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== 女子校生由貴 ==

女子校生由貴 (351)ご機嫌なお父さん

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女子校生由貴 目次

女子校生由貴 (351)ご機嫌なお父さん

「おはよう、おかあさん…」
風呂から上がっていったん自分の部屋に戻った由貴が、部屋着を着て降りてくると八重子が朝食の準備をしていた。

「由貴ちゃん、おはよう」
浩太朗から激しく愛された八重子はずいぶん機嫌がよさそうに見えた。両親の閨(ねや)を見てその時はショックを受けた由貴だったが、
「おかあさん、お腹減ったあ」
いやな事はすぐ忘れてしまう得な性格で、にこやかな母に由貴もうれしそうだった。
「すぐ出来るから、まっててね」
味噌汁に味噌をとく八重子は鼻歌交じりにリズムを取って、まだ女盛りのカラダを微妙に揺らしていた。そのメロディは『お嫁サンバ』だったが由貴は知らない。

「お、いい匂いだな…、由貴、おはよ」
そこへ浩太朗も起きてきてキッチンテーブルに着いた。八重子の後ろ姿をチラ見した浩太朗に由貴がいつもの大きな目を向けると、浩太朗はちょっと焦ったように目をそらして咳払いをした。
「ちょうど出来たところです、おとうさん、どうぞ…」
八重子がニコニコしてごはんと味噌汁を浩太朗の前に置いた。

「あのね、おとうさん…」
3人揃っての朝食は仲のいい家族の風景だった。由貴はタダシの指令を思い出して浩太朗に声をかけた。
「なんだ、由貴」
カワイイ娘のおねだり光線を敏感に感じて、浩太朗はにやけたようなゆるんだ表情をみせた。
「今日、買いたい物があるの…」
タダシから浩太朗を連れてこいと言われた由貴は、適当な理由を口走っていた。

「いいわね、由貴ちゃんも高校に入っていろいろ欲しいモノもあるでしょ」
3人一緒のお出掛けを連想した八重子はうれしそうだった。
「あ…、お母さんゴメン、お父さんと行きたいの…」
八重子の浮かれた様子に申し訳なさそうに言うと
「そうか、お父さんとデートしたいんだな、そう言うわけだ、おまえは留守番してなさい」
二人で出掛けたいという娘に、浩太朗は恥ずかしいくらいにニヤけていた。

「そう…、いいわよ、でも由貴ちゃん、あんまりワガママ言っちゃダメよ」
妻としての節度をわきまえている八重子は、夫から拒絶されたコトに異論を唱えなかったが、ご機嫌なところに水を差された気がして心持ちふくれっ面になっていた。
「まあまあ、お土産買ってくるし、な…」
さっきまでにこやかだった妻の顔が急に曇って、雷を恐れた浩太朗はとっさに機嫌を取ったが、カワイイ愛娘とのデートに内心ウキウキしていた。

「そう、お二人で楽しんできてください…」
ふてくされる八重子に
「ごめんね、おかあさん、こんど一緒にお出掛けして…」
タダシの命令を守るために八重子を不機嫌にした事が申し訳なくて、由貴は懸命に取りなしていた。
「いいわよ、楽しんでらっしゃい」
娘の一生懸命な姿を見て大人げない自分の態度が少しはずかしくなった八重子は、笑顔を作って応えた。

「お父さん、あのね、できれば、若い感じにしてね…」
それもタダシのリクエストだったが、その理由がよくわからない由貴はちょっとうつむきがちにお願いしていた。
「おおそうか、由貴も若いお父さんの方がいいんだな、お母さん、服、用意してくれるか」
服装にまで注文を付けられた浩太朗は、ついこないだまで子供だと思っていた由貴が父親の身なりまで気にするようになったのだ、と感慨深い思いだったが、年頃の娘が恥じらう様子にうれしそうに応えた。

「はいはい、お父さんはおめかしして、お出掛けですね…」
夫の浮かれぶりに八重子はちょっとすねて見せた。
「あ、ああっ、お母さん、今度は二人きりで出掛けよう、な」
八重子のジットリした視線にあわてた浩太朗に
「よかったね、おかあさん、お父さんとデートだね」
由貴も笑顔を作って一生懸命フォローしていた。浩太朗と出かけたいというのはタダシに命令されたからであって、自分がそうしたいのではないことを由貴は申し訳なく思っていた。

「おとうさん、後ろに乗せて…」
なんとか八重子の機嫌を取った浩太朗と由貴は、それでも少しぎこちない笑顔で送り出された。自転車を持ってきた由貴は昨日のようにまた甘えていた。
「…、おお、いいぞ」
見た事のないピンクのミニキャミワンピにジャケットを羽織る今どきの娘っぽいファッションに、目を奪われた浩太朗だったが、うれしそうに自転車にまたがった。由貴は最初にタダシに買ってもらったワンピをタダシから着てこいと、特に命令されたわけではない。うれしそうな浩太朗をみると少し心が痛むが、タダシとのお出掛けだと思っていた由貴はそれを選んでいた。

「由貴、ちゃんとつかまってろよ」
娘とのデートだと信じ込んだ浩太朗は、ギュッと抱きつく由貴の胸の柔らかさに顔をゆるめながら、ウキウキして自転車をこいでいた。ご機嫌の浩太朗はタダシのたくらみで誘い出されたとは全く知らず、昨日の満員電車のような淫らな仕打ちで翻弄される事など、想像さえしなかった。

女子校生由貴(352) につづく
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