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== 女子校生由貴 ==

女子校生由貴 (153) 落ち込む由貴

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女子校生由貴 (153) 落ち込む由貴

「…」
タダシは目に涙を溜めた由貴をチラ見したが無視して席に座った。悲しそうな顔になんだか心が痛んだが、涙の理由が分からないので
由貴は時々ワケがわからなくなる、…。
と思って忘れることにした。

ケータイいけなくなった ひとりで行ってこい
タダシはノートの切れ端に走り書きすると由貴のミニスカのポケットにねじ込んだ。こっそりメモを渡された由貴は、うれしさで飛び上がりそうになったが、内容を見て地の底まで落ち込んでいた。激しく乱高下する由貴の気持ちを知ってか知らずか、タダシは知らん顔して廊下を見ていた。

「…あれ、フラれたの?」
落ち込んで身動きしない由貴のメモをのぞき込んだ優が声をかけると
「(…、優ちゃん、声が大きい)」
優の声に我に返った由貴は焦ってメモをポケットにしまうと、指を唇に当てて優を咎めるように見た。

「あっ、ゴメン、忘れてた…、(…フラれた私に、つけ込む誰かを、今日は…♪)」
由貴の慌てように優は悪びれることなく楽しそうに笑いながら、今朝の歌を小さな声で口ずさんでいた。
「…もう、優ちゃん、キライ」
歌いながら笑う優にブー垂れた由貴は、タダシの浮気疑惑を気持ちの底にかかえて本当に不機嫌になっていた。

「そんなに落ち込まないでよ…、帰り、おごってあげるから、ね」
不機嫌そうな顔を見せる由貴に、優はまだ笑って慰めていた。
「…、ホント?、…由貴、アイス食べたい」
顔を上げた由貴はまだ気持ちは晴れなかったが気を遣ってくれる優に申し訳ない気がして、ムリヤリ笑顔を作った。
「もう、現金なんだから、…でも、そこがカワイイのかも」
そのぎこちない笑顔を見た優は、由貴の機嫌が直ったと思ってうれしそうに笑っていた。

タダシは二人がじゃれ合うのをぼんやり見ていたが、妄想でエリをマッパにひん剥いてさんざんいたぶってニヤけていた。それからすぐチャイムが鳴って、6時間目の授業が始まった。

ご主人様の、イジワル、…。
授業に集中しようとする由貴だったが、エリや優、美人上級生とイヤらしいコトをするタダシが頭の中でグルグルして、頭から黒い煙が出そうだった。
元気出せよ
ノートの切れ端を見た由貴は、顔を伏せた優が笑ってこっちを見ているのに気がついて、愛想笑いを返したが目を反らすと
ご主人様と、したの?
優がカワイイ顔を苦悶にゆがめてやせたカラダを切なげにもだえさせ、タダシに蹂躙されるエッチな情景を頭に浮かべてまた悶々としていた。

「由貴ちゃん、帰ろっ」
ずっと重苦しい気持ちをかかえた由貴に、優が明るく声をかけてきた。
「うん…」
由貴のことなど眼中にないようにさっさと席を立って、教室を出て行くタダシを視界のハシに見ながら由貴は生返事をした。
「…、さあっ、帰ろうよ」
元気のない由貴を元気づけようと、優は明るく笑っていた。

「…ゴメン、トイレ行っていい?」
帰る前にタンポンを替えようとして、由貴が恥ずかしそうにつぶやくと
「じゃあ、わたしも」
優が陽気に応えた。由貴が巾着袋を手にすると
「(生理だったっけ?)」
優はまだ残っている男子生徒からそれを隠すように、由貴に寄り添って小さくつぶやいた。
「…、うん」
由貴はうつむいて応えた。はにかむように顔を伏せた由貴の横顔を優はカワイイと思った。

「行こっ」
不機嫌なのは、生理痛だからだったんだ、…。
常に明るい笑顔を見せていた優だったが、由貴のぎこちない態度をなんとなくおかしいと思っていた。優は不機嫌の理由がわかったつもりになって優しい気持ちで背中に手を回し、由貴をいたわるようにして廊下を歩いた。

女子校生由貴 (154) につづく
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