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女子校生アヤ (84)お詫びの訪問

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女子校生アヤ (84)お詫びの訪問

山越えの坂道で置き去りにされたアヤは、来た道をいそいそと戻っていく透の背中が小さくなるのをぼんやり見送っていたが急に腹が立ってきた。

好きな女の子を、こんなさびしい山道に置き去りにするなんて、私のこと好きじゃないのっ、…。
坂道をおりてずいぶん小さくなった透を追いかけて背中にケリをいれてやろうか、と思ったアヤだった。しかしここ数日で癇癪を起こして何度も失敗したアヤはそこから少しは学習した結果、ぐっと悔しさを噛みしめて自宅に向かった。

とぼとぼと家に向かうアヤは、やり場のない怒りをため込んで妖しい迫力を漂わせていた。

「…、ただいま」
家についても怒りを維持したアヤは、母の貴美子に仏頂面を見せていた。
「着替えなくていいから、一緒に来なさい」
貴美子はアヤの帰りを待っていたようで、アヤはさっき脱いだばかりの指定靴のローファーを履いて貴美子と車に乗った。
「どこ行くの?」
助手席のアヤが不機嫌そうに聞くと
「…、お詫びに行くのよ」
貴美子は前を向いたまま、応えた。

「…あんた、男の子ケガさせたんでしょ、なんで言わないの、先生から電話があって、お母さん恥ずかしい想いしたのよ」
相変わらず前を向いたまま車を運転する貴美子の責めるような口調に
「…、ふざけてた、だけだもん」
機嫌の悪いアヤはいけないと思いつつも、貴美子に反抗していた。
「…、この娘はいつまで経っても、子供なんだから、あちらでそんなこと言うんじゃないわよ」
口をとがらせるアヤをチラ見した貴美子は、呆れたようにつぶやいた。

「…はいはい」
アヤが外に視線を向けて応えると
「いいわね、黒川さんちでは、ちゃんとするのよ、…お買い物、行きたいんだったらね」
ひねくれた態度を見せるアヤに、貴美子は昨日のおねだりを引き合いに出していた。
「ええっ…、ひどいっ、ずるいよっ」
アヤがぶーたれると
「…なに言ってんの、あんたが悪いんでしょ」
アヤの抗議を一蹴した貴美子は、心の中ではケガをさせた相手がアヤの彼氏かもと考えていた。ケガをさせて申し訳ないという気持ちより、娘の彼氏を見られると実はワクワクしていた。

「…いいわね」
透の家の前で車を止めた貴美子はアヤにもう一度念を押すと、玄関前に立って威儀を正すと呼び鈴を押した。

女子校生アヤ (85) につづく

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