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== H2(ハル子とヒロ) ==

H2(ハル子とヒロ) (10)再会

ろま中男3 作品リスト
H2(ハル子とヒロ) 目次

H2(ハル子とヒロ) (10)再会

あれから5年経った。

退院したヒロは外来のたびにハル子を捜したが、系列の病院に移ったハル子と会うことは出来なかった。

ハル子に会えなくてふさぎ込んだヒロは、別人のような暗い少年に変わってしまった。暗い中学生活を過ごしたがなんとか高校に合格して心機一転、同じ年の女の子とつきあった。しかしセックスしても思い出すのはハル子の顔で、長続きしなかった。

中学の時からずいぶん背も伸びて美少年からイケメンになったヒロは、すぐにまたあたらしいガールフレンドが出来てつきあいだしたがそれも長続きせず、そんなことを何度も繰り返した。高校時代に何人もの女の子とつきあったが、いつも思い出すのはハル子のことで、本当に好きになることができなかった。いつしかヒロは女の子をとっかえひっかえのヤリ男のウワサをたてられていた。

立派な大人になるというハル子との約束を忘れてなかったヒロは、高望みしすぎた大学受験に当然のように失敗して、自宅から予備校に通って今度は予備校の女の子とつきあいだした。彼女とは年内はなんとか続いたが、年明けに受験に専念したいと言われて別れた。ヒロの愛情を感じられない彼女の方から別れを切り出されたのだった。

女にフラれたヒロは大学からもフラれた。就職も考えたがハル子との約束が忘れられず、もう一年浪人することにした。しかしまた親元で甘えていては来年も受験に失敗すると思ったヒロは一人暮らしを親に願い出た。

近所の目を気にした親は、渡りに船とばかりにそれを快く承諾した。ヒロはアパートを借りてひとり暮らしをはじめた。

「散ってるなあ…」
引っ越しの少ない荷物を片付けたヒロは、近くを散歩しようと外に出た。アパートの裏の桜が散るのをしみじみ眺めていると、隣の家のベランダで洗濯物を干す女性が目に入った。膝上のスカートの奥に白いパンティが見えた。

見上げる青年の視線に気づいた彼女は、はっとしたようにヒロを見つめて手から白い布を落とした。桜の花びらと一緒にヒロの足下に白い布が落ちた。

「…、ハル子さん?…」
見上げたままヒロがつぶやいた。ベランダからまばたきもせずこちらを見つめる女性はハル子だった。

H2(ハル子とヒロ) (11) につづく
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