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== 交渉人涼子2 ==

交渉人涼子2 1話(7)

ろま中男3 作品リスト
交渉人涼子2 目次

交渉人涼子2 1話 交渉人涼子、再び
(7)メイド涼子

「おおっ、とても子持ちの女刑事には見えんぞ」
現場指揮官の警部は、メイド衣装をキッチリ着こなしてセルフレームのめがねまでした涼子の女体を舐め回すようにして、スケベそうな笑いを浮かべた。
「…そりゃ、どうも」
呆れ顔でそっぽを向いた涼子に
「涼子さん、ダメですっ」
山田が珍しく涼子に意見していた。

「なに?…」
この衣装を用意した張本人に、涼子が冷ややかな視線で応えると
「にこやかに笑って、『ご主人様、お帰りなさいませ』です…、基本ですよ」
山田はこれだけは譲れない、とばかりに涼子に真剣な顔を向けていた。

「…はいはい、ご主人様、お帰りなさいませ…」
涼子が呆れ顔で、山田に言われたとおりのセリフを口にすると
「ちが~うっ、ぜんっ、ぜんっ、ダメですっ、…、ご主人様には愛情を込めた笑顔っ、メイドの基本精神ですっ」
涼子の投げやりな態度に山田は血相を変えて、荒くした鼻息を涼子に吹きかけて迫った。山田の勢いに押された涼子は、
「…、わかったわよ…、んんっ…、ご主人様、お帰りなさいませ」
軽く咳払いすると、トーンの高い声で首をかしげてシナを作り、山田にニッコリ笑った。

「くう~っ、…、いいっ、いいですっ、涼子さんっ…、その笑顔、忘れないでくださいねっ」
メイド服でかわいらしい仕草を見せる涼子に、感極まった山田は至上の喜びに震えて満面の笑みで見つめた。家に帰ったら、自分だけのためにメイドコスプレしてもらおうと企んで、バカ面をさらしてうれしそうに笑う山田は、恥さらしにも股間をふくらませていた。

…、こんな趣味の、変態だったなんて、…。
妻に恥ずかしい格好をさせて、特殊な性的嗜好を恥ずかしげもなくさらし、喜びの絶頂に震える夫を涼子が呆れ顔で見ていると
「だめっ、メイドは常に笑顔っ、コレも忘れないでくださいっ」
また山田が真顔で迫ってきた。普段の山田からは想像できない迫力に
「…ごめんなさあい、ご主人様っ」
もう何を言ってもムダだとあきらめた涼子は、ニッコリとした笑いを顔にはり付け、カワイイ声を作って、フレアスカートのスソをつまんでカワイイポーズを取った。

「うっ、…、OKです」
涼子の完璧なメイドぶりに見とれた山田は、急に股間を押さえて背を向けた。
変態、…。
夫の情けない性癖を目の当たりにした涼子が、腕を組んで呆れ顔でジットリした視線を山田に向けると、
「…だめっ、メイドは常にカワイク振る舞って」
みっともなく腰を引いた山田が、また迫ってきた。

「…ところで、この格好に何の意味が」
涼子は山田を無視して、警部に話しを向けた。
「えっ、…ああっ、まだ説明してなかったか、これからキミにはメイド喫茶に立て籠もった犯人の説得に向かってもらう、…」
純白フリルのアンダースカートの下に太もものナマ肌をわずかに見せる、網タイツオーバーニーソックスをはいた足をイヤラシイ顔で眺めていた現場指揮官は、ゆるんだ顔を引き締めると涼子の任務を説明した。

だからって、こんな格好する必要が?…。
涼子はわざわざメイド服を着る意味がよく分からなかったが、メイド喫茶に立て籠もった犯人は、アルバイトのメイド数名を人質にしているらしい。犯人の要求は今のところはっきりしないが、ナイフを所持しているらしい。

「…じゃあ、行きましょうか」
つかの間、姿の見えなかった山田の声がして振り向くと、執事スタイルのフロアスタッフの衣装を着て立っていた。
…、これも、用意してたのね、…。
着やせする山田にぴったり合った衣装は、これもオーダーメイドだろうと見当をつけた涼子が、呆れ顔で見ていると
「…笑顔です、涼子さん、え、が、お」
山田が困ったように笑いながら、小舅のように小言を漏らしていた。

帰ったら、どうしてくれよう、…。
山田のお仕置きを考えながら、完璧な営業スマイルを向ける山田に対抗するように、涼子もニッコリ笑って可愛いしぐさを見せた。

交渉人涼子2 1話(8) につづく
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