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== 女子校生由貴 ==

女子校生由貴 (133) 新しい友達

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女子校生由貴 目次

女子校生由貴 (133) 新しい友達

「…後ろのコ、いなくなっちゃったね」
隣の席の青井優から話しかけられた由貴は
「あっ、うん、そうだね」
愛想笑いして応えた。

きっとエリのあとを追って調教の続きをしているだろうと想像した由貴は、胸がキュンとなったが、
生理で相手が出来ない由貴が悪いんだ、…。
と自分を納得させた。

エリが自習にして立ち去った教室は、ざわつきながらそれなりに均衡を保っていた。進学校だけあって、多くの生徒がまじめに自習する中で、エロチックなフェロモンをまき散らして去っていったエリをウワサする男子や、昨日のテレビの話題で盛り上がる女子もいた。

「…ねえ、ねえ、由貴ちゃん、つきあってるの?」
机をくっつけて顔を近づけた優は小声でささやくと、興味津々に由貴を見つめた。
「…、誰が?」
タダシは由貴とつきあっていることをクラスメイトに知られたくないので由貴がしらばっくれると
「またあっ、あのなんていったっけ、後ろのコよ」
透明感のあるピュアな笑顔で愉快そうに笑う優に、由貴もつられて楽しそうな笑顔になったが、
「タダシ君のこと?」
ご主人様の意志が絶対の奴隷根性がしみつた由貴は、あくまでも無関係を装って人ごとのように応えた。

「…あっ、そうっ、そんな名前だった、…つきあってるんでしょ、大丈夫、誰にも言わないから」
ひそひそ声で話しかける優のカワイイ笑顔に、警戒心がゆるみがちな由貴は
つきあってる、って言えたら、どんなにいいだろう、…。
困ったような笑顔を浮かべていた。
「だって、昨日、由貴ちゃんの机の上に桜の花、置いてたよ」
横目で由貴の顔を眺めながら笑う優に、由貴はドキッとしてうつむいた。

「…由貴ちゃん、泣いてたよね」
ニヒヒと聞こえてきそうな、それでもカワイイ笑顔を浮かべた優に、
見られてた、…。
由貴はますます顔を上げられなくなった。あのときいっぱいいっぱいで周りに気を使う余裕の無かった由貴は、泣き顔を見られていたなど全く気づいてなかった。

「…大丈夫、言わないから、…でも泣いちゃうなんて、ドラマチックだね」
うつむいて真っ赤になった由貴の耳元に、優がやっぱり楽しそうな声でささやいた。

「…、お願い、秘密にして」
隠しごとの出来ない由貴は観念してゆでダコのような真っ赤な顔に汗をかき、懇願の視線を向けた。
「わかった、…、誰にも言わないから、教えて」
降参した由貴にニッコリ笑った優はハンカチで優しく汗をかいた顔を拭いてあげると、顔が触れそうなほど近づいて由貴をうながした。

「…なに、言ったらいいの?」
まだまだ混乱した由貴は、とんでもないこと口走りそうで、何を言ったらいいか本当にわからなかった。
「…タダシ君と、いつから?」
野次馬根性丸出しの顔でのぞき込む優に、由貴がちょっと引き気味に笑うと
「あ、ごめん、そんなんじゃないから」
優は慌ててまじめぶった顔になった。

「…、入学式…」
由貴がうつむいてぽつりと漏らすと
「きゃー、一目惚れってやつっ」
優がうれしそうな悲鳴を上げたおかげでクラスの目がふたりに注がれた。

「…、優ちゃん、声、大きい…」
自分に向けられた視線を意識した由貴はますます顔を上げられなくなって、優をじっとりした横目で見ながら小さな声でつぶやいた。
「ごめ?ん、もうしないから…」
同じように視線を避けて顔を伏せた優が、すまなそうに由貴の赤い横顔に照れ笑いでつぶやいたが、由貴の恥ずかしそうな顔に反省したようにちょっとしおれた表情を見せた。

「…、でも、中学、いっしょだったから」
由貴は、言い訳するようにつぶやくと
「その時は、つきあってなかったの?」
あっさり立ち直った優はたちまち食いついて少女っぽい顔で目を輝かせた。顔を寄せる優を由貴はカワイイ顔だと思った。なんだかタダシを自慢したくなった由貴は
「…、ずっと、由貴のこと、見てたんだって…」
おずおずとつぶやいた。

「…」
黙っている優を由貴が見ると、口を押さえて目を三日月形にした優が今にも笑い出しそうに見つめていた。恥ずかしさで真っ赤になった由貴は机につっぷしておしつけるように顔を伏せた。

女子校生由貴 (134) につづく
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