかまれた感触が蘇ってきて、背筋がゾクゾクする。無意識におしりを突き出した真央はまるで後ろから犯されるのを待っているように見えた。

「は、あ、あん…」
淫靡な妄想の世界に入り込んだ真央は、もう通行人の視線など気にしてなかった。粘膜を引き裂かれるような乱暴な挿入に苦悶した激痛が、いつの間にか痛み混じりの快感に変わってくる。胸が熱くときめいて息が荒くなってくる。妄想で沢村に犯される真央は官能の悦びで崩れ落ちそうな女体をなんとか保ち、危うげなハイヒールの足を緊張させてかろうじて自分を立たせていた。

「はあっ…、あ、だめ…」
沢村に後ろから抱きつかれて激しく揺さぶられる我が身を想像する真央は、背筋を反らせた悩ましげな姿を通行人にさらしていた。道行く人がチラチラと視線を向けてくるのにやっと気付いた真央は、かろうじて妖しげな妄想を打ち消すと居ずまいを正して駅に向かって歩き出したが、火照った女体から漂い出すフェロモンは、すれ違うサラリーマンのおじさんたちを振り向かせていた。

真央 (21)につづく
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