2ntブログ

== 交渉人涼子2 ==

交渉人涼子2 2話(4)

ろま中男3 作品リスト
交渉人涼子2 目次

交渉人涼子2 2話 銀行(?)立て籠もり事件
(4) 山田の落ち込み

「…」
カーテンから差す朝日にまぶしそうに目を開けた山田は、ベッドでひとり寝ている自分に気づいた。しばらく寝ぼけてぼんやりしていたが涼子がいないことに気づいて、キョロキョロと落ち着き無く周りを見渡したがやはり涼子の姿はなく、朝立ちした股間をモロ出しして階下のキッチンに駆け下りた。

「耕太さん、おはよう、…それ、隠した方がいいわよ」
朝餉の支度をしていた喜久恵は山田の気配を感じてにこやかに声をかけたが、息を切らして目を血走らせた山田が、股間をそそり立たせるのを見て恥ずかしそうに目をそらした。
「おかあさん、大変です、涼子さんがいませんっ」
慌てて両手で股間を押さえた山田は、涼子がいないことを訴えた。
「…涼子なら、茉莉にお乳をあげてますよ、…とりあえず着替えてらっしゃい」
喜久恵は落ち着いた口調で山田をなだめようとしたが、山田はそれを聞いた瞬間、喜久恵の寝室に走っていた。

「…おはよう、耕太さん」
慌てて駆け込んだ山田に、茉莉に授乳中の涼子が優しく微笑んだが、
「…、となりでお父さん寝てるから、ダメよ」
素っ裸で股間のモノをそそり立たせて息を荒くする山田を見て、ふざけて笑っていた。
「あっ、おはよう、ございます…」
涼子の色気の混じった視線に股間を押さえた山田は昨日の暴走を思いだし、気まずくて涼子と目を合わせられなかった。山田は欲望をさらけ出した昨日の振る舞いを後悔していたが、涼子は夫婦生活だと割り切って別に怒ってなどいなかった。逆に昨日の高圧的な態度のままだったら、と心配していたのだが、いつも通りの山田に安心していた。
「…、じゃあ、着替えて、きます」
罪悪感で顔が上げられない山田は、コソコソと逃げるように2階にあがった。

「…、いただきます」
涼子がにこやかにご飯をよそったお茶碗を渡すと、山田は目を伏せて受け取り、恐縮してご飯を食べ始めた。
「あら、耕太さん、なんだか元気ないわね…、涼子とケンカしたみたいだけど、この子、ワガママだから、旦那様として、ビシッと言ってやっていいのよ」
ぼそぼそと食べる山田の元気ない顔に、喜久恵は優しく笑いながら声をかけたが、
「…、スイマセン、オレが悪いんです…」
山田はよけいにシュンとなって、落ち込んでいた。

「涼子、あなた、何言ったの」
喜久恵は、背筋を伸ばして、いただきます、と手を合わせた涼子に矛先を向けた。叱るような口調だったが、その顔は困ったように笑っていた。
「べつに…、夫婦のことだから、ね」
すました顔で朝食を取る涼子は、意味ありげな笑いを見せると、喜久恵はそれ以上何も言えなかった。

「じゃあ、今日はバイクで行くから…」
出勤の準備をすませてソフトレザーのスーツを着込んだ涼子は、山田に素っ気なく言うとガレージに向かった。なんだか涼子に突き放された気がした山田はあわてて、
「…あの、ご一緒してもいいですか…」
涼子にすがるように頼み込んだ。涼子の後ろのアナを乱暴に犯してしまって、わだかまりのある気持ちをかかえたままモジモジしていた。
「珍しいわね、いつも、嫌がるのに」
涼子は楽しそうに笑っていた。限界まで性能を引き出す涼子のライディングによるYZF-6Rのダンデムシートに乗るのは命がけと言っても良かった。涼子から誘うことは滅多にないが、誘われても山田は断ることにしていていた。

「…」
悲壮な覚悟でお願いした山田は、涼子の楽しそうな顔に緊張した面持ちでうなずいた。
「…、いいわよ、しっかり掴まっててね」
ぬめった光を放つ皮のはりついた脚線美にブーツを履かせた涼子は、山田にニッコリ笑って、YZF-6Rにキーを差してエンジンを始動させた。久しぶりに涼子を乗せるのを喜ぶかのように、一発でエンジンのかかったYZF-6Rのシルバーの車体は、かすかに振動しながら低くこもったアイドリングのエンジン音をガレージに響かせた。

交渉人涼子2 2話(5) につづく
1日1クリックご協力をお願いします(別ウインドウが開きます)。
関連記事

┃ テーマ:恋愛:エロス:官能小説 ━ ジャンル:小説・文学

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 09:54:17 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://aosaga9.blog.2nt.com/tb.php/1278-5e918c47
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next